はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米小売り大手ウォルマート、医薬品追跡ブロックチェーン・コンソーシアムに参加

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ウォルマート、医薬品追跡ブロックチェーン・コンソーシアムに参加
米ウォルマートが、新たに医薬品の追跡を行うブロックチェーン・コンソーシアムに参加することが判明した。一方で、ブロックチェーン技術がもたらす「透明性」に関して、運用を尻込みする企業の出現を危惧する声もある。

ウォルマート、医薬品追跡ブロックチェーン・コンソーシアムに参加

アメリカからグローバルに事業を展開する小売り大手ウォルマートが、新たに医薬品の追跡を行うブロックチェーン・コンソーシアムMediLedgerに参加することが、6月3日、米仮想通貨メディアCoindeskの報道で明らかになった。

ウォルマートはIBMがHyperledger Fabricプラットフォーム上に開発した食品供給チェーンネットワーク「IBM Food Trust」にも参加しているが、昨年9月には、葉野菜の供給業者に対し、IBM Food Trustに参加することを義務付ける書簡を送り、実用化促進を後押ししている。

ウォルマートの年次報告書によると、2018年会計年度(2019年1月末日終了)の薬局および市販薬を含む「保健と健康」カテゴリーは、同社の米国における売上高の10%に当たる350億ドル(約3兆7774億円)を占めている。

2017年にスタートしたMediLedgerプロジェクトのメンバーには、製薬大手のファイザー、米三大医薬品卸売業者の McKesson社、AmerisourceBergen社、 Cardinal Health社が名を連ねているが、ここに巨額の売り上げを誇る小売り大手のウォルマートが加わることで、「IBM Food Trust」の事例と同様、MediLedgerの前進に大きな影響を与えることになると思われる。

規制面からの必要性

さらに、規制の側面からも医薬品追跡の必要性に圧力がかかっている。 

アメリカ連邦議会は、2023年までに「処方薬を追跡および検証するための相互運用可能な電子システム」を提供することを、米食品医薬品局(FDA)に義務付けている。

このような状況の中で、MediLedgerは今月、FDAとともに、医薬品追跡の試験プログラムを開始するが、そこにウォルマートも参加する予定だという。MediLedgerプロジェクトリーダーの一人であるEric Garvin氏は、「協力者あってこそ意味のある試験プログラムとなる」とウォルマートの参加を歓迎しているようだ。

政府の規制に準拠するため、MediLedgerとFDAが共同でブロックチェーン基盤の分散システム構築に取り組む背景には、アメリカの複雑な医療システムが絡んでいる。

日本のような国民皆保険制度を持たず、ほとんどの医療が民営化されているアメリカでは、中央集権的な方法でサイロ化され、断片的なデータベースを統合管理するのには、大きな困難が伴うことが予想される。

また、政府は「技術的に相互運用可能で標準化されたデータ」という条件を提示しているため、トラストレスで分散化されたブロックチェーン技術がその解決法として最適であるというのが、業界関係者の見立てのようだ。

一方で、ブロックチェーン技術がもたらす「透明性」に関しては、運用を尻込みする企業も出てくるのではないかと危惧する関係者もいる。

特に、競合他社と販売データを共有することに慣れていないウォルマートのような大手小売業者が、どの程度自社データの開示に前向きになるかは、技術的側面とは別に、これからの課題とも言える。

商品発送追跡から、ドローンを使った配達をはじめとする数々のブロックチェーン関連の特許申請を行うなど、ブロックチェーン技術の導入には大変積極的に取り組んでいるウォルマートが、どのようにそのバランスをとって行くのか、大変興味深い。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/11 木曜日
18:32
NYSE、サトシ・ナカモト像を設置 ウォール街の変化示す
ニューヨーク証券取引所がビットコイン創始者サトシ・ナカモトの像を設置。設置者のトゥエンティワン・キャピタルは約4万BTC保有で世界3位。伝統的金融が仮想通貨を受け入れる象徴的出来事に。
17:56
テザーとHoneyCoinが提携、アフリカでUSDT決済を拡大
テザーはHoneyCoinと戦略的提携を発表し、アフリカでのUSDT決済拡大を目指す。HoneyCoinはQRコードや専用端末に対応したPOSネットワークを導入し、加盟店が直接USDTを受け取れる仕組みを構築。まずケニアでサービスを開始し、他市場へ展開予定。現地通貨の変動リスクを避けたいユーザーの需要に応え、アフリカにおけるステーブルコイン普及を加速させる。
17:15
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始。販売所・取引所・つみたてに対応し、1万円購入で抽選1万円分のSOLが当たるキャンペーンも実施中。
16:47
ブータン都市GMC、金裏付けトークン「TER」発行へ ソラナ活用
ブータンの特別都市GMCが、金を裏付け資産とする国家支援型トークン「TER」をソラナ基盤で発行。DK Bankが販売・保管を担い、同国のデジタル経済戦略を加速させる取り組みとなる。
16:33
仮想通貨取引所ジェミニ、CFTC承認で予測市場参入へ
仮想通貨取引所ジェミニがCFTCから予測市場運営の承認を取得。関連会社ジェミニ・タイタンを通じて二者択一式イベント契約を提供する。カルシとポリマーケットが急成長する予測市場で、競争が激化している。
14:58
仮想通貨業界トップ、米CFTC新設諮問会議に参加へ
米CFTCが「CEOイノベーション評議会」を設立し、クラーケンやジェミナイなど仮想通貨業界トップが参加。デリバティブ市場の構造変化やトークン化について議論。仮想通貨担保のパイロットプログラムも開始。
14:06
レイヤーゼロ(ZRO)とは?スターゲートの使い方・バイバックの仕組みを解説
レイヤーゼロ(LayerZero)の仕組みやZROトークンのバイバック、スターゲートを使ったブリッジ方法を初心者向けに解説。Stargate買収の背景やリスクまでわかりやすく紹介します。
12:05
イーロンのスペースX、146億円相当のビットコイン移動 IPO関連か?
イーロン・マスク氏率いるスペースXが約146億円相当のビットコインを移動した。10月から毎週大規模な送金を継続しており、IPO計画との関連が注目されている。
11:49
トム・リー氏、「イーサリアムは既に底打ち」 先週690億円相当を購入
ビットマイン会長トム·リー氏が、イーサリアムは既に底入れしたと発言。同社は先週、約4億6,000万ドル相当のETHを購入し、10月以来最大規模の買い増しを実施。今後10~15年間、ビットコインよりもイーサリアムの将来性に期待を寄せている。
11:49
FRBの慎重姿勢でビットコイン反落 2026年の利下げは限定的か
FRBは25bpの利下げを決定したが、パウエル議長の慎重姿勢を受けビットコインは下落した。2026年の追加利下げは1回との見方が広がる中、グラスノードのデータは実現損失が1日5.5億ドルとFTX崩壊時並みの高水準を示す。機関投資家の本格参入で4年サイクル終焉論も加速。
11:04
米大手9行が仮想通貨企業を排除 通貨監督庁が是正へ
米通貨監督庁(OCC)は、JPモルガンなど大手9行が2020-23年に仮想通貨企業を含む合法事業者へのサービスを業種理由で制限していたと発表。「金融の武器化」と批判し、違法行為には司法省照会も検討。トランプ政権下で「デバンキング」問題の是正が加速。
11:00
ビットコイン9.4万ドル急騰からの反落、FOMC利下げ後に軟調な動き|仮想NISHI
FRBの25bp利下げを受け、ビットコインは一時9万4000ドルまで上昇したものの、その後反落。X-Bankアナリストの仮想NISHI氏によると、デリバティブ市場でのロング解消による売り圧力が現物買いを上回っている。欧米機関投資家のクリスマス休暇入りを控え、年末にかけて軟調基調となるリスクを指摘。
09:19
ストラテジー社、ビットコイン保有企業の扱いめぐり書簡 MSCI指数除外案に反対表明
ビットコインを蓄積するストラテジー社がMSCIの指数除外案に反対意見を提出。仮想通貨保有50%以上の企業を除外する提案に対して、様々な観点から異論を唱えている。
09:11
Superstate、株トークン化の新サービスをローンチへ
Superstateは、株式をトークン化する新サービスを発表。上場企業が仮想通貨イーサリアムやソラナのブロックチェーン上で株式を新たにトークン化して、投資家に直接発行することができる。
07:40
ビットコインの買い増しなどを計画 米Strive、最大約780億円を調達へ
米Striveは、最大約780億円相当の株式を発行・販売する契約を締結。調達資金は仮想通貨ビットコインの買い増しやビットコイン関連商品への投資などに使用すると説明した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧