はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨だけではない?年間220兆円相当の不法取引を許容する金融業界の全貌

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融機関によるマネーロンダリングなど不法取引の許容
国連薬物犯罪事務所の調査で年間220兆円相当の不法な取引が行われていることが判明。シティグループやJPモルガンチェースなどの大型金融機関も資金洗浄を許容している実態に迫る。

年間220兆円の不正取引、大型金融機関も資金洗浄を許容

仮想通貨はマネーロンダリングに使われると良く言われる。

ビットコインのトランザクションは銀行などの運営を通さず、また送金者と受け取り側の個人情報もお互いに見れないようになっている為、マネーロンダリングやその他非合法行為や不法団体での使用などが取り沙汰されている。

各国の政府当局もその可能性を示唆し規制に乗り込んでいる。

では銀行なら安全なのか。ブルームバーグの調査を参照して、マネーロンダリングや非合法取引の実態に迫ってみた。

国連薬物犯罪事務所の調査では、世界各国の金融機関による法定通貨の不法取引は年間に2兆ドル(約220兆円)にも登るということがブルームバーグの調査から明らかとなっている。

中にはJPモルガンチェースやING、ドイツ銀行など、欧米諸国の大型金融機関も含まれている。

出典:Bloomberg

シティグループ(Citigroup・米)

シティグループはニューヨーク・マンハッタンに本社を置く総合金融機関で、米国内で3番目に大きい銀行である。

その傘下のBanamex USA銀行が2007年から2012年にかけて顧客がマネーロンダリングの一環としてメキシコへ送金していながら銀行側の監査不足で見逃していたとして、2015年に当局からおよそ2.4億ドル近い罰金を課せられた。

2年後にはアメリカ合衆国司法省と不起訴同意を行う代わりに、Banamex USAは閉鎖へと追い込まれている。

JPモルガンチェース(JPMorgan Chase・米)

アメリカでナンバーワン銀行に挙げられるJPモルガンチェースだが、2014年の当局の発表によると、15年もの間ウォール街の大実業家、バーナード・L・マドフ被告が当銀行口座を使い、650億ドル(およそ7.1兆円)にも及ぶ詐欺行為を続けていた。

その兆候が見られたのに無視し続けたとして、同銀行は20億5000万ドル(約2250億円)もの罰金を課せられている。

HSBC(英)

世界でも最大級の大型銀行で、イギリスに本社を置くHSBCホールディングス。

しかしHSBCも、2012年にはメキシコからの6700億ドル(約73兆円)の電信送金や94億ドル(≒1兆円)相当のアメリカドルでの購入など不審な動きに対して監査不足だったとアメリカ当局から指摘されていた。

当局と起訴猶予合意をし、結果的におよそ20億ドル(約2200億円)の罰金を課せられたが、実際は中南米諸国メキシコやコロンビアの麻薬カルテルの資金洗浄を許容する形となっている。

Danske銀行(デンマーク)

また欧州デンマーク最大の銀行であるDanske銀行は2018年9月頃、約9年間に渡り、エストニアの支店から約2000億ユーロ(約25兆円)の資金が流通していたことが発覚した。

11月には司法省の検察側に資金洗浄対策を違反した疑いで予審の手続きを行なっていたが、現在も捜査はデンマーク、エストニアと米国で続いている。

その他にも米国の「メガバンク」の一つであるモルガン・スタンレーは昨年末、米国のFINRA(金融取引業規制機構)から資金洗浄の理由で1000万ドル(約11億円)の罰金を課せられていた。

CoinPost関連記事

モルガン・スタンレーに11億円相当の罰金|マネーロンダリング問題を巡る伝統金融界と仮想通貨の現実
ロイター通信は木曜日、モルガン・スタンレーが米国の自主規制機関の金融取引業規制機構FINRAにより、マネーロンダリング違反の理由で、約11億円の罰金を課したと報じた。11月だけで、三つの巨大バンクが同問題で法的捜査などを受けている。仮想通貨界では規制者のスタンスが偏っていると指摘。

このような事例からも分かる通り、不法行為の見逃しや資金洗浄の許容、また金融システムの悪用はアメリカやイギリスのみならず、欧州やアジア、アフリカなど、世界中で行われている実態が明らかとなっている。

では仮想通貨はどうなのか?上述した通り、当局等から仮想通貨は不法行為の使用が懸念されているが、仮想通貨はブロックチェーンという透明性があり改ざん不可能な技術から成り立っているほか、トランザクションはすべて追跡可能である。

ミキシングなど取引データを複数混ぜ合わせて匿名性を高めるなどの方法もあるが、それでも完全に追跡できない事はない。また暗号通貨も当局からの捜査には協力する姿勢を見せている。

Zaif仮想通貨流出事件で活躍した日本のホワイトハッカー

実際、仮想通貨コミュニティが当局の捜査と連携する事例は日本でも見られている。

2018年9月に発覚した仮想通貨取引所Zaifにおける総額70億円相当の仮想通貨が盗難された際には、セキュリティ専門家や大学生など約6名のホワイトハッカーグループが犯人のIPアドレスを探知することに成功し、情報を全て金融庁と警視庁に共有していた。

また今回、ブルームバーグがこのように資金洗浄が仮想通貨に限定されたものではなく、伝統的な金融業界における問題でもある点について、大手仮想通貨取引所バイナンスのCEOであるCZ氏は以下のように言及した。

単純計算で仮想通貨は関係ないと証明された。

今後政治家が根拠もないまま仮想通貨に対してあらぬ訴えを投じるような時があれば、この記事を読ませたい。

CZ氏は仮想通貨が不当評価される事が多い今だからこそ、法定通貨も簡単に不法行為に使われているという矛盾を指摘した。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者11,000名突破。

CoinPostの関連記事

シンガポール法務省「仮想通貨は法定通貨ではない」 資金洗浄対策など規制遵守を再び呼びかけ
仮想通貨決済に関する規制法案を提出しているシンガポール法務省が「仮想通貨は法定通貨ではない」とし、事業において仮想通貨を決済手段として利用する際は、細心の注意が必要だと再度訴えた。
Cryptopiaハッキング事件で不正流出した一部の仮想通貨をバイナンスが凍結
仮想通貨取引所BinanceのCZ氏は、Cryptopiaの不正流出事件後にバイナンスへ送金された複数の仮想通貨銘柄を凍結したことを発表した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/04 金曜日
11:35
米雇用統計好調でビットコイン一時11万ドル超、アーサー・ヘイズが下落リスクを警告する理由は?
米国6月雇用統計が予想を上回る14万7000人となり、ビットコインは一時11万500ドルまで上昇した。しかしBitMEX創業者アーサー・ヘイズ氏は、米財務省がステーブルコインを国債購入の受け皿として活用することで市場から流動性が奪われ、8月開催のジャクソンホール会議前に9万ドル水準へ下落すると予測した。
11:00
アルトコイン取引の増加傾向続く 仮想通貨OTCレポートが公開
Finery Marketsは、仮想通貨のOTC取引に関する2025年上半期のレポートを公開。ビットコインやイーサリアム、ステーブルコインの他にアルトコインの取引が増加傾向を継続していると指摘した。
10:35
「1兆ドル予測は楽観的すぎた」、 JPモルガン ステーブルコイン時価総額の2028年予測を下方修正=報道
JPモルガンはステーブルコイン市場の2028年予測を5000億ドルとし、他社の1-4兆ドル予測を否定。決済利用は6%に留まり、主用途は仮想通貨取引と指摘。
10:00
ビットコイン、クジラによる売却と機関投資家の需要が拮抗=報道
仮想通貨ビットコインの大口保有者が過去1年で50万BTCを売却する一方、機関投資家の需要増加により価格が膠着している。今後のビットコイン価格については様々な見解がみられる。
09:30
ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる
ロビンフッドがOpenAI株式トークン化サービスを欧州で開始したが、OpenAIは提携を否定。テネフCEOは「トークン化革命」と強調するも、未上場株式の権利問題が浮き彫りに。
09:16
仮想通貨SEI、国内取引所OKJに新規上場へ
国内暗号資産取引所OKJが2025年7月8日からセイ(SEI)の取扱いを開始。ゴールドマンサックス・Robinhood出身者が開発した高速ブロックチェーンで、米国でETF申請も話題。入出庫は7月8日、売買は7月11日17時開始予定。
09:00
ビットコイン今年4度目11万ドル超え、株価相関強まり最高値更新も視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは3日に今年4度目となる一時11万ドル突破を記録した。7月3日から4日にかけて、トランプ政権の大きく美しい法案が可決されたことに加え、米雇用統計が底堅い推移を示したこと、さらにシンシア上院議員が暗号資産の減税法案を提出したことが追い風となった。
08:05
ETF購入減速でビットコイン価格上昇に陰りか、ETHは蓄積量が過去最高に=Cryptoquant分析
仮想通貨ビットコインETFとMSTR(ストラテジー)の購入は大幅減速、全体需要の縮小で価格上昇が鈍化。一方、イーサリアムは6月に蓄積アドレスが史上最高を記録、機関投資家による大量保有が続く。
07:45
米下院、7月14日の週を「仮想通貨週間」と指定 3つの主要法案を審議
米下院指導部が7月14日の週を「仮想通貨週間」に指定し、GENIUS法、CLARITY法、反CBDC監視国家法を審議すると発表。
07:25
IMF、パキスタンの仮想通貨採掘などへの補助金提供提案を却下
IMFは、パキスタン政府による仮想通貨マイニングなどのための電気代補助提案を却下。同国は、ビットコインのマイニングとAIのデータセンター向けに2,000MWの電力を割り当てる計画を発表している。
07:20
ビットコイン今後の価格、9.5万ドルまで下落の可能性も=アーサー・ヘイズ分析
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏は、8月のジャクソンホール会議まで市場が横ばいか軟調な展開を予想。TGA補充の影響でビットコインが9万~9.5万ドルまで下落する可能性があるという。
06:30
米国初のソラナ現物ETF、取引開始初日で出来高約48億円の好スタート
「REXオスプレイ・ソラナ・ステーキングETF」が7月3日に取引開始。米国初のステーキング機能付き仮想通貨現物ETFとして約100万ドルの運用資産で滑り出し。
06:10
米上場ナノ・ラボ、72億円で仮想通貨BNB追加購入
ナスダック上場のナノ・ラボが74,315BNBを約5000万ドルで購入。総額5億ドルの転換社債プログラム第1弾として、BNB流通量の5-10%保有を目指す。
05:50
上場企業の仮想通貨トレジャリー戦略に警鐘、F・テンプルトンが「負の連鎖」リスク指摘
フランクリン・テンプルトンのアナリストが流行する企業の仮想通貨トレジャリー戦略について分析。プレミアム維持の困難さと市場下落時の負の連鎖リスクに警告。
05:35
ルミス議員、仮想通貨税制改正法案を再提出 300ドル未満取引の免税など盛り込む
ルミス上院議員が仮想通貨税制改正法案を再提出。300ドル未満の小額取引免税、マイニング・ステーキング報酬の二重課税解消など包括的な改正を提案。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧