はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

国際送金システムSWIFTがR3の「Corda Settler」を統合|仮想通貨の利用やRipple社との提携についての言及も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SwiftがR3のブロックチェーンを統合
大手国際送金システム企業SWIFTのCEOは「Paris Fintech Forum」にて、自社開発の新たな決済システムGPI(グローバル・ペイメント・イノベーション)に、米ブロックチェーンフィンテック企業R3の「Corda Settler」を統合することを明かした。Corda Settlerを利用するが、仮想通貨による決済ではない可能性も高まっている。

SwiftがR3のブロックチェーンを統合

大手国際送金システム企業SWIFTのCEOを務めるGottfried Leibbrandt氏は水曜日に行われた「Paris Fintech Forum」にて、自社開発の新たな決済システムGPI(グローバル・ペイメント・イノベーション)に、米ブロックチェーンフィンテック企業R3のプラットフォームを統合することが決まったと明らかにした。

同CEOは、CNBC主催のパネルセッションでパートナーシップに関して以下のように言及した。

我々は本日、R3の貿易向けブロックチェーン上でPoC(概念実証)を発表する。

このPoCとは、貿易のプラットフォームで決済を開始し、その決済はGPIで処理されることとなる。

また、R3の共同創設者が今回のパートナーシップについて、「SWIFTのGPIはCorda Settlerを直接に統合し、Corda上で生じた決済のオブリゲーションを成長する膨大なGPIネットワークで決済可能にする。」と言及したことで、Corda Settlerの決済通貨として採用されたXRPの関係性を期待する動きが高まり、XRPの高騰へと繋がった。

なお、『Corda Settler』という決済アプリに関しては、R3のCEOから以下のような発言も行われている。

Corda Settlerとしても、SWIFTのGPIへ繋がることは理にかなったことだ。

GPIは国際間送金の新たな標準となっているため、Corda上で稼働するアプリケーションはGPIの利用銀行が提供する送金決済から恩恵を受けることになるだろう。

Corda(コーダ)とは

ブロックチェーン技術Corda(コーダ)は、2016年11月にオープンソース化したR3社が開発を主導する金融機関向け分散台帳技術のこと。世界の大手金融機関70社で共同開発し、SBIから出資を受けている。

証券や金融派生商品(デリバティブ)の処理や決済など金融業界に特化した形で開発された、貿易金融プラットフォームで、複数の金融機関がリアルタイムに情報共有できるなどの利点があるという。

SBI決算資料によると、UBSが行った別の実験では、トレードファイナンスにおける決済期間が1週間から1時間にまで短縮し、従来の1/168となる時間短縮が実現したという。

SWIFTの公式サイト によると、このパートナーシップは、SWIFTのGPがR3のオープンソースブロックチェーンプラットフォーム『Corda』との統合となり、Cordaネットワークを利用する企業は、『GPI Link』というゲートウェイを通じてペイメントの権限を与え、その決済を可能にすることができるという。

SWIFTは、このGPI Linkを利用することによって、銀行は迅速かつ透明性のある決済サービスをEコマースと貿易プラットフォームに提供することが目指す意向だ。

XRPの利用は? SWIFTとリップル社の対話も

昨年12月5日、R3は新たに企業向けグローバル決済のための汎用型決済アプリ『Corda Settler』を開始することを発表し、最初の決済通貨として、仮想通貨XRPに決定した。

しかし、投資家の期待感とは裏腹に、今回SWIFTとR3のパートナーシップでは、XRPを利用することではない可能性が高まっている。

その理由としてみているのが、SWIFTの公式サイト上の発表された、同社の首席マーケッティグ責任者のLuc Meurant氏の発言だ。同氏は、「ブロックチェーン基盤の貿易は始まっているが、仮想通貨による決済に対する需要は未だ低く、一方では法定通貨での迅速かつ安全な決済に対する実需が高まっている」と述べており、同社のブロックチェーンを利用した国際決済構造の改革への取り組みはある反面、まだ顧客による仮想通貨決済需要の低さを語った。

SWIFTとRippleのCEOによる議論

一方で、以前から噂にもされていたSWIFTとリップル社との提携可能性や、SWIFTが仮想通貨を送金決済で利用する推測などについても、同Fintechフォーラムにて、両社のCEOは登壇し、会話を交わした。

リップル社のCEOを務めるGarlinghouse氏は、このように両社の関係性や将来性について話した。

現在、リップルとSWIFTの関係性は、90年代後半のアマゾンとWalmartに似ている。

SWIFTのGPIシステムは伝統のコルレス銀行のモデルにとって確かに大きな躍進だが、送金速度の面から見てもまだまだ改善する余地はたくさんあるだろう。

我々は、SWIFTとはいろいろと連携することもできなくはない。可能性としてはある。

これに対して、SWIFTのLeibbrandtCEOは直接に答えてはいないが、このように話した。

銀行としては、仮にイノベーションを常に続けていれば、銀行の役割は無くならないだろう。

例えば、サンタンデール銀はSWIFTのメンバーとして、二つの銀行ネットワークを繋げることができる。

数年後には、事実上のリアルタイムクロスボーダー決済標準となると信じている。

一方、仮想通貨のボラティリティが非常に高く、流動性が米ドルに比べて低いため、銀行はその利用を躊躇している。

なので、現在では仮想通貨と法定通貨の変更にメリットを見出せない。

そして、Garlinghouse氏はLeibbrandt氏の見解に異議を示した。

SWIFTは単方向のメッセージフレームワークであるため、流動性のプロバイダーではない。IoV(インターネットの価値)を考えるとき、双方向のメッセージフレームワーク+リアルタイムの流動性の統合であるべきだ。

また、仮想通貨のボラティリティをよく耳にするが、正確な情報ではない。

仮に、時短で、流動性の低い法定通貨に仮想通貨をかけると、XRPは法定通貨よりも送金のリスクが低いのだ。

XRP(リップル)急騰に関する記事は、こちらで掲載しています。

XRP(リップル)急騰の要因を解説 ビットコインは米テック株の上昇が後押し|仮想通貨朝市況
1月31日の仮想通貨最新レポート●米連邦公開市場委員会(FOMC)の動向●ビットコイン、テック株の上昇に相関性高まる●XRPが急騰、その理由は?●Kucoinで7通貨が上場廃止へ
▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

SBIホールディングスと米ブロックチェーン企業R3が「合弁会社」設立|日本でのCorda関連事業展開へ
SBIホールディングスとアメリカのブロックチェーン企業R3が、合弁会社の「SBI R3 Japan株式会社」設立したことを、昨日SBIホールディングスが発表した。日本でのCordaの関連事業の展開が目的だ。
仮想通貨XRP(リップル)、R3の企業向けグローバル決済アプリ初の決済通貨として採用される
企業向けグローバル決済のための汎用型清算アプリ「Corda Settler」公開に際し、最初の決済手段として使われる仮想通貨XRPが採用された。長い訴訟が和解に至った分散台帳技術開発企業で世界最大の金融機関コンソーシアムを率いるR3とRipple Labs(リップル社)は、ここにきて2社間での急速な事業展開に動いている。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者11,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/03 木曜日
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。
17:26
スイスFINMA規制のAMINA銀行、リップル社RLUSDを世界初サポート
スイス金融監督局(FINMA)規制下のAMINA銀行が、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の取扱いを開始。時価総額660億円超のRLUSDをサポートする世界初の銀行として、機関投資家向けに保管・取引サービスを提供。
16:14
米仮想通貨取引所コインベース、「LiquiFi」買収でトークン発行支援事業強化へ
米コインベースがトークン管理プラットフォーム「LiquiFi」を買収。トークン発行者を初期段階から支援するプラットフォームであり将来的に機関投資家向けサービスにも統合予定だ。
16:02
オルタナ信託設立とProgmat・ALTERNAの協業深化
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券特化の信託会社「オルタナ信託」を設立。Progmatと協業し、ST発行・管理基盤を導入。ST市場の効率化と拡大を目指す。
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。
05:35
米SEC、BTCやXRP投資のグレースケール仮想通貨投信のETF転換承認を再検討
米証券取引委員会がグレースケールの仮想通貨信託「Digital Large Cap Fund」のETF転換承認決定を再検討。NYSE Arca上場承認が一時停止状態に。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧