同社株を空売り
米投資会社のケリスデール・キャピタル(以下、ケリスデール)は28日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を大量保有するマイクロストラテジーの株価(MSTR)に関するレポートを公開した。
マイクロストラテジーの株価は、本記事執筆時点で前年比560%超上がっており、この上昇の大きな要因はビットコインの価格上昇だとみられている。ケリスデールは同社の株について、ビットコインに対し正当ではないプレミアムがついて取引されているとの見方を示した。
ケリスデールは現在、ビットコインをロング(買い注文)し、マイクロストラテジーの株をショート(売り注文)しているとレポートの冒頭で説明。そして、マイクロストラテジーの株価はビットコインの最近の価格上昇に合わせて上がっており、興奮を伴って過大評価されていると指摘した。
具体的には、マイクロストラテジーの株価から概算すると、ビットコインの価格は17.7万ドル超(約2,670万円)になると分析。これは現在のビットコイン価格の2.5倍であると説明した。
ケリスデールは、マイクロストラテジーの株は長期に渡って、特殊なビットコインへの投資手段として利用されていると指摘。そして、現在は取引所や手数料の安いETF(上場投資信託)やETP(上場取引型金融商品)などを通してビットコインを容易に入手できるため、2.5倍もの投資コストをかける正当な理由は見当たらないと述べている。
ケリスデールは、マイクロストラテジーの株がビットコインの特殊な投資手段だった時代は終わっていると主張。また、ビットコインに対する同社の株価プレミアムは1.3倍であることが多かったため、ビットコイン価格に対して同社株には約50%の下落余地があるとの見方も示した。
マイクロストラテジーの株価は今週に最高値を更新した後に現在は下落。本日は前日比11%超下がっている。
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株式投資の魅力
マイクロストラテジーは企業の資産としてビットコインを大量保有し、戦略的に購入を継続。転換社債を売って資金調達もしながら現在は21万4,246BTC保有しており、この数量はビットコインの供給量の1%超に相当する。
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これまでも、特にビットコイン現物ETFの誕生によって、同社の株の魅力が減退しうるとの声は上がっていた。この点について同社のマイケル・セイラー会長は昨年12月、ビットコインETFは同社株の脅威にはならないと主張している。
この時、同氏は「ビットコインETFはレバレッジがなく手数料がかかる。一方、我々(の株式)はレバレッジを提供するが、手数料は取らない」と説明。そして、「マイクロストラテジーはビットコインをロングする投資家のために、高性能のETFを提供している」と主張。さらに、同氏はビットコイン至上主義者であり、SNSで頻繁にビットコインに対する強気な投稿を行い、「ビットコインこそが出口戦略だ」とも語っている。
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