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ST市場効率化目指す、SBI新生銀行ら6社が新たな決済実証を開始 預金のトークン化で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SBI証券ら6社

SBI証券、大和証券、SBI新生銀行、BOOSTRY、大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)、ディーカレットDCPの6社は26日、セキュリティトークン(ST)の二次流通市場の発展に向けて、トークン化預金DCJPYを利用したSTのDVP決済の実証に関する協業を開始したと発表した。

2025年8月に検証用データを用いた決済検証を実施し、STの二次流通時を想定したDVP決済のシステムイメージと業務フローの整理を概ね完了している。

DVP決済とは証券の引渡しと代金の支払いを相互に条件付けし、一方が行われない限り他方も行われないようにする仕組みだ。

国内のST市場は2020年の初のデジタル債発行以来、商品性の多様化や取扱金融機関の拡大が加速し、2025年11月末時点で公募発行総額は2,700億円規模まで成長した。一方で、ブロックチェーン上でSTの受け渡しが即座に行われるのに対し、資金決済は銀行振込で実施しているため、決済リスクの管理強化と事務負担の軽減が課題となっていた。

BOOSTRYとディーカレットDCPのシステム連携による新たな決済スキームを、SBI証券と大和証券の間のST売買取引で実証する。これにより決済リスクと事務負担を低減するDVP決済をSTの二次流通市場における決済方法の一つとして実証し、ST市場のさらなる拡大に貢献することを目指す。

実証では、BOOSTRYが開発を主導するブロックチェーン「ibet for Fin」をプラットフォームとして発行・管理されるSTと、ディーカレットDCPのプラットフォームを利用してSBI新生銀行が発行するDCJPYを使用する。決済の流れは、売方証券会社がSTを仮移転し、買方証券会社がDCJPYの発行を依頼して売方への移転指図を実施、ディーカレットDCPが決済情報を照合してDCJPY移転と同時にST移転を実行する仕組みだ。

DCJPYはディーカレットDCPがプラットフォーム提供する銀行預金をトークン化したトークン化預金だ。価値の安定性や会計処理方式など一般的な預金の性質を有しているため、ST決済における有力な選択肢と考えられている。デジタル通貨は分散型台帳技術を活用して記録・管理・移転される通貨的特徴を持つ資産の総称で、証券決済のDVP化や証券事務フローにおける決済業務の効率化により、決済リスクの削減や事務負担の軽減が見込まれる。

2025年8月、6社が一堂に会して検証用データを用いたST社債とDCJPYのDVP決済の検証を実施した。STの二次流通市場における証券決済の業務フローを整理し、ibet for FinとディーカレットDCPのテスト環境を利用して発行した検証用のST社債とDCJPYを用いて疑似的にDVP決済となるスキームを確認した。すべての証券決済関係者が参加し、DVP決済に係るシステムイメージと業務フローを確認できたという。

本プロジェクトはSTの即時グロス決済を将来目指すための最初のステップと位置づけられている。実証後、広くSTの市場参加者へ実証結果を周知し、ODXが運営するSTの二次流通市場「START」に参加する複数の証券会社およびSTプラットフォームとの間で利用できるよう、関係者間で実用化に向けて検討を進める予定だ。

本決済スキームをSTの二次流通市場における共通の決済基盤の一つとすることで、市場の効率性向上と決済リスク低減を実現し、より健全な市場の発展に貢献する。

関連:なぜSBI新生銀行は投資家に選ばれる? 圧倒的優位性を持つ「SBI証券」との連携メリットを解説

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