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米国のビットコイン先物出来高が18年夏以降大きく減少 仮想通貨価格の急変動で注目の「SQ日」への影響は

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国のビットコイン先物出来高が18年夏以降大きく減少
米国のビットコイン先物取引量に関する調査レポートが公開。CBOE(シカゴ・オプション取引所)およびCME Group(CMEグループ)における毎月の取引高が2018年の夏以来大幅に下降していることを指摘した。

米国のビットコイン先物出来高が18年夏以降大きく減少

米国のビットコイン先物取引量に関する調査企業TradeBlock社は最新の調査結果を発表し、CBOE(シカゴ・オプション取引所)およびCME Group(CMEグループ)における毎月の取引高が2018年の夏以来大幅に下降していることを指摘した。

CBOEとCME両取引所は2017年12月にビットコイン先物をローンチした。機関投資家による仮想通貨ビジネスへの参入が広く期待されていたことも背景にある。

しかし、TradeBlock社の報告によると、ビットコイン先物に対する米国規制当局の調査着手以来、毎月のビットコイン取引量は「2018年夏にピークに達してから下降傾向をたどっているという。

「CMEとCBOEの両方のビットコイン先物取引量を合計した量は、米国最大の利用可能な5つのデジタル通貨取引所を合計したビットコイン先物取引量とほぼ同等に達した」とあるので、両取引所のビットコイン先物取引量は、アメリカの取引量全体の傾向を示す意味でも捉えることはできるが、大口投資家の最新傾向としての出来高推移として注目したいデータだ。

CME対CBOEビットコイン先物の想定取引量の比較

出典:TradeBlock

CBOEがビットコイン先物取引を開始したのが2017年10月で、その翌日にCMEが開始しているが、レポートのデータからは、開始月時点で取引量で優位性を保っていたCBOEが、2018年を通して大きくCMEに偏ってきている状況がわかった。

米国5大取引所におけるビットコイン直物取引量の推移

出典:TradeBlock

ただ出来高が減少している状況は、伝統的な取引所のビットコイン先物市場だけではない。Coinbaseなどの米国主要仮想通貨取引所におけるビットコイン現物取引量も、仮想通貨の価格が2017年12月、2018年1月をピークにその後下降したことに伴い著しく下降、現在最も現物出来高が多いBinanceも、CZ氏の「バイナンス取引所での通貨取引高は2018年以来90パーセント減少している」といった発言から、状況は悪くなっていることがわかっている。

この傾向は、2018年の初め頃に仮想通貨のベアマーケット入りが始まり、ビットコインの価格が年間を通して下落を続け、個人投資家におけるビットコイン(および仮想通貨全般)への投資食欲が減退したことを意味しているが、問題点は現在かなり大きなシェアをOTC取引高が握っていると見られている仮想通貨市場において、機関投資家に関連性の強いCME、Cboeの出来高が減少している点にあることだろう。

CMEとCBOE合計のビットコイン先物の想定取引高の推移

出典:TradeBlock

TradeBlock社の調査レポートではまた、「ビットコイン先物契約における想定元本取引高のピークは2018年の7月と8月におとずれ、その後秋から冬にかけて減速しはじめた」と述べている。 11月に取引高が一旦持ち直したのは、同月価格が突然暴落したことをうけて、資産価格のボラティリティが高まったからであることも指摘している。

データから見るSQ日時の注目度の変化

これらのデータレポートが公開されたことで、仮想通貨市場の価格変動を見る上で重要とみられていたSQ日の注目度にも変化が生じることにつながりそうだ。

SQ日とは、先物取引における限月(先物期限の満期日)のことで、一定の期間が過ぎると、投機取引のほとんどが取引最終日までに反対売買(買建ての場合は売り、売建ての場合は買戻し)を行うことにより、先物契約を解消する必要がある。(反対売買が行われない建玉に関しては、ビットコイン参照基準レート(BRR)に基づいて差金決済される。)

この仕組みによって、ポジションの決済集中する日程が作り出され、現物取引市場価格にも影響が出ていた事例が複数回確認されている。

機関投資家などによる「ポジション解消の大量売買」が注目されるSQ日だが、この取引高減少が著しく低下している状況を見るに、その影響度や注目度も低下する可能性が高まっていることになる。

また、今回Cboeと比較して、CMEの出来高が上昇していることがわかったため、よりCMEのSQ日に注目度は集中していくのではないだろうか?

今後の展望 ― Bakktなど新規プレイヤーの参入、新しい風となるか

ただその一方で、Bakkt、ErisX、およびCoinFLEXが今後数ヶ月以内に、前評判の高いビットコイン先物商品を発売することを計画しているなど、新たな取引所による先物取引、またはデリバティブ取引が続々と開始されることが予定されている。

現在の状況を踏まえると、以下の点に注目して市場を見守りたい。

  1. CBOEとCMEで見られる先物市場への関心低下の状況下で、新たな先物取引に出来高が高い水準を保てるか
  2. 現在低下する現物市場のボラティリティに影響するか
  3. 新たな先物のSQ日の現物市場の動き

取引高の減少で2019年を明けたが、相場が低迷している中、Bakktをはじめとする新しいプレイヤーの市場参入により、市場に再び活気が取り戻されるのを期待してやまない。

また、これらSQ日や先物取引開始の予定日などは、以下の記事にまとめています。

仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
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