はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

2024年仮想通貨市場予測、アルトコインへのシフトや企業のトークン保有増加=VanEck

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2024年の仮想通貨市場15の予測

米国の資産管理大手VanEck社は7日、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場に関する予測レポートを発表した。業界が新たな発展段階に入ることが示唆されている。

レポートでは、ビットコイン(BTC)の半減期直後に小規模なトークンへの資金の流れが顕著になると予測されている。また、企業による暗号資産の保有が新たな局面を迎え、ワイヤレス・ホットスポットの分散型ネットワークが全米での有料会員数を増やすなど、Web3と既存ビジネスの統合が加速すると見られている。VanEckの15の予測は以下の通りだ

  1. 米国リセッション到来とスポット型ビットコインETFのデビュー
  2. 順調な4回目のビットコイン半減期
  3. 2024年第4四半期のビットコインの史上最高値
  4. 2024年のイーサリアムのビットコインに対する市場ポジション
  5. EIP-4844後のETHレイヤー2の優位性
  6. NFTアクティビティが新たなピークに
  7. バイナンス、現物取引でトップの座を明け渡す
  8. USDCの市場シェア回復でステーブルコインの時価総額が過去最高を記録
  9. 分散型取引所、過去最高の現物取引市場シェアを獲得
  10. 送金とスマートコントラクトが牽引するビットコイン利回り機会
  11. ブロックチェーンゲームをリードするタイトルの出現
  12. ソラナ、DeFi TVLの復活でイーサリアムを上回る
  13. DePinネットワークスの有意義な採用
  14. 新しい会計基準により企業のトークン保有が増加
  15. DeFiのKYC規制との整合性

企業の暗号資産保有が加速

注目すべきは、企業による仮想通貨の保有が新たな局面を迎えるとの見方だ。VanEckは、コインベースが上場企業として初めて、レイヤー2ブロックチェーン「BASE」の収益を四半期報告書に記載し、それが米国財務会計基準審議会(FASB)が企業の暗号資産の時価評価益を計上できるようにするガイドラインを策定するきっかけとなると予想。ビットコインや他の暗号資産を保有する企業には追い風となる。

レイヤー2ブロックチェーン「BASE」の週間収益 出典:VanEck

会計上の変更は2025年に施行予定だが、それ以前にも多くの企業がこれを採用する可能性があるとされている。

また、ビットコインエコシステムの拡充が予想される。新興国での送金面の需要が進み、ライトニングネットワークが2024年に重要な役割を果たすと予測されている。

ライトニングネットワークへのBTCロックアップは現在リスクが高いが、AmbossやFediのようなノード管理プロトコルやセルフカストディソリューションの普及により、ユーザーはより安全に送金市場に参加し利益を得ることになるとされる。

さらに、CosmosベースのBabylonプロジェクトなどがビットコインのステーキング機能を提供し、金利収益が可能になると予想される。NFT市場に関しても、ビットコインのオーディナル・プロトコル等の影響により、ETH対BTCのNFT発行比率が2024年には3対1に近づくとされる。さらに、ビットコイン上のスマートコントラクト基盤である「Stacks(STX)」は、時価総額でトップ30のコインになるとVanEckは加えた。

関連:コインベースCEOがBaseトークン発行を否定 ソラナなどの統合計画も

ソラナの躍進

過去の市場動向を分析すると、ビットコインが仮想通貨市場のリーダーとしての地位を維持し、価格上昇を引き続き牽引することが予想される。しかし、半減期直後には、ビットコインの価値が小規模なトークンに流れ込む傾向がある。

VanEckは、24年4月に予定される半減期後にビットコインの市場ドミナンスが低下し、アルトコイン市場が活性化する可能性があると述べた。この流れは、新たなコインを積極的に上場する分散型取引所(DEX)への取引活動の集中を促すだろう。UI/UX改善により、多くのユーザーが取引所ではなく仮想通貨ウォレットへ移行している。

さらに、ソラナ(SOL)のような処理性能の高いL1チェーンがユーザーの取引体験を向上させるため、現物取引におけるDEXの市場シェアが過去最高を更新すると予測されている。

ソラナはまた、DeFiの預入総価値(TVL)が回復し、時価総額、TVL、アクティブユーザー数でトップ3のブロックチェーンになると予想される。この成長に伴い、ソラナは資産運用会社の現物ETF申請が相次ぎ、市場シェアの拡大に寄与するとVanEckは主張している。また、ソラナの価格オラクルであるPythが、チェーンリンク(LINK)を導入しているDeFiプロトコルの総価値「Total Value Secured(TVS)」を上回る可能性があるとした。

関連:2030年までのソラナ価格評価、最も強気なシナリオは?=米大手資産運用会社VanEck

イーサリアムL2の競争

イーサリアムは2024年にビットコインの市場地位を上回ることはないと予測されているが、メガキャップのハイテク株を含む他の主要資産クラスよりも優れたパフォーマンスを発揮するとVanEckは見ている。また、ソラナのような他のスマートコントラクトプラットフォームがイーサリアムの市場シェアを侵食する可能性を指摘した。

イーサリアムのLayer 2(L2)エコシステムに関しては、EIP-4844(プロトダンクシャーディング)の実装により、EVM(Ethereum Virtual Machine)互換のTotal Value Locked(TVL)と取引ボリュームの大部分を獲得すると予測されている。

関連:イーサリアム、L2手数料を最大100倍削減する「EIP-4844」を実装へ

この技術革新により、Polygon、Arbitrum、OptimismなどのL2チェーンの取引手数料が削減され、スケーラビリティが向上する。結果として、2024年の第4四半期までにイーサリアムのDEXボリュームとトランザクション数は現在の2倍、10倍に増加すると見込まれている。

Arbitrumのようなチェーンではブロックタイムが0.25秒と極めて短いため、トランザクションのスループットが向上し、DEXと他の市場との裁定取引が活発化する可能性がある。DEXやL2は取引機会を増やし、より多くの取引量を集めることが予想される。

分散型プロジェクトの採用拡大

ステーブルコインの市場規模は過去最高を更新し、機関投資家による採用が加速するUSDCoin(USDC)がテザー(USDT)を逆転する可能性があるとVanEckは予想する。

DePinネットワークも注目されるポイントである。これは、グーグルストリートビューに対抗するコミュニティ所有の分散型マッピングプロトコルであり、スピードと資本コストでGoogleに優位性を持つ可能性がある。また、ワイヤレス・ホットスポットの分散型ネットワークであるHeliumは、全米で5Gプランの有料会員数を増やし、成長を続けると見込まれるとした。

一方、DeFiはKYC(顧客確認)との調和を進め、Ethereum Attestation ServiceやUniswap Hooksといった認証サービスを使用するアプリは、ユーザーベースと手数料の面で大きな成長を遂げる可能性がある。KYCゲート付きフックによる追加取引量により、Uniswapプロトコルはさらに拡大すると予想される。

ウェブ3ゲームの分野も大きなブレイクスルーを迎えることが予想されており、この業界全体の発展に寄与することが期待されている。

VanEckは、ブロックチェーンベースのゲームは、少なくとも1つのタイトルが100万人以上のデイリーアクティブユーザーを獲得すると予測。特に「Illuvium」や「Guild of Guardians」のような、1億ドル以上の資金を調達した高性能ゲームのリリースが来年予定されていることに注目。これらのゲームでユーティリティを持つ、Immutable(IMX)トークンが、市場価値でトップ25の仮想通貨になる可能性が高いと主張した(現在は42位)。

関連:Web3・NFTゲーム「イルビウム(Illuvium)」、最大手eスポーツチームTeam Liquidと提携

関連:ビットコインETFへの資金流入予測、金ETFと経済環境から算出ーVanEck分析

ビットコインETF特集

半減期特集

1年を切った次回ビットコイン半減期へのカウントダウン、市場動向と専門家の予測は? ビットコイン半減期とは?市場価格への影響と注意点
ビットコインなど仮想通貨市場に大きな影響を及ぼす「半減期」とは、過去の事例から独自考察 ビットコイン半減期とは|仮想通貨の半減期前後で価格が高騰する理由
仮想通貨ビットコイン、半減期でも「高騰が期待できない理由」 CoinPostアプリで優位性を
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/18 金曜日
18:29
業界キーパーソン3名が語る仮想通貨市場の現状と展望|香港Web3 Festival2025
香港Web3 Festivalで、TON Foundation取締役のスティーブ・ユン氏、香港立法会議員のダンカン・チウ氏、CoinMarketCap CEOのラッシュ・ルー氏にインタビュー。マクロ経済の影響、規制環境の変化、アジア市場の可能性について、業界リーダーたちの見解を独占取材した。
18:12
Neowave Academyが日本進出 Web3の潮流を切り拓けるか
Neowave Academyが主催した「Tokyo Nexus」イベントで日本Web3市場への本格参入を宣言。伊藤健次氏やArata氏などが集結し、投機から価値蓄積へと進化する暗号資産市場を分析。教育コンテンツを中心とした事業展開を推進し、Web3普及に向けた取り組みを共有。
14:00
トランプ関税政策で揺らぐ米国マイニング産業──東南アジア製機器依存の代償と国内生産への転換
トランプ大統領の新たな関税政策で、東南アジア製マイニング機器に依存する米国のマイニング業界が危機感を募らせている。緊急対応策として、機器の輸入を急ぐ企業や海外拠点を模索する企業もあるが、米国内で製造することを選択する企業もある。
13:25
アジア初のXRP投資商品、リップル社が初期出資へ
仮想通貨運用会社HashKey Capitalが、アジア初のXRPパフォーマンス追跡型投資ファンドを発表。Rippleが初期出資を行い、機関投資家向けに直接保有せずXRPへのエクスポージャーを提供する新たな投資手段が誕生。
12:29
LINE NEXT CSO「キム・ウソク」氏が語るWeb3大衆化戦略とは
LINE NEXT CSOのキム・ウソク氏がWeb3の大衆化戦略を語る独占インタビュー。LINEの強みを活かし、ウォレット体験の改善、直感的なUI、メッセンジャーとの連携強化で1,000万人のユーザー獲得を目指す。Web2からWeb3への架け橋となる挑戦に注目。
12:04
重要局面のビットコイン85000ドル付近を維持、3月の関心指数は増加
ビットコイン価格が下降トレンドラインと200日移動平均線の狭間で重要局面を迎える中、「ビッグショート」のスティーブ・アイズマン氏はマクロ市場に警戒感を示す。Google検索データが示す個人投資家の関心回復も相まって、市場は混沌とした展開を見せている。
11:35
イーサリアム、クジラの大量売却が相次ぐ ETHの将来性と課題は?
仮想通貨イーサリアムのクジラが3年ぶりに活動を再開し7億円相当を売却した。フィデリティはイーサリアムの将来の可能性と課題を分析するレポートを発表している。
10:45
ソラナ基盤のRaydium、カスタマイズ性重視のミームコインローンチパッド「LaunchLab」をリリース
ソラナ上のDEX「Raydium」が新トークンローンチパッド「LaunchLab」をリリースした。カスタマイズ性の高さとコミュニティ還元機能を特徴としておりPump.funの競合となる。
09:45
リップル社買収先のHidden Road、米国でブローカーディーラーの認可取得
リップル社が買収する計画のHidden Roadは、完全子会社が米FINRAからブローカーディーラーの認可を取得したと発表。これからサービスと顧客基盤を拡大していく。
09:25
レイヤーゼロ、a16zから約80億円追加投資 価格10%高
価格10%ほど上昇もATHから67%減 大手ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz(a16z)傘下の「a16zクリプト」は18日、クロスチェーンインフラLa…
07:50
国内ファッションブランド「ANAP」、ビットコイン約2億円分購入
日本のファッション企業ANAPホールディングスが約2億円相当のビットコイン購入を発表。「デジタルゴールド」としての価値に着目し、子会社ANAPライトニングキャピタルを通じた投資戦略の一環として実施した。
07:15
バイナンスCEO、複数国の仮想通貨準備金創設を支援中と明かす
バイナンスのCEOは、同社が複数の国に対して、ビットコインなどの仮想通貨準備金創設の助言を行なっていると明かした。また、デジタル資産の規制整備も支援していると話している。
06:35
ビットコイン価格安定の背景 機関投資家と企業の買い支え
仮想通貨ビットコイン価格の安定性要因についてブルームバーグのETF専門家が指摘。機関投資家の強いETF買い意欲と、マイクロストラテジーなどの超大口ホルダーの継続的な蓄積が下落相場を支えている。
06:10
ビットコイン、安全資産需要の波に乗れず 金ETFには約3兆円流入──JPモルガン分析
JPモルガンの最新レポートによると、マクロ経済の不確実性の中、金は安全資産として資金流入を集める一方、ビットコインはデジタルゴールドの役割を果たせていない。金ETFが第1四半期に3兆円弱の純流入を記録する中、ビットコインETFは3カ月連続の資金流出を記録。
05:40
トランプ大統領、パウエルFRB議長解任に初言及 「遅すぎる」利下げ判断を批判
トランプ大統領がSNSでパウエルFRB議長を「常に遅すぎて間違っている」と非難し、「解任は早ければ早いほど良い」と初めて明示的に解任に言及。欧州中銀が7回の利下げを実施する中、関税政策効果を活かした利下げを求める発言が再び市場に波紋。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧