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フォルクスワーゲン、希少金属レアメタルを追跡するIBMブロックチェーンに加盟へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

独フォルクスワーゲン、IBMのブロックチェーン活用へ
大手自動車メーカーのフォルクスワーゲン社が、IBM社ブロックチェーン技術を活用した鉱物資源サプライチェーンのプログラムに参加することを発表した。レアメタルであるコバルトの供給網を監視、追跡するネットワークへ加盟することとなる。

独フォルクスワーゲンがブロックチェーン活用へ

ドイツの大手自動車メーカーフォルクスワーゲン社が、IT大手のIBM社が今年1月に開始したブロックチェーン技術を活用した、鉱物資源サプライチェーンの試験プログラムに参加することを表明した。

フォードやLG科学などが、コバルトなどの希少金属に該当する鉱物資源のサプライチェーンに携わる様々な大手企業が加盟している。

Linux FoundationのHyperledger Fabric技術を用いたIBMブロックチェーン上に構築される同プログラムは、業界をまたいでレアメタルとみなされる鉱物資源の供給網を監視、追跡するネットワークを築くものだ。

フォード自動車(米)、Huayou Cobalt(華友鈷業=中)、 LG化学(韓)並びに自然資源調達コンサルタント企業、RCSグローバル など、鉱物資源供給網の主要過程に関わる企業が加盟しており、最初はコバルトの供給網に焦点を絞って開発が進んでいる。

コバルトは、世界でも発掘量が限られている希少な物質であるため、レアメタルと称されており、その需要の半分以上は自動車やデジタル家電向けのリチウムイオン2次電池に利用されている。しかしその生産地は世界に遍在しており、アフリカのコンゴ共和国が大きな供給元となっているが、採掘環境には課題も多く、鉱山での児童労働が大きく問題視されてきた。

そこでコバルトの精製、製品化、自動車への搭載など全ての過程をブロックチェーン上に記録することで、それぞれのサプライチェーンのトラッキング、透明性向上を図るものだ。

ブロックチェーン技術をこのような形で活用することにより、経済協力開発機構(OECD)の基準に準拠した、人道的な環境で採掘された原材料であると証明することを目指している。

最終的には、消費財に使われるコバルト以外の鉱物資源調達網にまで、追跡、検証の枠を広げ、その対象も航空宇宙事業や防衛といった分野にも応用できる、汎用的なブロックチェーンプラットフォームの構築することが目標だ。

今回加盟したフォルクスワーゲン社はブロックチェーン上に改ざん不可能な信頼できるデータとしてサプライチェーン全体の鉱物資源のトラッキングデータが自動で全て記録される点を高く評価。既存の第三者機関に調達基準の確認するよりはるかに効率的だと結論づけている。

自動車業界とブロックチェーン

ドイツの大手自動車メーカーであるフォルクスワーゲン社以外にも、自動車業界では、ブロックチェーン技術の導入が広がっている。

BMWは、昨年、ブロックチェーン企業DOVUと提携し、リース車・レンタカーの走行距離の記録をドライバーから収集、そのインセンティブとしてBMWのトークンを与えるといった取り組みを始めていた。

ほかにもポルシェは、ブロックチェーン技術を車両に導入する試験を開始、ブロックチェーンを使ったドアロックの仕組みや、車両から得られる様々なデータを暗号化し活用するなどの方法が検討されている。

また、トヨタは「自動運転」技術を含む、新しいモビリティシステム開発のために、ブロックチェーン技術を導入したと発表していた。

JPモルガン社のCEOであるジェイミー・ダイモン氏や米国の億万長者であるウォーレン・バフェット氏など、仮想通貨自体よりも根本となるブロックチェーン技術を高く評価する声は少なくない。

しかし、ブロックチェーン技術が仮想通貨に限らず、サプライチェーンにおける資源の流通経路の透明性向上など社会に見えない形で貢献することも大事だと言えるだろう。

引き続き、ブロックチェーン技術がどのような業界で応用されていくか気になるところだ。

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