- 楽天ウォレット、CipherTraceと提携へ
- 楽天ウォレットは、仮想通貨・ブロックチェーンに特化したセキュリティ企業CipherTraceと提携。AMLなど顧客保護や透明性の強化に乗り出していく。
楽天ウォレット、CipherTraceと提携
日本最大級のネット通販を提供する楽天の子会社である「楽天ウォレット」が、ブロックチェーンに特化したセキュリティ企業CipherTraceと提携を結んだことを発表した。
楽天は連結子会社である楽天カード株式会社を通じて、仮想通貨取引所「みんなのビットコイン」株式会社の全株式を取得することを昨年8月31日に決議。仮想通貨市場に本格参入していた。また今年3月1日には「みんなのビットコイン株式会社」の商号を「楽天ウォレット株式会社」に変更している。
CipherTraceとは
一方でCipherTrace社は、仮想通貨やブロックチェーン分野に特化したフォレンジック商品や分析サービスを政府や規制当局、法執行措置、監査法人などに提供。アンチマネーロンダリングや犯罪対策を目的に利用されている。
ブロックチェーンの分析手法として、匿名性のある資金の流れに関して、数百万に及ぶデータを収集し、それら大量のデータを機械学習で分析し、それら資金が正当な流れなのか、あるいは、犯罪集団などへと流れているのかをトレースしている。そのため政府機関や大手企業から重宝されている
同社は以前、ニューヨークでデジタル資産および、ブロックチェーン技術に特化した投資銀行業務を行うGalaxy Digital社や、Aspect Ventures社、Neotribe Ventures社、WestWave Capital社から、1,500万ドル(約16億6,000万円)の調達に成功していた。
提携について
楽天ウォレット社のリスク管理部門責任者のキヤマ ヨシナオ氏は、今回の提携に際し、以下のようにコメントを発表した。
我々の取引所立ち上げに際して、CipherTrace社と提携できたことをうれしく思う。
規制コンプライアンスや資金洗浄対策は最も大切だが、CipherTraceは、それらを満たすためのツールを楽天ウォレットにもたらすと考えている。
CipherTrace社のCEO Dave Jevans氏も、今回の提携に期待感を示している。
大手Eコマースである楽天が仮想通貨のポテンシャルを認識し、参入したことは大きな一歩だ。また業界の、市場規模や信頼の向上に大きく寄与することができた。
楽天ウォレットは顧客を第一に考えており、CipherTraceと共に、普及に向け、最高の顧客保護を提供する。適切なコンプライアンス、透明性、信頼の向上により、グローバル規模での仮想通貨市場への参入スピードの加速を望んでいる。
なお楽天は先月15日から仮想通貨取引サービス「楽天ウォレット」に係る新規口座開設を開始しているが、サービス開始を控えた中で今後の顧客保護や透明性のより一層の強化に乗り出したと言えるだろう。6月にサービス開始を予定している同社の今後の動向が気になるところだ。