はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインなどの仮想通貨が資本市場で「生き残る確率は55%」|ブルームバーグ主催討論会

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨に関する
米大手メディアBloomberg主催の討論会にて、ビットコインや仮想通貨が現在の金融市場と資本市場においてどのような受け入れ、道を辿っていくかという注目の議論が行われた。

ニッチ市場開拓と使い勝手の簡便さがその鍵となる

米大手メディアBloomberg主催の討論会で、「仮想通貨は歓迎されているか」と題し、司会者とともに5人のパネリストが、仮想通貨やブロックチェーン技術が、現行の資本市場にいかに適合して行くのかについて、持論を繰り広げた。

その中で、投資業界のベテランでブルームバーグ論説コラムニストのMatt Levine氏は、機関投資家による仮想通貨の売買には、信托者の義務や監査の面から、困難であるという現実があり、その問題を回避するために、先物やETFなど、直接、ビットコインなど仮想通貨の現物を所有しない方法(間接的な指数などへの投資)が模索されている現状を語った。

金融業界で異なる動き

大手投資会社Fidelityが仮想通貨カストディサービスの提供を表明しているが、例えば、同社が提供する「第三者とパスワードを共有する」という事実が、仮想通貨投資に当たり、機関投資家にとっては不可欠であったりすると述べている。

また皮肉なことに、機関投資家は、ブロックチェーン上に存在するビットコインを、ブロックチェーン外の決済メカニズムに移して管理しようとしている一方で、銀行はこぞってブロックチェーンを使って株式の決済を行うと主張しているという、金融業界の中での異なる方向性を指摘した。

Levine氏は、「ブロックチェーン技術が証券業界に革命を起こす」との見方には懐疑的な姿勢を見せている。 その代わりに、ブロックチェーン技術の持つ可能性という脅威が、既存の金融業界における技術革新を促進し、ブロックチェーン自体は限られた範囲での導入に留まるのではとの意見を述べている。

仮想通貨の競合

George Mason大学の教授で経済学者のTyler Cowen氏も、仮想通貨が競合するのは、PaypalやVenmoなどの既存の決済システムで、仮想通貨登場によるプレッシャーが決済システム業界の、技術革新を早めているとの見解を述べた。

そして、他のパネリストも、一般人が仮想通貨を所持し、決済に使うには、今だに技術的ハードルが高いことにふれ、仮想通貨が大幅に普及するためには、既存の決済システムと同程度の簡便さを持たなくてはならないと述べている。

仮想通貨発展の領域

また、 Cowen氏は、仮想通貨が発展する見込みのある領域は、インターネット上のバーチャルリアリティの様な「”無”合法」、つまり、まだ法律が存在していない領域だろうと述べ、インターネットに限ったスマートコントラクトや、マイクロペイメントなどを例として挙げた。 そして、仮想通貨の将来の見通しを次の様に、描写している。

初めは”無”合法で利用されるニッチなモノとなる可能性が40%、ブロックチェーンが、全ての経済の特性を統括する新しいガバナンスとなることによって、次なる潮流となり、軌道に乗った場合が15%だと考えられる。 そして、残りの可能性は、縮小していって単なる趣味になることだろう。

規制に関する議論

また、規制に関しても活発な意見交換がなされた。

歴史を振り返ると、1600年代から既に存在していた株式が、1930年代に、米証券取引委員会(SEC)が設立されて初めて規制され始めた様に、規制の導入の前には、投資家に対する保護の存在しない長年の「不穏な」時期を経て、規制の必要性に対する機運が醸成することが必要なのかもしれない、という意見も出されている。

特に、ICOは、新しい技術を開発しようとしているスタートアップ企業にとっては、画期的な資金調達方法であり、ICO規制に対するパネリストの意見は、幾らかの投資詐欺事件における損失よりも、技術革新を阻害する方の損失が大きいということで、ほぼ一致した。

 さらに、前出のLevine氏は、「以前にはそうだったこともあるかもしれないが、今は証券とはみなさない」とした、SECのイーサリアムに対する見解を例にとり、「不作為」や「忘却」も時に、規制を整備する過程で効果的だとしている。 

他のパネリストも「柔軟な(柔らかい)」規制の導入に賛成している。

Cowen氏は、自身の経験では、規制当局の仮想通貨に対する理解は非常に限定的であると述べ、現状での規制の有効性に疑問を呈した。

しかし、ブロックチェーン技術によって導入された「フォーク」という概念こそ、ガバナンスに対する考え方への新しく重要で革新的アプローチになるのではと述べ、将来、意見の不一致を解決する方法として、大いに活用されるようになるのではと推測している。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

最有力ビットコインETFの申請企業、SECのコミッショナーに承認される根拠を明示|仮想通貨市場状況もプレゼン
ビットコインETFの提供を申請中のVanEck社は先日SECの一人コミッショナーと面会し、承認に当たる根拠やSECの二重規範について、プレゼンテーションを行った。
12月開始予定の「Bakkt版ビットコイン先物取引」仮想通貨年末相場への影響と専門家の意見まとめ
仮想通貨取引所Bakktの親会社であるICEは現物決済のビットコイン先物取引を12月12日から開始する事を発表。仮想通貨市場回復に必須とされるビットコインETFと機関投資家の参入などに影響が予想される。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
17:00
ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説
HYPEトークンの買い方から注目理由まで完全解説。手数料収益による自動買い戻し、機関投資家参入、ステーキング機能など、急成長するDEX「Hyperliquid(ハイリキ)」の魅力を詳しく紹介します。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年12月最新】
2025年12月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年12月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
05:00
ハイリキが注目される理由│次のエアドロップ機会は?利用方法・リスクを解説
Hyperliquid(ハイパーリキッド:ハイリキ)のエアドロップ情報と特徴を解説。HYPEトークンの価格高騰要因、次回エアドロップの参加方法、流動性提供(HLP/Vaults)の仕組み、投資リスクまで詳しく紹介します。
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧