- アルトコインの中でSegwitを導入
- スケーラビリティ問題を解消するSegwitの導入に成功した
- ビットコインの改良版
- ビットコインの性質を保ちながら、より流通に特化したアルトコイン
- 取引スピードがビットコインの4倍
- ビットコインの決済スピードが10分に対し、2.5分で決済できる
通貨コード | LTC |
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取引開始日 | 2011年10月7日 |
承認アルゴリズム | Proof of Work |
発行上限量 | 8400万LTC |
ブロック生成サイクル | 約2.5分 |
ブロックチェーンURL | ブロックチェーン公式サイト |
概要
ライトコインは基本的な通貨の仕組みがビットコインとはほとんど同じですが、ビットコインよりも流通量(埋蔵量)が多く、採掘や取引も労力がかからない形にして、流通や取引に利用しやすくすることを目的に開発された通貨です。
ライトコインの歴史
ライトコインの歴史は仮想通貨(暗号資産)の中でもかなり古く、ビットコインの次に古い通貨になります。 ビットコインの性質を保ちながら流通しやすい通貨を目指して開発されたのがライトコインです。
開発者は元Googleのチャーリー・リー
ビットコインは開発者が明確に存在していませんが、ライトコインはれっきとした開発者がいます。ライトコインは元Googleエンジニアのチャーリー・リー氏によって開発されました。リー氏はビットコインが開発された後に、ビットコインの問題点を改善し、もっと使いやすい通貨を目指して開発されたのがライトコインです。
数千種類ある仮想通貨の中で、ビットコインの次に歴史が古い通貨です。
ビットコインが金ならば、銀を目指した通貨
チャーリー・リー氏はライトコインについて「ビットコインを金とするなら、ライトコインは銀を目指す」という目的で開発したと述べています。基本的な通貨の仕組みはほとんど同じなのですが、ライトコインはビットコインよりも流通量(埋蔵量)が多く、採掘や取引も労力がかからないようにして、流通やに利用しやすくなうよう設計されています。
ビットコインとの比較
ライトコインはビットコインの性質を取り入れているため、よくビットコインと比較されます。以下の表が両通貨の相違点です。
種類 | ライトコイン | ビットコイン |
---|---|---|
埋蔵量 | 8400万枚 | 2100万枚 |
発掘難易度 | 低い | 高い |
アルコリズム | Scrypt | SHA-256 |
ブロック生成 | 2.5分 | 10分 |
決済スピード | 2.5分 | 10分 |
安全性 | 低い | 高い |
埋蔵量
埋蔵量の違いに関しては、ビットコインが2100万枚であるのに対し、ライトコインはその4倍の8400万枚です。
発掘難易度
採掘に関しては、ビットコインでの採掘(マイニング)は難易度が高く、スーパーコンピューター並みのマイニングマシーンがなければ採掘は難しい状況です。それに比べてライトコインは採掘作業に比較的労力を必要とせず、一般的なCPUで行うことが可能なのです。(それでもこれから採掘で儲けることは難しいです。)
決済スピード
仮想通貨の問題の一つとされているのが決済スピード。ビットコインは決済するのにおよそ10分程度かかります。しかし、ライトコインは高速なブロック生成の取引のおかげで決済スピードも2.5分程度の速さで処理することが可能になっています。
安全性
取引時間が短縮されることに寄って安全面においてデメリットが存在します。取引認証時間、つまりブロックの生成時間が短いということは、「マイニングの難易度がより低く設定されている」という捉え方もできます。このため、マイニングしやすくなるのと同時に、悪意のある第三者によるハッキングがビットコインよりもしやすくなっているとも言われています。
セグウィット(Segwit)について
セグウィットとは、トランザクション(取引履歴)を圧縮してデータ量を小さくする技術です。これは仮想通貨の課題である「スケーラビリティ問題」を解決できる技術として期待されています。しかし、セグウィット導入には大きな障壁があり、ほとんどの通貨が導入できていません。その状況下で、ライトコインがアルトコインの中でいち早く、セグウィットの導入に成功したのです。
仮想通貨の流通の課題
仮想通貨の流通の課題としてデータ量の増加による決済の速度が遅くなるという問題があります。これを「スケーラビリティ問題」といいます。そもそも仮想通貨はデータ(ブロック)の集合体で取引内容を管理されています。そのため、取引量が増えればデータ量が大きくなり、情報処理が遅くなってしまうという問題が生じてしまいます。
ちなみにビットコインの場合、1ブロックあたりのデータ量は1MBで3,000の取引内容が集約されています。この3,000取引を超えると、新たなブロックが生成されて、その分データ量が増えていくという仕組みです。
つまりブロック数が増え、ブロックで処理されるトランザクションの数が増えるほど取引処理も遅くなり、決済スピードも遅くなってしまうのです。
パソコンでも容量が増えれば、動作が遅くなったり、最悪フリーズしてしまいますよね。これと同じことが仮想通貨に起こりうるのです。
「スケーラビリティ」を解決する画期的な技術
以上の問題を解消できると言われているのが「Segwit(セグウィット」なのです。
現在、保管されているブロックのデータを分解すると、インプット・アウトプット・電子署名この3つに分けられます。
ビットコインのトランザクションはインプット(入力)とアウトプット(出力)という二つの要素に分けられ、インプットには送信元の情報が含まれ、アウトプットには送信先の情報が含まれます。そして、その他の電子署名の部分だけ別管理をすることで、ブロックの容量を圧縮できる技術があります。これがセグウィットです。この技術を導入することで、約60%程度のデータ量圧縮が可能です。
計算許容量が、従来と比べて約6割も増えることになります。これだけのデータ量用に余裕ができれば、情報処理もスムーズに行えます。
セグウィット導入までのいきさつ
これだけ画期的なセグウィットですが、導入している通貨はあまり多くはありません。その理由はマイナー(マイニングを行う企業など)の反発があるからです。
そもそもセグウィットを導入するためには、ある一定数のマイナーの賛同が必要です。(ビットコインは95%のマイナーの賛同が必須。)
しかし、セグウィットを導入することはマイナーにとってマイナスな面が多いのです。もしセグウィットを導入することになれば、ノードと呼ばれるコンピューターをセグウィットに対応するものに換えなければならないのです。
そのためには新しいコンピューターや部品を追加する必要があったり、手数料がかかるのでかなりのコストが発生します。投資のためにマイニングをしてる人にとっては、このコストをかけることを良しとしていない人もいるのです。
2017年の前半は、マイナーの約30%近くがセグウィット対応のコンピュータに変えていますが、まだまだ承認するに十分な数には至っていませんでした。特にビットコインに関しては95%のマイナーの賛同とされていました。しかし、2017年8月9日に、ビットコインにもSegwitがロックインされ、24日にアクティベートされました。
75%の賛同を得て導入を実現したライトコイン
しかし導入が難しいと言われている仮想通貨の中で、ライトコインは75%のマイナーの賛同を得てセグウィットの導入を実現しました。
他にもセグウィットを導入している通貨はあるものの、時価総額が大きく、ビットコインと並んで比較される通貨の中で、セグウィットの導入することができた唯一の通貨がライトコインです。
ライトコイン(LTC)価格が高騰
ライトコインは2017年5月初旬にSegwitが承認されたことで、一時的に価格が高騰しましたが、その後は他のアルトコインに比べると大きな幅で下がっていきました。
しかし、2017年6月15日にビットコインのUAHFへの不安から仮想通貨の大半が下落していく中、ライトコインはいち早く回復し、6月17日頃には1LTC3500円前後だった価格が5500円近くまで高騰しました。
理由の一つとして挙げられるのは、ビットコインの信用に対する不安です。ビットコインはUASFやUAHFによって混乱しており、再びハードフォーク危機への懸念が高まっている状態です。一旦は落ち着いているものの、今後はどうなっていくかわかりません。
そこで、ビットコインと同じ性質を持ち、更にはマイニングや取引の承認スピードにおいて優位性があるライトコインがビットコインに不信感を持つ人達から買われた可能性が非常に高いのです。
この結果から、ライトコインはビットコインの代替となりえる通貨だと多くの人から期待されているといえるでしょう。
ライトコインウォレット
ライトコインを保存するために必要なウォレットを紹介します。
LaofWallet
- iOS専用のウォレット
- 操作性が抜群
- 非中央集権型でセキュリティも高い
このウォレットはiOS専用ウォレットで、ビットコインのbreadwalletをベースに作られているので、非中央集権型で堅牢性が高く、操作性にも優れています。
また、アップルのApp Storeから入手できる仮想通貨ウォレットは数多くはありません。App Storeはウォレットアプリに対して申請が通らないことで有名なのです。なので逆にアップルが認定したウォレットなので信頼して利用することが出来ます。
liteaddress.org
- ウェブ上ウォレット
- 初心者でも扱いやすい
- ペーパーウォレットで管理できるので安心
このウォレットはウェブ上ウォレットでビットコインのbitaddress.orgをベースに作られており、初心者でも使いやすいと評判です。また、ペーパーウォレットの作成もできるため、保管しやすい特徴もあります。
Ledger Nano S
- ハードウェアウォレット
- 物理的に持ち運びが可能
- BTC、XRP、ETHなど8種類の通貨に対応
ハードウェアウォレットなのでデバイス内でライトコインを管理できます。そのためマルウェアなどのウイルスにかかったとしもても安心して通貨を管理することができます。また、ライトコインの他にビットコイン、リップル、イーサリアムなどの通貨にも対応しているので、一度に複数の通貨を保管することも可能です。
ライトコイン対応取引所
仮想通貨を取引する場合は「取引所」での売買が一般的です。そこでライトコインが対応している取引所について紹介します。
日本の仮想通貨取引所
取引所 | 特徴 |
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日本国内でも珍しくアルトコインの販売を行なっている取引所。ただし、litecoin建の取引は出来ない。 | |
ビットバンクでは、チャートを見ながらライトコインを取引できます。よって、BTC/JPY(ビットコイン/円)と同じようなイメージでトレードできます。 | |
2017年7月に取扱が可能になったばかり。 |
日本では2021年7月現在、coincheck、bitbank.cc、bitFlyerなど19ヶ所の取引所で取り扱われています。
取引所の数や取引量では海外に比べてまだまだですが、Segwit導入に成功したアルトコインということで注目されているため、ライトコインを取り扱う取引所は今後増えていく可能性もあります。
ライトコインの将来性
今までライトコインは、ビットコインと機能がほとんど類似しているため、アルトコインの中では大した注目はされていませんでした。
しかし、最近になってビットコインよりもライトコイン決済を望む人が増えていることから、注目を集めるようになりました。
理由はビットコインはハードフォーク危機による分裂への不安があるからです。
そこでビットコイン保有者が同じような性質を持ち、さらにはSegwit導入にも成功させたライトコインに交換する動きが盛んになれば、ライトコインの価値も上昇すると考えられます。
今までそこまで脚光を浴びることのなかったライトコインですが、Segwit導入やビットコインのハードフォーク危機などが転機となり、注目を集め始めています。