はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

最終可否判断を2月に延期した「ビットコインETF」の行方と可能性、米有識弁護士が最新動向を解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「ビットコインETF」米有識弁護士が2019年2月の最終判断を予想
米ワシントンDCの弁護士が、VanEck版「ビットコインETF」の最新動向に関する独自の見解を述べた。仮に本日が最終可否判断日だった場合、現時点での承認確率は10%だとしている。
ETFとは
Exchange Traded Fund (上場投資信託)の略でインデックスファンドの一種。 金融商品取引所に上場している投資信託を指し、機関投資家の参入障壁低減の観点から、仮想通貨市場における最重要ファンダの一つとされている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

米有識弁護士が解説、2月の最終判断についても予想

「窮地に立たされているETF」

先週、可否判断が翌年2月の最終期日まで見送られた「VanEck版ビットコインETF」について、このように表現したのは、米ワシントンDCの弁護士だ。有価証券やデリバティブ関連の訴訟を専門とし、米証券取引委員会(SEC)等の規制当局の内情にも詳しい、Jake Chervinsky氏である。

ツイッター上で、仮想通貨関連の注目の話題を、法的見地から理路整然と解説することで知られ、多くの支持を集めている。そんなChervinsky氏が、SECの最終可否判断の期限が2019年2月27日となった、「VanEck版ビットコインETF」を取り巻く最近の状況と、今回の可否判断延期は何を意味するのかについて、詳説したものを次にまとめた。

1.ETFを取り巻く状況は、芳しくない

市場の状況は、ETFを受け入れるだけの体制が整っていないかもしれない。

2.最重要課題は市場操作の懸念を晴らすこと

今年9月に可否判断延期の決断を下した際、SECは、ETF提供者(この場合、VanEck社とSolidX社、CBOE)や一般人が議論の対応ができるよう、多岐にわたる「否認の根拠として考えられる点」を示したが、その中で最も重要だと考えられるのが、市場操作に対する懸念である。

その市場操作の懸念こそ、ウィンクルボス・ビットコイン・トラストの上場申請が今年7月に再度却下された理由であり、さらに、SEC職員ではなく、コミッショナー直々の判断であったという点からも、特に注目される。

3.ETFが取引されるCBOE BZX市場で「大規模な規制に準拠した市場との監視共有契約」 が存在するか

SECは、ETF提供者に「大規模な規制に準拠した市場との監視共有契約」を課すことで、仮想通貨取引所での不正行為等を間接的に防ごうとしているようだ。

SECは、仮想通貨取引所に対し、直接の管轄権をもたないため、取引所に情報提供を強要することはできない。

SECは基本的に、ETF自体が操作されていないことを確かめるためには、ビットコインの価格が設定されているスポット&デリバティブ市場での操作を感知できる必要があると言っている。

 ただし、この論理には賛同できないと、SECコミッショナーの一人であり、”クリプトママ”として知られるHester Peirce氏は述べている。

4.SECは、不正行為防止や投資家ならびに公共の利益保護のため、監視共有契約の条件を満たすことが、ETF承認には必須だと述べている

監視共有契約には、取引データと顧客識別情報を含む発注書と操作について、仮想通貨取引所が自発的にCBOEに詳細な情報を提供するという条項が含まれる。

 

これは取引所側からすると、SECに企業情報を提供することに等しいので、SECの管轄外に留まるために、アメリカのIPアドレスをブロックするような取引所がある事実も踏まえると、現実的には難しいといえるだろう。 

5. CBOEとSolidX は、ETF承認のための有力な議論を展開している

CBOEとSolidXは、両者が交わした監視共有契約や向上しているビットコイン市場の成熟度、また店頭取引がもたらす好影響などについて、有力な証拠を示していることは高く評価できる。

6.理論的には、監視共有契約を締結することなく、取引法を満たす方法がある

例えば、SECはETFの提供者が「ビットコイン市場が本質的に不正行為や操作に強いことが証明されている場合、これらの契約は必要ではない」と述べている。

しかしSECは、ウィンクルボス・ビットコイン・トラストの再申請に対し、この議論は根拠が不十分であるとして既に却下しているため、市場の成熟度が著しく変化していない限り、この主張が受け入れられるのは難しいといえる。

7.SEC長官の最近の発言から、ETF承認は楽観視できない

先月、SECの「Jay Clayton」長官は、市場監視こそが、ETFの承認前に「取り組むべき課題」であると述べている。

6.最終予想

もし、ETFの可否判断が今日だった場合、その承認の可能性は現時点では10%だ。この予想は、市場操作の問題に基づいている。

時間の経過とともに、市場構造は引き続き発達し、市場監視共有契約件数も増えていくと思われるため、ETF承認の確率は上がるだろう。 しかし、最大の問題は、2月27日の期限までに、どれほど状況が改善されるかだ。

SEC長官の見解

SECは、可否判断に関する最終延期の際、延期理由として、「SECが審議・判断に十分な時間を設ける」ことが必要な点を挙げている。

現在、市場に最有力とされている「VanEck社が申請するビットコインETF」は、今回の最終延期を含め、計3回の延期がなされている。今年7月2日より、SECによる”レビュー・審議”が繰り返し行われており、主な延期する理由としては、「仮想通貨の市場操作の懸念」や「未熟な仮想通貨市場」を以前より指摘している。

また、米国証券取引委員会(通称SEC)の長官Jay Clayton氏は、12月6日に行なった年末スピーチで、さまざまな経済・市場議題の中、仮想通貨ICOに関して以下のように発言している。

出典:SEC

ICOは、起業家などが資本金を調達するための有効な手段だが、新興技術とはいえ、有価証券に該当する場合、証券法を遵守しなければならないことが大原則だ。

仮想通貨およびICO市場に関しては、伝統証券市場のように「投資家保護の観点」が欠如しているため、不正と市場操作が行われている可能性が高い。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPostの関連記事

最重要ビットコインETF申請企業責任者が「ナスダック提携に関する詳細」を明かす|仮想通貨市場の展望も
VanEck/MVIS社仮想通貨戦略部門Gabor Gurbacs氏が、正式に発表された仮想通貨先物商品を目的としたナスダックとの提携について語り、注目される詳細が明らかになった。仮想通貨商品市場が20年後には約1100兆円(1000億円ドル)規模になるとデジタル通貨の将来性を大きく見込んでいる。
米SEC、VanEck版仮想通貨ビットコインETFの最終延期決定|判断期限は来年2月末
米国証券取引委員会(SEC)は米時間12月6日、VanEck版ビットコインETF(最有力とされている)の申請に対し、判断における最終延期の通知を発表した。最終判断期限は2019年2月27日。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧