ライトコインの半減期
暗号資産(仮想通貨)ライトコイン(LTC)の半減期が約60日後に迫る中、関心の高まりがグーグル検索数やオンチェーンデータに反映されている。BitDegreeによる計算によれば、ライトコインの次回半減期は2023年8月7日に予定される。
半減期(halving)とはマイニング(採掘)報酬が半分になるイベントのこと。インフレを防ぐため、ライトコインは4年毎(840,000ブロック毎)にマイナーへの報酬として付与されるLTC量が半減するように定められている。
2023年8月の半減期では、ライトコインのマイナーへの採掘報酬が現在のブロックあたり12.5 LTCから6.25 LTCに減少する予定だ。
マイナーとは
マイナーとは、コンピューターで膨大な計算を繰り返し、仮想通貨取引の検証・承認を行い、それらを含む新規ブロックを生成する事業者のこと。この作業の見返りとして、新規発行された仮想通貨や取引手数料を報酬として受け取る。
▶️仮想通貨用語集
市場データサイトCoinMarketCapによれば、ライトコインの発行上限は8,400万に制限されており、23年6月6日時点の流通量は7308万2064.23 LTCである。半減期が訪れるたびに新たなライトコインの発行ペースが減少するため、結果的に上限に近づくにつれてライトコインの希少性が増すことになる。
過去のLTC半減期
これまでにライトコインの半減期は、2015年と2019年の2度迎えている。
日付 | ブロック番号 | 採掘報酬 | 価格 |
---|---|---|---|
2011年10月7日 | 0 | 50 LTC | – |
2015年8月25日 | 840,000 | 25 LTC | 2.95ドル |
2019年8月5日 | 1,680,000 | 12.5 LTC | 94.37ドル |
2023年8月7日(想定) | 2,520,000 | 6.25 LTC | 87.59ドル(23年6月6日時点) |
ライトコインが立ち上げられた2011年時点、ライトコインのマイニング(採掘)報酬は50 LTCだったが、現在までに1ブロックあたり12.5 LTCまで減少している。
仮想通貨市場の拡大に伴ってライトコインの需要が増加する中で、新規流通量が半減してきた。この傾向は、長期的な視点で価格動向にとってポジティブに作用してきた可能性がある。
ライトコイン半減期の関心増加
歴史的なデータによれば、ライトコイン(LTC)に対する議論や半減期に向けた期待感は、予定日の数か月前から高まることが多い。現在、Googleのトレンドデータを見ると、「Litecoin, Halving」に関する検索が数週間にわたり順調に増加していることが確認できる。
データ分析会社Santimentの調査によれば、ライトコインの送金件数も増加傾向にある。23年4月以降、100万ドル(約1.4億円)以上のトランザクションが毎日500から600件、コンスタントに記録されている。これは大口投資家たちが参入している可能性を示唆している。
さらに、ライトコインを送金するユニークなアドレス数も大幅に増加。これらのデータに基づいて、Santimentはユーザーが半減期を前にライトコインを蓄積している可能性を指摘した。
LTC価格への影響
過去の傾向を見てみると、ライトコインは半減期の約200日前から価格が上昇し始め、その上昇はイベントの約40~45日前に終わるというパターンが見られる。
2015年8月25日のLTC半減期の場合、同年2月6日頃の1.89ドルから7月9日に最大7ドル強まで270%上昇、半減期当日は約3ドルだった。2019年8月5日のLTC半減期に向けて、同年1月17日頃の31ドルから6月26日に最大140ドルまで350%上昇、半減期当日は94ドルで迎えた。
今回、ライトコイン(LTC)価格は2023年1月16日から(暗号資産市場全体の地合い好転もあり)上昇を始め、6月6日時点では15%の価格上昇が確認されている。また、過去1年間で見ると、約34.21%の価格上昇が記録されている。
過去のパターンに基づくと、半減期が予定される8月7日に向けた価格上昇のサイクルは6月25日頃に佳境を迎える可能性がある。ただし、過去の半減期のデータは2つしかないため、これらの仮定には慎重さが求められる。
ライトコインの価格動向については、市場全体の動向やライトコインの開発状況を常に考慮に入れながら、引き続き注視していく必要があるだろう。
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