はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨の有価証券論争まとめ|業界の著名人が考える規制と今後の状況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ICOトークンと有価証券
13日、米証券取引委員会の代表を務めるJay Clayton氏は、資金調達の際に発行される大半のトークン (ICOs)は有価証券に該当するため、規制される必要があると述べた。有価証券に該当する通貨が明確に発表された場合、現在の米国証券法の元、登録義務が生じることになる。この件について、著名人の見解をまとめた。
ICOとは
「Initial Coin Offering/新規仮想通貨公開」のこと。資金調達したい企業や事業プロジェクトが、独自の仮想通貨トークンを発行・販売し、資金調達する行為を指す。ハイリスクハイリターンで投機的側面が強い反面、各国の法整備が追い付いていないことで、詐欺まがいのICOが横行するなど問題点も多く、国際的な規制強化が協調路線にある。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

6月13日、SEC(米国証券取引委員会)の代表を務めるJay Clayton氏は、資金調達の際に発行されるほとんどのトークン (ICOs) は有価証券に該当し、規制される必要があると、今までと一貫した発言を行いました。

6月15日、”All Market Summit: Crypto” にて、SEC企業財務部門部長William Hinman氏が、「同委員会は、ビットコインとイーサリアムを証券としては分類しない」と発言。

ビットコインに続く形で、イーサリアムの証券該当を否定しました。

SECは、改めて仮想通貨における有価証券性質の有無に関して、SECが既存のルールを曲げるつもりはないと断言してるため、有価証券に該当する通貨が明確に発表された場合、現在の米国証券法の元、登録義務が生じることになります。

SECの発言もより具体的なものに変わりつつある状況の中、明確な仮想通貨の証券該当に関するルールの明示の時期が近づいている可能性があり、業界の人々からICOや仮想通貨に関する発言が相次いでいます。

今回は業界の著名人の発言をまとめ、現在の状況を考察しようと思います。

業界の反応

仮想通貨業界における著名人の反応は、以下の通りです。

Cboe代表

米シカゴ・オプション取引所(CBOE)の代表を務めるChris Concannon氏は6月20日、今後SECの規制が入れば、ICO市場に大きな混乱を与える可能性があると主張しました。

Concannon氏は、2段階の波がICO市場に押し寄せると分析しています。

第1の波:SECがICO市場の捜査を行い、ICOチームやプロジェクトに対して集団訴訟が起こる可能性

第2の波:ICOが未登録の有価証券であると見なされた場合、トークンが無価値になってしまう可能性

第2波の未登録有価証券と見なされたトークンの無価値化というのは、「米国内での該当通貨の取引自体が禁止される可能性を指していると考えられます。

コーネル大学で金融規制分野の教授

コーネル大学で金融規制分野の教授を務めるRobert Hockett氏は、以下のように考察しています。

現時点では、SECが過去に遡ってまで(事後法のように)全ての市場参加者に対して法的追及するかは不明だが、リップル社にまつわる集団訴訟をはじめ、このような訴訟が今後も裁判所で取り上げられるのではないか

今まで規制の仕組みが欠如する中、投機活動が膨らむ新興資産は、歴史の中で例外なくこのようなプロセスを経ている。

John McAfee氏

仮想通貨寄りの発言を繰り返すJohn McAfee氏は6月19日、ファンによる次期注目ICOについて問い合わせに対し、詳細不明のSECからの脅威を原因とし、「もうICOには関わらず、ICOを行う人には逮捕が待っているだけだ。不公平ながらも真実である。今現在、SECが干渉できないICOのような資金調達の仕方に関する文章を作成中だ。」と明かしました。

ナスダックCEO

ナスダックのCEOを務めるAdena Friedmanは6/21、NYの金融業界カンファレンスで、「多くのICOプロジェクトは個人投資家の詐取を目的としている」と指摘しました。

「企業が”無法状態”で、行き当たりばったりの手段で個人投資家たちのお金を取っては、有益な情報を提供しないことはただの詐取だ。」と批判し、SECの立場を支持すると明言しました。

さらに、IPOのように同じ量の情報公開への拘束力がないため、ICOの透明度が非常に低いと取り上げています。

その一方でFriedman氏は、普及できる資産として仮想通貨は楽観的だとも述べ、同社が将来的に仮想通貨取引所を開設する可能性も示唆しています。

米国内にて未登録トークンの対策は

CBOEの社長は、以下のように案じました。

個人ユーザーは、その未登録トークンをどこに移せばいいのか、どう使えばいいのか、未登録もしくは違法トークンとの関わりで法的責任が問われるリスクを恐れる”保管サービス”のような企業には、恐らく預けたがらないだろう

しかし、ハードウォレットに移すのも可能であり、もしくは米国国内のSEC認定の仮想通貨取引所へと移す可能性も(現在はこのような取引所は存在ませんが、Coinbaseの直近の企業買収によって米国初のライセンス業者になる可能性が高いと思われます)考えられます。

また、SECの動きに左右されない海外取引所(BinanceやBitflyer)に移転させれば、リスク回避はできるとも考えられます。

CoinPostの関連記事

John McAfee氏「仮想通貨戦争が勃発している、仮想通貨は証券ではなく通貨」
McAfee氏は、銀行や、政府、金融機関、規制局の活動が、仮想通貨コミュニティを害しているとし、この現状を変えるために、人々は行動を起こさなければならないと言及しています。
米シカゴ・オプション取引所代表:来たる規制の波はICO市場に大きな衝撃を与える
SECがICOトークンを有価証券であると示唆したことを受け、CBOE代表のChris Concannon氏は、「今後SECの規制が入れば、ICO市場に大きな混乱をもたらす可能性がある」と警鐘を鳴らした。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/19 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコイン市場回復の鍵やリップル社の事業拡大など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、BNB、XRPなどの主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
13:55
金融庁、銀行の仮想通貨投資解禁を検討=報道
金融庁が銀行によるビットコインなど仮想通貨の投資目的での取得・保有を可能にする制度改正を検討しているようだ。銀行グループの仮想通貨交換業者登録も可能にし、個人投資家の環境整備を図る。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|バイナンスのユーザーへの救済金配布に高い関心
今週は、トランプ・ショックを受けた仮想通貨取引所バイナンスによるユーザー補償、メタプラネットの企業価値指標mNAVの低下に関する記事が最も関心を集めた。
10/18 土曜日
13:55
OneKeyが12万件のビットコイン秘密鍵脆弱性を報告、トラストウォレットに影響か
ワンキーがリブビットコイン・エクスプローラー3.xの脆弱性により約12万件のビットコイン秘密鍵がクラッキング可能になると報告した。トラストウォレットなど複数の製品が影響を受けている模様。
13:50
オープンシーが2026年1QにSEAトークン発行予定、供給量の50%をコミュニティへ配布
オープンシーCEOが2026年第1四半期のSEAトークン発行を発表した。総供給量の50%がコミュニティに配分され、収益の50%が買い戻しに使用される。ステーキング機能も実装予定だ。
13:05
G20、グローバルな仮想通貨規制の不足を指摘 ステーブルコインの課題も
国際的な金融監督機関FSBが、ビットコインなど仮想通貨の規制実施状況を評価する報告書を発表。各国規制の断片化と一貫性の欠如を指摘し、ステーブルコイン監督の課題も述べた。
10:55
著名ユーチューバー「ミスタービースト」、仮想通貨取引所商標を申請
登録者4億4600万人のユーチューバー、ミスタービーストが仮想通貨取引やDEX運営を含む金融プラットフォームの商標を申請した。バンキングや投資サービスも提供する計画だ。
10:05
決済大手ストライプ支援のL1チェーン「テンポ」、750億円を調達 イーサリアムOBが参画
ストライプとパラダイムが支援する決済特化型L1ブロックチェーン「テンポ」が750億円を調達した。評価額は7,500億円に達し、著名イーサリアム開発者も参画する。
09:30
スイス当局、FIFAのNFTプラットフォームを違法賭博として刑事告発
スイス賭博監督局がFIFAのブロックチェーン型NFTプラットフォームを違法な賭博サービスとして刑事告発した。参加に金銭的賭け金が必要で、賞金獲得が抽選で決まる仕組みが宝くじやスポーツベッティングに該当すると判断された。
08:35
オープンシーがNFT特化から事業転換、22チェーン対応の仮想通貨取引所に=報道
NFT市場の崩壊を経たオープンシーが、22ブロックチェーン対応のマルチチェーン仮想通貨取引アグリゲーターに転換すると報じられた。
07:45
アーサー・ヘイズのMaelstrom、仮想通貨企業の買収ファンドを計画
アーサー・ヘイズ氏は、仮想通貨企業をターゲットにした企業買収ファンドの構想があることを明かした。ファンドの規模は370億円超で、投資インフラや分析プラットフォームなどのサービスプロバイダーに特化する。
07:02
Huobi創設者が1500億円規模のイーサリアム保有企業設立へ、アジア投資家が参画
中国の仮想通貨取引所Huobi創設者リー・リン氏が、アジアの初期イーサリアム支援者らと10億ドル規模のデジタル資産信託を立ち上げる。ナスダック上場企業買収を交渉中で、2-3週間以内に発表予定だ。
06:40
米地方銀行の不良債権増加で金が大幅続伸、2023年破綻危機の再来懸念か
米地方銀行が不良債権を償却し株価が急落する中、金価格は今週7.34%上昇した。JPモルガンCEOが更なる問題発生を警告し、投資家は2023年の銀行危機再来を懸念している。
06:30
分散型エネルギー企業Daylight、a16zやコインベースなどから約113億円調達
DaylightがFramework Ventures主導で約113億円を調達。ブロックチェーン技術で分散型エネルギーネットワークを構築し、住宅用太陽光発電の普及を促進。a16z cryptoやCoinbase Venturesも参加。
06:20
金・銀が年初来60%超上昇、ビットコインは追いつけるか?
金の時価総額が30兆ドルを超え、年初来63%上昇した一方、ビットコインは14.5%増に留まっている。米中貿易緊張と金利低下が金の需要を押し上げ、ビットコインは調整局面にある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧