- バハマ中央銀行が討議論文を公表
- バハマ中央銀行は暗号資産規制に関する討議論文を公表し、それらに対する今後のアプローチの見解を示した。
- 中央銀行発行以外の仮想通貨による決済の禁止 の可能性も
- バハマ中央銀行は、決済手段として適格とされるのは、中央銀行発行のデジタル通貨、中央銀行発行の通貨かその預金によって担保されたもののみとなる可能性が高いと公表。
- 中央銀行による仮想通貨発行の可能性も過去に示唆
- バハマの副大統領Peter Turnquest氏は、過去に、国家による仮想通貨発行の可能性についての言及をしている。
バハマ中央銀行(CBOB)が暗号資産規制に関する討議論文を公表
11月7日、バハマ中央銀行(CBOB)は、仮想通貨などのトークンを、国際規制当局に習う形で「暗号資産」と定義し、それに関する規制枠組みの討議論文を公表した。
そのような定義には、中央銀行が発行する通貨と、民間のプロダクト(ビットコインやリップル)を明確に分ける意図がある。
また、そこにおける内容は、国際通貨基金(IMF)のような基準設定団体(SSB)が提起した主要な課題を含んでおり、挙げられている課題として、脱税、詐欺、マネー・ロンダリング、テロ資金などの不法行為や、ボラティリティやスケーラビリティを含めたものがあり、仮想通貨が抱える課題に対して、包括的に焦点を当てている。
そして、その討議論文の公表において注目をすべきは「決済サービスプロバイダーによって提供されるものは、中央銀行発行のデジタル通貨、中央銀行発行の通貨かその預金によって担保された決済手段のみが、適格とされる可能性が高い」とCBOBが述べていることだろう。
つまり、バハマドル預金担保型以外(ビットコインなど)の通貨が、決済手段としての仮想通貨利用が原則禁止される可能性が浮上したことになる。
過去には中央銀行による仮想通貨発行を示唆する発言も
今回の規制枠組みの背景には、中央銀行による仮想通貨の発行の試みがあるとの見解も見られた。
実例として、バハマの副大統領Peter Turnquest氏は、6月に、銀行サービスへのアクセスが制限されている大多数の島民間の金融包括の改善を目的とした国家による仮想通貨の導入が、彼の政策プランにあることを明かしている。
CBOBは、今回討議論文の公表を行なったが、規制枠組みは「さらなる金融セクターの近代化のため」と掲載しており、上記ような計画への準備と捉える見方が出ている格好だ。
今回の規制枠組みは、国家発行の仮想通貨のための布石であるのか、また、今後、バハマ政府及びCBOBは、どのような枠組みを構築していくのか。
動き始めたバハマの動向に今後も注目が集まるだろう。