はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「仮想通貨バブル崩壊か、強気トレンド継続か」ビットコインなど大幅反発も市場の見解別れる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン相場と金融マーケット

相次ぐ悪材料で急落していた仮想通貨市場は、25日にかけて大幅反発した。

悪材料が相次ぎ際どい局面が続いたが、ビットコインは3万ドルを割り込まず、31,000ドルで二番底のダブルボトム(①)を形成すると力強く反発した。

相場の過熱感を示すRSI(相対力指数)はすでに今年最低値まで下落(②)しているほか、ビットコイン恐怖指数(Fear&Greed Index)は、昨年3月のコロナ・ショックに匹敵する水準まで下落するなど、異常事態の様相を呈している。

センチメントが毀損する中、BTC価格が3万ドルを割り込み年初来安値を更新すれば再び崩壊するおそれもある。今後は40,500ドル付近にある200日移動平均線、42,000〜43,000ドルのレジスタンスライン(③)が重石になると見られるが、上抜けることが出来れば大口の買い戻しを誘発する可能性がありそうだ。

23日時点で、資産の避難先と思しき仮想通貨取引所におけるテザー(USDT)などのステーブルコイン総量は過去最大規模に達しており、多くの投資家が安値でポジションを買い戻すか、あるいは米ドルなど法定通貨にして出金(仮想通貨市場から撤退)するか、様子を伺っているものと思われる。

18日には、中国銀行業協会などが金融機関に対して仮想通貨関連業務を禁ずる通知を発令したほか、中国国務院の財務委員会が、ビットコインマイニング(採掘)及び取引活動の取り締まりを打ち出したことが伝わると、暴落後に反発基調にあったビットコインは再び大きく売り込まれた。

Links株式会社のSonny Wang取締役によれば、中国共産党の金融当局トップ自ら「取り締まり」ではなく「打撃を与える」というニュアンスを用いたことで、これまで繰り返してきた規制勧告とは重みが異なるという。

市場からは、大手マイナー含む中国事業者が撤退や保有ビットコインを処分せざるを得ない状況に追い込まれるリスクがある一方で、ハッシュレートの分散化・国際化が進めば、安価な電気代からビットコインマイニング(採掘)の集積地として発展してきた中国におけるチャイナリスク軽減にもつながるとして、歓迎する向きもある。

強気相場継続か、バブル崩壊か

マクロ経済学の第一人者で、Real Visionの共同創設者のラウル・パル(@RaoulGMI)氏は、現在のフェーズが2013年や2017年6月の調整局面にあたる可能性があるとして、過去の強気相場チャートをプロットして比較した画像を紹介した。

17年6月のBTC/USD 出典:ブルームバーグ

2013年のBTC/USD 出典:ブルームバーグ

一方市場参加者からは、テーパリング懸念で反落する株式市場同様に「金融緩和バブルの終焉」を指摘する声も少なくない。

悲観論者の根拠にあるのが「21年5月現在の値動きは、18年1月のチャートを彷彿とさせる」という主張だ。3年前のトレンド転換時は典型的なデッド・キャット・バウンスとされるもので、急落後の大幅反発を挟みながら続落し、最終的に6,000〜7,000ドルの下値支持線をも底割れるなど長い低迷期が訪れた。

2018年1月のBTC/USD

しかしながら、当時は中国による仮想通貨規制問題のほか、テザーの裏付け資産問題、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)による資金調達規制、国内大手取引所コインチェックハッキング(仮想通貨の大規模不正流出)事件など世界各国で悪材料が頻出しており、3年前の未成熟な市場と現在の市場環境では、情勢や規模そのものが大きく異なるとの指摘も根強い。ICOバブルの波を受け、個人投資家及びデリバティブ主体で急騰した2017年と、DeFi(分散型金融)市場が発展し、米上場企業や機関投資家の参入が相次いだ2021年の単純比較は出来ないだろう。

株式市場同様、テーパリングの影響による緩和マネー逆流は十分あり得るが、将来的なインフレ局面では、むしろ米ドルなど法定通貨のヘッジ需要として、ゴールドやビットコインの代替資産性がますます着目される可能性も考えられる。20年5月の「半減期」を経て供給量は大きく絞られており、その傾向は今後も続くことになるからだ。金融緩和における大量増刷で米ドルが希釈化する中、ビットコインの希少価値は格段に増している。

関連:Glassnode最高技術責任者が考察「ビットコイン高騰の背景に、市場供給量の枯渇」

24日には、最大手ヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエーツ」の創業者で、過去に懐疑的な見方を示してたレイ・ダリオ氏によるビットコイン保有が判明。同氏は「米ドルの価値が下がりインフレが訪れる環境では、”価値の保存手段”としてビットコイン需要が高まる」との見解を示した。

関連:著名資産家レイ・ダリオ氏、ビットコイン保有の事実を明かす

著名オンチェーンアナリストのWilly Woo(@woonomic)氏は、Glassnodeのデータから「エンティティ・ネット・グロース」指標を参照し、ノーポジションだった勢力が押し目買いをしていると指摘した。同指標は、法人、個人、取引所などの市場参加者の増減を示したもので、エンティティの増加はBTCネットワークの成長を意味する。

Glassnode

個別銘柄の動向

下落局面では、直近数ヶ月で高騰していたDeFi、NFTセクターからの資金抜けが顕著だったが、25日にかけて買い戻しが相次いだ。

NFT関連では、次世代スケーリングソリューションとして着目されるPolygonのMatic Network(MATIC)が前日比+50%と大幅反騰したほか、分散型ファイナンス(DeFi)プラットフォームMakerDAOのネイティブガバナンストークンであるMKRが前日比+33.5%、主力DeFi系レンディングプラットフォームであるAave(AAVE)が前日比+25.8%となった。

これに伴い、DeFiトークンの騰落率に連動する「DeFi Pulse Index(DPI)」が前日比+32%と大幅反騰。 DeFiやNFT市場の復調を受け、時価総額2位のイーサリアム(ETH)も前日比+22.4%の2,600ドル(30万円)まで買われる場面があった。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/23 金曜日
05:35
マイケル・セイラーのストラテジー、ビットコイン追加取得のため3000億円調達計画
Strategy社が10%配当の優先株STRF最大21億ドル発行のATMプログラムを開始。ビットコイン取得資金調達で現在57万6230BTC、時価640億ドル超を保有。
05/22 木曜日
19:31
ビットコインと仮想通貨関連株はどちらを買うべき?メリット・デメリットを解説
ビットコインを大量保有する日本株のメタプラネットやリミックスポイント、米国株マイクロストラテジーなどの暗号資産(仮想通貨)関連銘柄がストップ高で高騰する中、代表的な仮想通貨関連銘柄とビットコイン現物投資のメリット・デメリットを初心者向けに徹底比較、解説しています。
18:10
ビットコインを保有する上場企業ランキング|日本・米国の注目企業を解説
暗号資産(仮想通貨)ビットコインを大量保有する上場企業ランキングを紹介。メタプラネットやマイクロストラテジーなど、日本株・米国株の注目企業や投資メリットを解説します。
15:45
Astar NetworkとAnimoca Brands、エンタメIP分野で戦略的パートナーシップを締結
Astar NetworkがAnimoca Brandsから戦略的出資を受け包括的パートナーシップを締結。日本・アジアのエンタメIPオンチェーン化を加速し、Anime IDやAnime Art Festを通じて次世代デジタル体験を創出へ。
13:45
バイナンス、トランプ関連のステーブルコイン『USD1』を新規上場予定
世界最大手取引所バイナンスがWorld Liberty Financial発行のドル裏付けステーブルコインUSD1を5月22日に上場開始。BitGo管理で時価総額21億ドル規模。
13:30
米国のビットコイン保有者5000万人突破、金ホルダーを上回る=Riverレポート
River社が、米国でビットコイン保有者が5,000万人に達しゴールド保有者を上回ったと報告。米国の仮想通貨ビットコイン採用は世界をリードしているとして様々なデータを示した。
12:45
ワールドコイン、WLD価格10%上昇 新たに200億円調達
仮想通貨プロジェクトWorld Network(ワールドコイン)が200億円分のWLDトークンをa16zとベインキャピタルに売却し資金を調達し、米国展開を本格化へ。
12:03
ビットコイン史上最高値11万ドル突破、専門家の年末20万ドル予測も
ビットコインが史上最高値を更新し、11万500ドルを記録した。英スタンダード・チャータード銀行は年末20万ドル、著名投資家は8月15万ドルを予測する理由を解説。ブラックロックCEOの後押しやトランプ政権の規制緩和、米財政不安によるヘッジ需要が上昇要因に。
11:10
「ビットコインは最大100万ドル到達へ」金持ち父さん著者キヨサキ
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏は、仮想通貨ビットコインの価格が50万ドルから100万ドルに到達すると予想。今回の予想の背景には、米国債入札の低調さがあるようだ。
10:55
VanEck、アバランチ投資ファンド「PurposeBuilt」を立ち上げ
資産運用大手VanEckが仮想通貨アバランチ上のプロジェクトに投資する新ファンドをローンチする。長期的価値を重視し価値ある事業を進めるプロジェクトに投資していく。
10:20
4月に新規採掘超えのビットコイン売却、マイナーの資金難鮮明に 5月の急騰直前=レポート
仮想通貨ビットコインマイニング企業が4月に生産量を上回る115%のビットコインを売却し5月の価格上昇の恩恵を受けられず。ハッシュレート競争激化の中、CleanSparkが40EH/s超え、IRENがRiotを抜き3位に浮上。
09:20
12億円でイーサリアム追加取得、米上場のBTCS社 ETH保有量38%増
米ナスダック上場BTCSが842万ドルで3450ETHを追加取得。保有量12500ETHで38%増。イーサリアム戦略強化でステーキング収益拡大を目指す。
08:25
二代目ソラナスマホのSeeker、独自トークン「SKR」発行へ
仮想通貨ソラナのスマホを開発するソラナ・モバイルは、独自トークンSKRを発行する計画を発表。Seekerの正式な出荷開始日は2025年8月4日に決定した。
07:45
イーサリアム・XRPなど仮想通貨市場で売り圧力が大幅低下=Cryptoquant分析
仮想通貨イーサリアム、XRP、ビットコインの取引所流入量が急減し売り圧力が低下。一方でUSDT在庫は469億ドルの史上最高を記録し、仮想通貨市場の流動性をブーストしている。
07:45
時価総額311兆円到達、ビットコイン 最高値更新でアマゾン超え世界5位に
ビットコイン時価総額が2.16兆ドルに達しアマゾンを上回り世界第5位に。機関投資家による需要がビットコインETFの運用資産額を大幅に押し上げた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧