DeFiサービスの変革へ
暗号資産(仮想通貨)の貸付やデリバティブ取引のプラットフォームを提供するSecured Financeは28日、400万ドル(約4.4億円)の資金調達を行なったことを発表した。
今回の資金調達はシードラウンドで、当初の目標の2倍超に相当する資金を獲得できたと説明。調達した資金は企業の成長と規制対応などに利用するという。
Secured Financeは2020年に設立。仮想通貨などのデジタル資産において、投資銀行レベルの金融商品やサービスを提供することによって、DeFi(分散型金融)を変革することを目指している。イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上で、貸付やオプション取引などのサービスを提供する企業だ。
今回の資金調達は、仮想通貨取引サービス企業GSR Marketsとリサーチ企業Protocol Labs、ベンチャーキャピタルのHuobi Venturesなど5社がリード投資家となり、Nomura Holding Americaの役員やCoinListの最高執行責任者(COO)、IPFSとFilecoinの創設者らの個人投資家も出資を行なった。
同社は以前、イーサリアムのソフトウェア企業ConsenSysがスタートアップに出資や支援を行う「アクセラレータープログラム」に参加。現在はSecured FinanceのMasakazu Kikuchi最高経営責任者(CEO)が、アクセラレータープログラムの指導者になるまでに成長してきている。
Kikuchi氏は今回の資金調達について、以下のようにコメントを寄せた。
我々は現在、金融サービスを民主化するために重要な時期にある。当社のビジョンはDeFiのリーダーになって、今のムーブメントの先頭に立つことだ。
すばらしい投資家やパートナーに支えられながら、チームを成長させ、世界で事業を展開できるように規制の認可の取得やコンプライアンス対策を行っていきたい。
Secured Financeは今回のプレスリリースで、仮想通貨はリスクが高く、サービスを提供する規制要件が厳しいため、従来の金融機関では魅力的な事業を行うのが難しいと指摘。一方で、同社は規制のガイダンスに準拠し、スマートコントラクトを活用して仲介者を必要とせず、カウンターパーティリスクを心配しなくていいようなサービスを提供していくとした。
今後は処理能力や互換性が高く、分散化された銀行サービスを、デジタル資産の領域で拡大したいと考えているという。