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仮想通貨相場回復の起爆剤として期待される「Bakkt版ビットコイン先物取引」について米弁護士が分かりやすく解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Bakkt版ビットコイン先物の現状を振り返る
米ワシントンDCの弁護士Jake Chervinsky氏が、12月12日に開始されるBakkt版ビットコイン先物についてツイッターで解説。既に運営元のICEが指定契約市場である為CFTCから事前承認なく上場することができる点や、機関投資家や仮想通貨相場への好影響についても触れた。

Bakkt版ビットコイン先物の現状を振り返る

米ワシントンDCの弁護士で、ブロックチェーンならびに仮想通貨のコメンテーターとしても知られるJake Chervinsky氏が、自身のツイッターで、12月12日に開始が予定され、低迷する仮想通貨市場の起爆剤となることが期待される「Bakkt版ビットコイン先物取引」について、わかりやすく解説した。

Chervinsky氏は、米法律事務所のKobre & Kim所属の弁護士で、政府執行訴訟や金融サービス紛争、特に有価証券、商品、先物、デリバティブ商品に関する訴訟を専門としており、米国司法省、米国証券取引委員会、米国商品先物取引委員会による詐欺、市場操作およびその他の規制違反の申し立てに関する調査経験を持つ。

同氏はツイッター上で、仮想通貨市場の重要ファンダとして期待されるBakkt版ビットコイン先物について言及し、多くの支持を集めた。

そのため今回は、Chervinsky氏の一連のツイートの要旨と共に、Bakkt、およびBakkt版ビットコイン先物の現状についてまとめている。

Bakktとは

Bakktは8月に発表された金融機関、商人及び消費者がデジタル資産を交換、保管、使用するための新しいプラットフォームだ。

世界2位の金融取引所であるニューヨーク証券取引所の運営元、インターコンチネンタル取引所(ICE)から発足するBakktの目標は、デジタル資産の売買、保管、ならびに使用をより簡便にすることだ。

Bakktの重要度

Bakktの注目度が高い理由として複数挙げられるのはすの影響度だ。

前述した通り、Bakktはニューヨーク証券取引所で有名なインターコンチネンタル取引所が手がけている為、有名な金融取引所が仮想通貨業界に参入することを意味している点が非常に大きい。

またBakktの提携企業には、マイクロソフト、スターバックス、ボストンコンサルティング等の大手有力企業が多く名を連ねているのも魅力の一つだとChervinsky氏は言う。

機関投資家の参入|価格面への好影響

またChervinsky氏は、Bakktのビットコイン先物取引開始は、機関投資家からの資金流入を促す可能性において、ビットコインETFと同等の重要性を持つと述べている。

しかも、ETF実現の鍵を握る米証券取引委員会(SEC)による承認等の面倒もないと付け加えた。

そのため、多くの投資家の中では、Bakktのビットコイン先物取引開始が、仮想通貨市場の弱気相場を終わらせるシナリオとして認識されているとした。

またICEの機関投資家からの信頼の厚さを考慮すると、ICEが仮想通貨に参入する意味合いは大きく、Chervinsky氏は次の強気相場の引き金となり得るかもしれないと相場の期待感をまとめた。

他にもBakktはビットコインの保管と現物決済を提供する予定で、これはBTCの供給減少を引き起こし、これが価格上昇につながる可能性があるとChervinsky氏は予想を明かした。

このような状況は既に先物取引を扱うCMEとCBOE先物市場は現金決済のみである為、異なる状況だと言及した。

Bakktのタイムライン

10月23日に公開された情報ではBakktのビットコイン先物取引の開始は12月12日に開始される予定である。

【速報】Bakktの現物決済ビットコイン先物は12月12日に取引開始予定と公式発表
米国仮想通貨取引所Bakkt(NYSEの姉妹会社)は公式通知にて、CFTC等の認可次第、12月12日に1日現物決済のビットコイン先物取引時を開始すると発表した。

1BTC単位での取引となるビットコイン先物がまず第一段階だが、未発表の第二段階では、仮想通貨の採用事例を促進する仕掛けとなるのではないかと予想されている。

またBakktはスターバックス等と提携を結んでいる為、Chervinsky氏は消費者用の支払いシステムも予想している。

実際にスターバックス社からのプレスリリースでは「consumer applications(消費者向けアプリケーション」も今後の予定に含まれている。

Bakktの法的手続き作業の流れ

Bakktの先物取引は米国商品先物取引委員会(CFTC)の規制管轄下にあるものの、Bakktの親会社であるICEはすでにCFTCに登録された「指定契約市場」であるため、CFTCの事前の承認なしに、先物商品を「自己証明」し、必要書類を提出することにより、上場させることができる

つまり、Bakktの先物商品上場にはCFTCの事前承認は必要ないとChervinsky氏は述べている。

 

そのため、理論上では、指定契約市場であるICEは、商品初上場の1営業日前にBakktの自己証明書を提出することも可能だが、CFTCが規制権限を持っていることには変わりない。

そのため、去年、長期間にわたるCFTCとの交渉の末、ビットコイン先物を上場させた、CMEとCBOE両市場が経た手続きのプロセスが、Bakktの自己証明書提出のタイミングを考える上で、参考になるだろう。

なおCboeは先物商品上場の9日前、CMEの場合は17日前に自己証明書を提出している。

一方、Bakktが、隠されたレバレッジの使用等により、ビットコインに有害となる方法により財政化するのではないか、などのBakktに対する懸念が一部には存在することにも触れている。

これに対し、BakktのCEOであるKelly Loeffler氏は、自身のブログで以下のように返答している。

・Bakktにおける全てのビットコインの取引は事前の完全な資金提供によって行われる

・Bakktは、何らかのレバレッジ、合同運用、または再担保契約を使用しない

しかし、契約の詳細が明らかになるまでは、予断を許さないと、懐疑派は主張を繰り返している。

12月12日に迫るBakktのビットコイン先物取引開始が仮想通貨市場にどのような影響をもたらすのか、今後もBakktとICEの動向に注目していきたい。

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