DATプレミアム価格の鍵は?
暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwise(ビットワイズ)のマット・ホーガン最高投資責任者は24日、ほとんどのデジタル資産トレジャリー企業(DAT)はディスカウント価格に向かうだろうとの見解を示した。
一部のトレジャリー企業の株式は、保有する仮想通貨の価値を上回るプレミアムで取引されるが、最近はこのプレミアムが縮小していると指摘されている。ホーガン氏は、次のように予測した。
過去6か月間、様々なトレジャリー企業が同じ時に上昇や下落をしてきた。しかし今後は、より差別化が進むと考える。
一部のトレジャリー企業はうまく運営されプレミアムで取引される一方、多くのDATは運営がうまくいかず、ディスカウントで取引されるだろう。
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デジタル資産トレジャリー企業(DAT)とは
資産の一部または全部をビットコインやイーサリアムなど仮想通貨に配分する戦略をとる企業のこと。仮想通貨への間接投資手段を提供する。
「プレミアムを生み出す手法は不確実」
ホーガン氏は、トレジャリー企業が割引価格で取引される主な理由として「流動性」、「経費」、「リスク」の三つを挙げた。
「流動性」については、例えばビットコイン(BTC)現物とは異なり、トレジャリー企業のビットコインをすぐに現金化できるわけでないことから、その分ディスカウント価格が求められる点を指摘する。
「経費」については、トレジャリー企業が払う運営コストや役員報酬などは株主の取り分を減らすと述べる。また、「リスク」については、企業が何らかのミスを犯す可能性はあり、これも株価に織り込む必要があるとした。
一方、米国でトレジャリー企業がプレミアムで取引される理由は一つであり、それは企業が「1株当たりの仮想通貨保有比率を持続的に増やしている場合」だとしている。
さらに、これを実現する方法として、債券発行や、保有トークンの貸し出し、デリバティブ取引の活用、仮想通貨をディスカウント価格で購入することなどを挙げた。ホーガン氏はしかし、こうした手法のほとんどが不確実なものだと指摘する。
例えば、米ドル建て債券を発行し、仮想通貨を購入した場合、仮想通貨が米ドルに対して上昇すれば、債券を返済して1株当たりの仮想通貨保有比率を高めることが可能だ。
実際に、ストラテジー社はこの方法で1株当たりのBTC保有比率を高めてきた。ただし、ビットコインの価格が下落する局面では、企業の返済負担が大きくなるなど、逆効果となる形だ。
ホーガン氏は、規模の大きいトレジャリー企業が有利になると示唆している。規模の小さい企業よりも債券発行が容易で、貸し出し可能な仮想通貨も多く、流動性の高いオプション市場にアクセスできるからだ。
また、M&Aやその他のディスカウント取引へのアクセスも容易だと指摘した。
資産運用大手VanEck(ヴァンエック)も9月末時点で、市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)低下が続けばトレジャリー企業の資金調達に影響を与えると述べている。
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