はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ソラナの躍進、年間500%成長を牽引するブロックチェーン技術の市場影響力

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ソラナの躍進

「The Block Research Podcast」の最新エピソードに、ブロックチェーン業界の重要人物であるSolana LabsのCEO兼共同設立者Anatoly Yakovenko氏と、SolanaのRPCノード等インフラを構築するHelus LabsのCEO兼設立者、Mert Mumtaz氏が出演した。

暗号資産(仮想通貨)SOL価格は年初から500%増加。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を上回るパフォーマンスを達成しており、魅力的な投資機会として台頭している。

出典:TradingView

Yakovenko氏とMumtaz氏は、Solanaがネットワーク活動量の増加と技術革新において顕著な成果を上げていると語り、これが仮想通貨市場におけるSolanaの強固な地位を確立していることを強調した。彼らはまた、Solanaの独自の特徴と充実したコミュニティが、分散型金融(DeFi)およびデジタル資産の分野でどのように革新的な未来を形成しているかを解説した。

Solanaのネットワーク活動量の増加

対談で共有されたデータによれば、Solanaのネットワーク活動量は、23年9月から12月にかけてトランザクション数が増加しており、7日間移動平均で2100万トランザクションに達した。アクティブアドレス数も同期間中に増加し、7日間移動平均で45万を超え、一時的にEthereumの同アドレス数を抜いた。

出典:The Block

さらに、Solanaの1日あたりの新規アドレス登録数は11月のピーク時に20万以上に達した。これは、過去3ヶ月間で30%以上の成長を遂げたことを示しており、Ethereumと比較してSolanaの活動が増加していることを示唆している。

ステーブルコイン取引量もSolana上で顕著であり、特にUSDC(USD Coin)の取引量は10月から11月にかけて10倍に増加し、7日間移動平均で約40億に達した。これは、Ethereumと同程度の規模だ。

Solana上のDeFi活動も増加しており、新しいトークンやエアドロップの登場がその活動を刺激している。Jupiter、ソラナステーキングのJitoや価格オラクルのPyth NetworkなどがトークンをSolana上でリリースし、WhirlpoolやRadiumなどのDEX(分散型取引所)の活動が増加。相乗効果が生まれており”DeFi 2.0″との呼び声も高い。

11月にはSolana上のDEXの週間取引量が約21.4億ドルに達し、Ethereum上のDEXのトレードボリューム約100億ドルと比較して小さいが、その差を縮小させた。

関連:2024年仮想通貨市場予測、アルトコインへのシフトや企業のトークン保有増加=VanEck

低手数料を維持する背景

Solanaは1年前に導入された設計の改良を通じて、ネットワークの活動量が高い箇所(ホットスポット)を効果的に分離し、悪意のあるアクターによるスパム攻撃からネットワークを守ることに成功。これにより、以前は頻発していたネットワークのダウンが最近ではほとんど見られない。Solana LabsのYakovenko氏は、この成果を「ストレステストに成功した」と評価している。

この背景には、Solanaの「ローカルフィーマーケット」という独自の設計がある。このシステムは、ブロックスペースへの高い需要を検知した際に、各トランザクションの発生源に紐づくコンピューティングユニット(CU)に制限を設けることで、単一のプログラムによるブロックスペースの過剰使用を防ぐ。

これにより、Solanaは高いネットワーク活動の状況下でも、利用者に安定した料金を提供することが可能になり、その取引手数料は数円単位で推移している。この低手数料の維持は、グローバルな支払いシステムとしてのSolanaの重要性をさらに高めている。

また、SolanaではEthereumと同様に、基本手数料に加えて追加の手数料(優先手数料)を設定できる。これは、取引がネットワーク内で優先的に処理され、迅速に確認される可能性を高めるものだ。

出典:Solscan

Yakovenko氏によれば、優先手数料の使用状況は、ネットワークの経済活動の活発さとプロトコルの成功をリアルタイムで具体的に評価する手段となっている。現在、優先手数料はネットワークの手数料収入の50%以上を占めており、これはネットワーク上での経済活動が盛んであり、プロトコルが成功していることを示していると述べた。

関連:ソラナのmSOLが大口投資家の売却で一時18%下落、背後にある思惑とは?

大量のデジタル資産を処理する能力

Anatoly Yakovenko氏によると、Solanaはその高度な処理能力により、大量のデジタル資産を効率的に扱い、ユニークなアプリケーションの開発を可能にしている。同氏は特に、Solanaの「圧縮技術」をその独自性の例として挙げており、多数のプロジェクトに影響を与えていると述べた。

この圧縮技術により、Solanaはデジタル資産を数百万単位で低コストに発行・配布することが可能。この技術は、単にレアリティを追求するのではなく、エンゲージメントを深めるためのツールとして機能し、ロイヤルファンへのデジタル資産の配布を可能にしている。

例えば、「DRiP NFTs」というマーケットプレイスは、Solanaの圧縮技術を採用しており、大規模な視聴者にも安価にデジタル資産を提供する。このアプローチは、NFT業界におけるパラダイムシフトを引き起こしている。

また、Wi-Fiスポットの分散化計画を進める米国の事業者Heliumは、大量のデータ処理能力を求めて、Solanaへの移行を決定したという。

関連:FOMC迫るも高値圏維持するビットコイン、Firedancer材料にSOLが続伸

Solanaの将来性

Solanaのエコシステムは技術的な進歩に支えられ、イーサリアムのアプリケーションを単に模倣するのではなく、独自の進化と成長を遂げる可能性が高まっている。その代表例が、「Jupiter」というアプリケーションだ。

Jupiterは、Solanaのネットワーク上で様々な市場間の取引を即時かつ安全に行う「アトミックリレー」機能を備える。これは、Solanaが提案する「ワールドコンピュータ」という概念を具現化したもので、巨大なRAMの一塊のように機能するネットワーク上で、全体の流動性を引き出し、効率的な取引を可能にする。

また、JupiterはFlash BotsやLidoの要素を取り入れたが、単なるイーサリアムのコピーではない。Solanaの特有の高速ブロック生成やステーキングシステムのプログラム的な委任などを活用し、これらに基づいてゼロから設計されている。

Solanaの創始者であるYakovenko氏は、成功するエコシステム構築には既存の才能の引き抜きだけでなく、新たな献身的な貢献者が必要だと述べている。彼はまた、Solanaの優位性は、プラットフォーム上でのプログラミングのやりがいと、深い理解を持つ情熱的で献身的な人材が集まる点にあると強調した。

今後のSolanaのロードマップでは、開発者エクスペリエンスの向上が重点とされ、APIやRPCの強化や優れたスマートコントラクトツールの提供を予定。開発者がSolanaでより容易に作業できる環境を整えることを目標に置く。

さらに、プロトコル面では、新たなノード「Fire Dancer」の実装が最優先事項となっており、これによりネットワークの安全性が大幅に向上し、コードベースの単一障害点が減少する見込みだ。

Yakovenko氏は、最終的な目標としてSolanaのスケーリングを計算リソースの追加と同じくらい容易にし、ネットワークをより高速かつ堅牢にすることを目指していると締めくくった。

関連:ソラナ「Fire Dancer」、ゲームチェンジャーと期待される理由とは?

ソラナ(SOL)に投資したい方はこちらをチェック(PR)

銘柄別、仮想通貨取扱い状況はこちらをチェック

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧