- 技術革新を妨げない方向性で全会一致
- 7月開催の次回G20へ向けて、中央銀行総裁、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FAFT)、経済協力開発機構(OECD)が、G20の規制案を担当。建設的な議論、および規制提案がされる見通しです。
ブエノスアイレスで行われたG20会議
先日、経済大国を中心とした世界20ヶ国で構成される「G20」の会議がアルゼンチンのブエノスアイレスにて開催され、仮想通貨についても言及されました。
その中でも、仮想通貨に関するものは多国間で重要な議題として議論が行われ、「禁止ではなく、技術革新を妨げない程度に適切な規制を行う」という結論に至っています。
前向きな情報としては、中国や、アメリカ、日本における規制問題への取り組みに対して、懐疑的な声も挙がっていたことでしょう。
CCNは、ニュースポータルサイト「Criptomoedas Fácil」と共に、今回のG20にて議論された主要事項をまとめました。
2018年7月には、より具体的な規制案が提案される予定であり、世界中の大口投資家や、機関投資家が参入するための下地作りという意味でも、ビットコインのような仮想通貨に機関的な合法性がもたらされると考えられている中、この分野の全体の流れを把握しておくことは重要であると言えるでしょう。
1. 仮想通貨(ブロックチェーン)は各国に取り入れられるべき
G20参加国は、仮想通貨が”非経済圏に住む人々を経済圏に引き入れる力を持っている”ことを認識しています。
スペインの財務大臣は、「仮想通貨(ブロックチェーン)に関する技術は、政府の福祉政策を拡大させることができるため、取り入れるべきだ。」と言及しています。
2. 既存の経済の限界
各国の大臣は、伝統的な既存の経済が”変革の時期”を迎えており、もはや経済とデジタル時代を切り離して考えることはできないとの考えに同意しました。
3.規制は不可避
規制は、もはや避けられないものでしょう。
経済はデジタル化されていますが、国民もビジネスも実在しており、それぞれの国の中に存在しているからです。
よって、さまざまなビジネスに応じた各種規制が行われている通り、この業界でも規制は必要です。
4. 禁止ではなく、規制を
G20参加国は、仮想通貨が経済や社会に変革をもたらすほど重要な位置付けであることを認めており、満場一致で、「禁止することはできないが、規制が必要である」ことに合意しました。
5. 規制は技術的革新を妨げないが、課税はほぼ確実
今回の議論からも、規制に関しては、技術的革新を妨げないよう細心の注意を払って施行されることになるのは間違いありません。
しかし、さまざまな段階で発生する施行による手数料は、事実上免れないでしょう。
6. 最初の規制案は7月に提案
中央銀行総裁、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FAFT)、そして、経済協力開発機構(OECD)が、G20の規制案を担当します。
最初の実用的規制案は、2018年7月に行われる「第3回・財務大臣会議」と「中央銀行会議」で提案される予定です。
7. 犯罪防止
この規制案は、主にテロ行為への資金供与、特定通貨の回避、資金洗浄などの不正行為の防止、ICOや仮想通貨プロジェクトによる詐欺などから消費者保護を行うことに焦点が当てられる予定です。
8. 追跡と本人確認
その資金がどこから送られて、どこに送られたのかを特定する際に、仮想通貨をどのように追跡、タグ付けするのかの合意にはまだ至っていません。
よって、「本人確認(KYC)及び、デジタル身分証明基準」が、今後の議論の要点となるのは間違いないでしょう。
9. ヨーロッパが先手を打つ可能性も
ヨーロッパは、7月のG20での提案を待たずして、仮想通貨規制を進める姿勢を示しています。
同大陸の複数の国が、チームを構成し、問題点について議論しており、実用的な基準を提議するようです。
10.自主規制
公式な会議では、強調されなかったものの、日本や、プエルトリコ、アメリカで進められている自主規制は高く評価されており、将来的に主議題として取り上げられるかも知れません。
10 Takeaways: A Cryptocurrency Summary from G20
Apr 1, 2018 by Cássio Gusson
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