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金融庁、正式に銀行の仮想通貨投資解禁を検討へ 金商法適用の議論受け

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨投資解禁を検討

金融庁は、銀行と保険会社の本体がビットコイン(BTC)などの仮想通貨(暗号資産)を投資目的で保有できるようにする制度改正の検討を始めることが正式に明らかになった。

背景にあるのは、暗号資産を金融商品取引法(金商法)の対象にする議論が進んでいること。市場が醸成する中で、銀行と保険会社に分散投資の手段を提供するために、投資目的での暗号資産保有を認めてはどうかということを検討する。

これは19日に読売新聞が最初に報じていた内容だが、金融審議会(首相らの諮問機関)の作業部会が22日の会議で使用する資料が公開され、「事務局説明資料②」の中に検討を行う旨が明記されており、報道が事実であることが明らかになった。

関連:金融庁、銀行の仮想通貨投資解禁を検討=報道

事務局説明資料②は66ページあり、銀行と保険会社の暗号資産保有以外にも様々な規制ルールについて書かれている。今回取り上げたテーマの1つが、銀行と保険会社に関する暗号資産規制だ。

資料には、これから投資目的の暗号資産保有の解禁を検討するが、十分なリスク管理や態勢の準備などを銀行と保険会社に求めることが前提であるとも記載している。

発行や売買

また、銀行と保険会社による暗号資産の発行・売買についても会議の資料に書かれている。こちらについても解禁が提案されているが、「依然として慎重な検討が必要ではないか」と記載した。

資料では、過去の情報整理で挙がった以下のような懸念点が引き続き残っているのではないかと指摘している。

  • マネー・ローンダリング等に利用されるリスク
  • 暗号資産の管理等にかかるシステムリスク
  • 暗号資産の保有に伴う価格変動リスク
  • これらのリスクが顕在化した場合のレピュテーショナル・リスク

レピュテーショナル・リスクとは

会社などの評判や信用を損なうリスクのこと。

また、銀行と保険会社が取り扱う場合、暗号資産のリスクや自らのリスク許容度を精査せずに取引してしまう投資家が一定数生まれるおそれがあることも指摘している。

そのため、暗号資産の特性に応じた投資商品としての規制を整備することにより、投資者保護の充実を図り、健全な取引環境を整備することの方が先決なのではないかと提案した。

暗号資産の仲介についても、相対的にリスクは限定的であるとしながらも、上述した投資家に関するリスクから、慎重な検討が必要ではないかと述べている。

グループ会社について

今回、もう1つ検討事項として挙がっているのが、銀行と保険会社の子会社の取扱いだ。資料では、以下の点から、子会社で暗号資産を取り扱うことを認める余地はあると考えられるとした。

  • 本体より業務範囲は広いこと
  • 本体と比べ、投資家が暗号資産のリスクや自らのリスク許容性を精査せずに取引してしまうおそれが限定的であること
  • 本体との関係で、一定のリスク遮断が図られること

そして、暗号資産の売買等が金商法で規制される動きがあることを踏まえ、銀行と保険会社の子会社である金融商品取引業者には暗号資産の発行・売買や仲介を認めることが適当ではないかと提案。銀行や保険会社のグループ会社と、証券グループ会社らの一般の金融商品取引業者とを公平に扱うことを検討すべきだとした。

また、暗号資産を対象にする投資運用業については、本体は他の投資対象と同様に禁止を提案。一方、子会社には認める案が出されている。

関連:「仮想通貨は基本的に金商法のみで規制を」金融庁が検討へ 分離課税移行やETF解禁につながるか

関連:片山さつき氏、財務大臣に起用 暗号資産規制整備にも期待

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