銀行の仮想通貨サービス許可を検討
アルゼンチン中央銀行が、従来型銀行による暗号資産(仮想通貨)取引の許可を検討している。もし実現すれば仮想通貨の採用を促進する可能性も指摘されている。現地メディアが5日に伝えた。
関係筋は、LA NACIONに対して、規制案が策定中であると述べたが、詳細や具体的な時期については明らかにしていない。一方で、アルゼンチン拠点のある仮想通貨取引所は、この措置が2026年4月に承認される可能性があると主張している。
また、こうした措置の可能性は、取引所、一部銀行、規制当局の関係者の間で以前から議論されていたとされる。アルゼンチンでは2023年より、ビットコイン(BTC)支持派のハビエル・ミレイ氏が大統領の座に就いているところだ。
就任後に公表されたミレイ政権の金融政策の中核は、仮想通貨やビットコインではなく完全な米ドル化だったため、一部のビットコイン至上主義者からは落胆の声が上がった。しかし、契約書にビットコインを使用できるようにするなどの政策も発表されている。
アルゼンチンではハイパーインフレなどを背景に仮想通貨が注目を集めてきた経緯があり、現地の仮想通貨取引所Lemonのデータによると、アルゼンチンでは現在、ラテンアメリカ地域の平均的な国と比べて、仮想通貨の利用は1日あたり6倍だ。
マネー・オン・チェーンのマヌエル・フェラーリ共同創設者は、仮に当初実現するのが限定的なものであったとしても、もし銀行が取引を提供できるようになればプラスの影響があるとして、次のように意見した。
ガリシア、サンタンデール、ナシオンといった銀行がビットコインやステーブルコインへの容易なアクセスを提供し始めれば、新たな大規模導入の波が生まれる可能性がある。
これまで最初の一歩を踏み出せなかった多くの人々が、慣れ親しんだ環境の中で仮想通貨に触れることができるようになるだろう。
また、アルゼンチンの仮想通貨取引所Lemonの広報担当ディレクター、フアン・パブロ・フリーデンバーグ氏は次のように話した。
Lemonでは、銀行が顧客に仮想通貨サービスを提供できるよう規制が撤廃された場合、それは前向きな展開だと考えられる。
よりオープンな金融エコシステムは、アルゼンチンにおけるデジタル資産の普及を牽引し、イノベーションの促進、金融包摂の拡大、急速に進化する業界における国の競争力強化につながるだろう。
アルゼンチンでは、3年前にガリシア銀行、ウアラ銀行、ブルバンクなどが仮想通貨の売買や保管サービスを提供しようとしていた。しかしこの際には、アルゼンチン中銀が、金融システム内の機関によるデジタル資産取引を禁止したため計画が頓挫している。
その後、ここ数年で世界的に、従来型銀行が仮想通貨に参入する事例は増えているところだ。
最近ではフランスの大手銀行BPCEが、銀行アプリを通じてビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、USDCを売買できるサービスを立ち上げる計画が伝えられた。
また、サンタンデール銀行のデジタル部門Openbankも、ドイツでビットコインを始めとする5銘柄の仮想通貨の取引・保管サービスを提供している。アルゼンチンでもこうした動きが実現するのか、今後が注目される。
関連:フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始



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