- 世界No.2の証券取引所ナスダックがビットコイン先物を検討中
- 米有力誌ブルームバーグが、情報筋の情報とした上で、ナスダックは来年の第1四半期にビットコイン先物の取引開始を検討していると報道した。
- 最有力のビットコインETF申請企業がナスダックと提携、仮想通貨関連商品を提供予定
- 本日ニューヨークで開催された業界界隈の注目カンファレンス「コンセンサス」では、VanEck社のデジタル・アセット戦略部のディレクターがナスダックとパートナーシップを結び、透明性の高く、規制と関しに準じたインデックスを推進し、ビットコイン先物のような商品を提供する予定だと発表した。
Nasdaq、2019年第1四半期にビットコイン先物取引開始か
過去1年にわたる価格急落にも関わらず、ナスダック(Nasdaq)がビットコインの先物上場計画を進めていることが、米有力誌ブルームバーグ紙の報道から明らかになった。
事情に詳しい関係者2名の証言によると、ナスダックは仮想通貨に対する投資家の関心は継続すると期待しており、2019年第1四半期の上場を目途に、米商品先物取引委員会(CFTC)の懸念を払拭すべく努力を続けている。
背景として、以前ブルームバーグがナスダックのビットコイン上場について最初に報じたのは、ビットコイン価格が1.1万ドル超えを記録した2017年11月。同じく匿名の関係者から入手した情報として、同取引所が先物取引所「NFX」で早ければ2018年第2四半期にビットコインの先物取引開始を準備中だと伝えた。
そいて、今回の詳細に関しては未だ不明だが、ナスダックは4月にウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所Geminiと技術提携関係を結んだほか、アデナ・フリードマンCEO自らCNBCの取材で、「いずれ仮想通貨取引の開始を検討する時が確実に訪れる」と発言するなど、仮想通貨の将来性に賭ける意欲を示している。
通常、ナスダック規模の大手企業が確固たる勝算なしで、新たな資産クラスのインフラ構築に大がかりな準備を整えることはないと考えられる。長引く弱気市場にあえて参入するということは、米国市場における機関投資家からの需要を確信していると解釈していいだろう。
最有力のビットコインETF申請企業がナスダックと提携、仮想通貨関連商品も予定中
米時間27日、ニューヨークで開催された仮想通貨・ブロックチェーン界隈で最重視されるカンファレンス「コンセンサス」にて、現在ビットコインETFを申請中のVanEck社のデジタル・アセット戦略部のディレクターを務めるガボール・ギャバックス氏が、新たにナスダックと提携を結んだことを発表した。
「VanEckのMVISインデックスとナスダックがインデックス技術で提携し、仮想通貨市場に向けて、ビットコイン先物取引などのデジタル・アセット商品を提供する予定をしている。」と発表した。
@Nasdaq and VanEck’s @MVISIndices announces #index #partnership and intention to bring to market transparent, regulated and surveilled #DigitalAssets products, such as #Bitcoin futures contracts. More info to come. Share & follow us. #crypto #futures #SMARTS #ConsensusInvest pic.twitter.com/Q2oCZx4pp1
— Gabor Gurbacs (@gaborgurbacs) 2018年11月27日
ナスダック、Bakktの参入予定時期は共に2019年第1四半期、機関投資家の資金流入に期待感
ナスダックとBakktのビットコイン先物取引は同時期(第1四半期)に上場することになる可能性が考えられる。
12月12日にローンチ予定だったBakktのビットコイン先物取引「Bakkt Bitcoin (USD) Daily Futures Contract」は、ライセンス許可される上で、2019年1月24日まで延期されることが決定している。これは先物商品に対する予想外の需要の増加につき、取引初日に支障が起こらないようにとの配慮から顧客のオンボーディングを進めていることが延期理由のようだ。
Bakktはニューヨーク証券取引所を運営するインターコンチネンタル取引所(ICE)が運営する仮想通貨取引プラットフォームであるため、仮想通貨市場が固唾を飲んで見守っているビットコインETFの申請許可以上に一部では重要視されている。顧客のオンボーディングが延期理由だと同社のCEOが言及した。
ベンチャー株式市場では世界最大規模を誇るナスダックと世界最大の証券取引所ICEの参入により、ビットコイン先物取引市場が一気に過熱し、相場の回復に貢献するという期待感は高い。「ビットコイン閑散期」に終止符を打てるか否か、機関投資家の本格的参入となるか、今後の動きを注視したい。
ナスダック×仮想通貨 これまでの動き
世界2位の証券取引所ナスダックは、これまでにも仮想通貨に関わる複数の動きが確認されていた。
- 仮想通貨先物
- 仮想通貨取引所としての参入も検討
- 仮想通貨取引所に技術提供を検討
- 価格予想ツール開発
仮想通貨取引所としての参入も検討
仮想通貨先物に関しては、すでに上述しているため、仮想通貨取引所に関する内容から。
今回同社のプラットフォームに先物上場が行われる予定と報じられたが、2018年4月の米CNBC番組「Squawk Box」にナスダックCEOが出演した時に、仮想通貨取引所(証券取引所として関わる動きとは別)としての参入も検討していると明らかにした。
CEOであるAdena Friedman氏は、同番組内で、仮想通貨に関する自身の考えとして「仮想通貨の将来は確約されている」と言及、現在の市場において流動性が欠如している点が投資家の悩みとした上で、時期は未定としながらも、規制が整い、市場が成熟したタイミングで取引所開設も検討したいとした。
このような動きも踏まえると、今回の自社証券取引所へのビットコイン先物上場は、その一歩目として捉えられてもいる格好だ。
仮想通貨取引所に技術提供を検討
また、ナスダックは2018年11月1日、1971年以降、培ってきた証券や通貨の取引の市場監視技術が、現在トラブルの絶えない仮想通貨取引所の多くの問題を解決できる可能性があるとし、仮想通貨取引所に対し技術提供を検討しているとブルームバーグの報道によって報じられた。
すでにナスダックの市場監視技術(SMART技術)は、ウィンクルボス兄弟が運営する米Geminiや、日本のSBIが運営するSBIバーチャルカレンシーズも採用していることが明らかになっている。
このような動きからも、仮想通貨市場の健全化への動きに、大きな支えとなっているのがナスダックであることがわかる。
価格予想ツール開発
ナスダックが昨年発足した「Analytics Hub」の関係者の証言から明らかになったのが、ソーシャルメディアを活用したセンチメント分析から仮想通貨の価格を予想するツールの開発を行なっていることが明らかになっている。
報道したCoinDeskによると、主要500通貨を対象とした、ウォレット活動値や開発の活発値、また取引所のデータをSNSのデータと合わせる複合的な分析ツールになっている。
発表当時(2018年9月)、開発終了目処は2018年11月になっていたが、まだ公開はされていない。
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