
米国、規制明確化で取引急増
ブロックチェーン分析企業TRMラボは21日、「2025年仮想通貨普及・ステーブルコイン利用報告書」を発表した。
仮想通貨推進派のトランプ大統領が1月に就任して以降、従来の政府の慎重な姿勢は一転。報告書によると、その影響を受けて今年上半期の米国における仮想通貨取引高は前年同期比で約50%増加し、1兆ドル(約150兆円)を突破したという。
代表的な政策動向としては、米議会による包括的ステーブルコイン法「ジーニアス法」の可決、ホワイトハウスのデジタル資産報告書発表、政権初となる「クリプト・ツァー」(デイビッド・サックス氏)の任命、さらにSECによる仮想通貨タスクフォース設置などが挙げられる。これら一連の規制整備が市場拡大の追い風となったと分析されている。

出典:TRMラボ報告書
その結果、米国は「2025年国別仮想通貨普及指数」で2位を維持。首位は3年連続でインドが占めた。
また、南アジアは2025年上半期に最も急成長した地域で、取引高は前年同期比80%増の約3000億ドル(約45兆円)となった。インドに加え、パキスタン(3位)やバングラデシュ(14位)など同地域からの上位ランクインが目立つ。
一方、日本は同ランキングで9位となり、2024年の15位から順位を上げた。
報告書は、ステーブルコインが仮想通貨普及で重要性を増していると指摘。2025年上半期の取引高全体の30%を占め、2025年8月時点では年間取引高が過去最高を更新、前年同期比83%増となった。
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