はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

リップル裁判 SECのヒンマン講演資料の非公開申し立て、裁判所が再度却下

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SEC側の申し立てを却下

暗号資産XRPについて、米国リップル社と米国証券取引委員会(SEC)が法廷で対立している中、リップル社の一部の主張が認められたことが16日に明らかになった。

アナリサ・トーレス連邦地裁判事は、ウィリアム・ヒンマン前企業金融ディレクターの講演に関連する文書の非公開措置を求めるSEC側の申し立てを却下した。この文書は、SECによる証券法違反の訴訟で、リップル社側にとって重要な証拠となる可能性がある。

判決を受けて、XRPの価格は前日比8%上昇し、現在62.23円で取引されている(CoinMarketCap調べ)。リップル社のCEO、ブラッド・ガーリングハウス氏は、この判決を「透明性のためのもう一つの勝利」と評価した。同氏はまた、弁護士が文書を公開するメカニズムについて検討中であると述べている。

今回、アナリサ・トーレス判事は、SECの文書封印(シール)の申し立てを却下し、文書は一般公開の対象であると判断した。なお、個人情報や財務情報の削除を含む特定の情報を保護するための編集は認められている。

またトーレス判事は、リップル社によるXRP販売による収入や取引プラットフォームへの報酬に関する情報を削除または修正しようとする試みについては、「過大な範囲」と判断して却下している。

ヒンマン氏の講演文書

2020年12月、リップル社とそのCEO、ガーリングハウス氏、共同創設者のクリス・ラーセン氏は、SECによって未登録証券としてXRPを販売したとして提訴された。SECはリップル社が未登録の証券を販売したと主張している。

この裁判は、元SEC長官のヒンマンの2018年の講演が重要な焦点となっている。その講演で、ヒンマン氏は仮想通貨イーサリアムを証券とは見なさないと発言した。リップル社は、この講演がSECのスタンスを反映しており、公開されるべきだと主張、講演に関連するメールや文書の提出を求めていた。

しかし、SECはこれらの文書が法的保護を受けるべきだと反論した。2022年4月にサラ・ネットバーン判事は、ネットバーン判事はこのスピーチは法的特権で保護されるべきではないと裁定した。

その後、SECはこれに異議を唱え、現在も控訴裁判所で対立が続いている。今回の判決では、トーレス判事は再度SECの主張を退け、文書の公開を命じた。

なお、SECには最高裁判所に上告を請求する権利が残されている。ただし、最高裁判所が上告を受け入れるには、一定の基準を満たす必要があり、一般的には重要な事案に限って審理することが多いとされている。

関連:リップル裁判 ヒンマン氏のイーサリアム発言関連資料を非公開とするSECの申し立てを却下

裁判の近況

XRPの有価証券性を巡る裁判のステータスとしては、22年9月にSECとリップル社がそれぞれニューヨーク連邦地裁に「略式判決」の申し立てを行った状況だ。これは、通常の事実審理を省略し、提出された文書に記載された論拠に基づいて裁判所が判決を下す手続きである。

23年3月にブラッド・ガーリングハウスCEOは、この裁判に関して、「2023年中には結論が出るだろう」との見解を示していた。

訴訟の重要な焦点は、「公正通知防衛」の認可に関わる。リップル社は、SECから適切な警告がなかったと主張している。リップルの代理弁護士を務めるMichael K. Kellogg氏は4月、リップル社がXRPを「投資契約」とは見なさない証拠をSECに提示していたと主張していた。

Kellogg氏はまた、SECがハウィーテストとは異なる不明確なガイダンスを提供したことで規制の混乱を引き起こしたとも指摘。SECはその情報を知りながらリップル社を訴えたとしてリップル社はSECの行動を批判し、公正通知防衛の適用を主張している。

ハウィーテストとは

ハウィーテストとは、米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテストです。SECのW. J. Howey社に対する訴訟事件に由来しています。これ自体には法的拘束力はありませんが、SECはこのテストをもとに複数のICO(トークン販売)に対してリーガルアクションを起こした経緯があります。

関連:米SECが提訴した「リップル裁判」まとめ(20年12月〜23年4月)

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/10 水曜日
18:00
JPYC株式会社、次世代金融カンファレンスMoneyX 2026の企画・運営として参画決定
JPYC株式会社が、2026年2月27日に東京都内で開催される次世代金融カンファレンス「MoneyX」に共催企業として参画。ステーブルコインやデジタル証券など「通貨の進化と社会実装」をテーマに、産官学のリーダーが議論を行う。
17:48
仮想通貨のインサイダー規制導入、市場成熟へ IEO投資上限も提案|金融審議会
2025年12月10日公表の最新の金融審議会報告書で暗号資産(仮想通貨)が金商法の規制対象になることが明記された。IEO投資上限のほか、コード監査義務化、インサイダー取引規制など投資家保護を抜本強化する。交換業者への影響と今後の展望を詳解
17:11
シルクロード関連ウォレット、10年ぶりに突如活動 4.7億円相当ビットコインを送金
10年以上休眠していたシルクロード関連の仮想通貨ウォレット約312個が突如活動を再開し、約4.7億円相当のビットコインを送金。今年は5月にも大規模な移動が確認されている。米政府は押収資産を戦略準備金として保有する方針を示すも、売却疑惑も浮上。
14:59
SEC委員長、2026年に仮想通貨規制の大幅進展を予告 トークン分類制度など導入加速
SEC委員長が2026年の仮想通貨規制大幅進展を予告。トークン分類制度で3カテゴリーを非証券化、1月にイノベーション免除導入へ。前政権の法執行重視から明確なルール制定へ転換。
14:10
著名投資家レイ・ダリオ「中東は資本家のシリコンバレー」:国家によるAI・デジタル資産戦略を絶賛
著名投資家レイ・ダリオ氏がAIのハブとして急速に成長する中東を高く評価し、「資本家のためのシリコンバレーになりつつある」と述べた。一方、マイケル・セイラー氏は中東がビットコイン担保型デジタル銀行システムによって「21世紀のスイス」になる可能性を指摘した。
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
06:00
仮想通貨トランプ(TRUMP)は「どこで買える?」買い方を初心者向けに解説
ソラナで発行されたトランプ大統領公式ミームコイン『TRUMP』について初心者向けに詳しく解説。Phantomウォレットやソラナ系DEXでの買い方、投資リスク、今後の見通しまで説明しています。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧