はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアムの処理能力強化案、賛否両論に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ガス上限引き上げで賛否両論

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のバリデータの14%は、ネットワークにおける各ブロックのガス上限(ガスリミット)を6,000万まで引き上げることに同意している。

この変更はハードフォークを必要とせず、バリデータの50%以上が支持を表明すると自動的に有効になる。

バリデータとは

ブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのこと。承認者の意味で、取引履歴を検証する役割などを持ち、その役割を果たすと仮想通貨で報酬が与えられる。

なお、「ガス」とは、イーサリアム上でトランザクションやスマートコントラクトの実行に必要な計算量を測る基本単位だ。

イーサリアムの各ブロックには、処理できる取引量の上限が設定されており、これを「ガス上限」という。ガス上限が上昇すると、各ブロックが処理できるトランザクション数が増加し、レイヤー1の処理能力がさらに向上する可能性がある。

現在のガス上限は、3,600万ユニットに設定されているところだ。新たに提案されている上限は6,000万ユニットであり、約1.7倍に引き上げることを目指している。

出典:gaslimit.pics

イーサリアム研究者のトニ・ヴァールシュテッター氏が作成したgaslimit.picsダッシュボードによると、5月中旬より、6,000万ユニットへの引き上げを支持するバリデータと、3,600万ユニットよりも引き下げることを支持するバリデータの双方が次第に増加傾向にあるところだ。

前回のガス上限引き上げは2025年2月に行われた。3,000万ユニットから現行の3,600万ユニットに引き上げられている。

さらにその前の2021年には、1,500万ユニットから3,000万ユニットに引き上げられていた。今回の提案については、イーサリアムのコミュニティで賛否両論を巻き起こしている。

支持派は、上限引き上げにより手数料が削減されると共に、イーサリアムのメインチェーンのトランザクション処理能力が拡大すると意見。一方で反対派は、ノードに負荷がかかり、同期やネットワークの安定性に問題が生じる可能性があると懸念しているところだ。

関連:株価一夜で5倍暴騰、米シャープリンク 600億円規模のイーサリアム財務戦略を始動

ノードへの負荷については、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が19日、それを緩和する提案を行っている。

ブテリン氏は、イーサリアムが安全性と分散性を維持しながら拡張性を向上できるようにする新ロードマップを提案。個人によるノード運用のハードルを下げることを目指すものだ。

L1ガスリミット増加に対する主な批判は、フルノードの運用を困難にするとの懸念だと指摘。

短期的には、ノードが保存する履歴データを36日分に制限する『EIP-4444』の実装や分散型履歴データ保存ソリューションを解決策として挙げた。さらに、中期的には「ステートレス検証」によりノードのストレージ必要量を約50%削減することを提案している。

関連:個人ノード運用を容易に、ヴィタリックの新たなイーサリアム拡張案とは

ステートレスとは

ブロックチェーンにおいて、ノードがすべての状態(ステート)データを保持せずに、必要な情報だけを検証する仕組みのこと。これにより、ノードの負担を軽減し、ネットワークの拡張性や運用の容易さを向上させることができる。

関連:イーサリアム将来価格2025展望 | ETF・機関投資家・開発動向の注目点

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
15:52
仮想通貨企業K33、ビットコイン財務戦略開始へ
約9億円でビットコインを購入すると述べ、仮想通貨企業K33が新財務戦略を発表。ただビットコインを保有するだけでなく事業で活用もしていくとして、今後の計画を説明している。
15:15
パキスタン政府、ビットコイン準備金設立へ 仮想通貨評議会CEOが明かす 
パキスタン政府が戦略的ビットコイン準備金を設立する予定だ。また、同国はAIや仮想通貨マイニング向けに2000MWの電力を割り当てることも計画している。
12:00
IPO発表のステーブルコイン大手Circle |USDC運営会社の戦略を徹底解説
ステーブルコインUSDCの発行元Circle社が2024年5月にIPOを発表。企業価値7200億円での上場を目指す一方、リップルから買収提案も。事業戦略から最新動向まで徹底解説します。
11:52
10万ドル台後半で揉み合うビットコイン、機関投資家のイーサリアム回帰が本格化
仮想通貨市場分析ではビットコイン高止まりが続く中、ヴァンス副大統領がビットコイン2025会議でBTC支持を表明し「国家戦略の問題」と明言した。一方イーサリアムは機関投資家の資金回帰が鮮明となり、ブラックロックが5月単月で約300億円を投資、ETH ETF最大手の地位を確立した。
10:03
米ヴァンス副大統領、3つのステップでの仮想通貨関連政策の取り組みを表明|ビットコイン2025
米国のヴァンス副大統領が「ビットコイン2025」で演説。ビットコインを戦略的重要資産と位置づけ、規制緩和・ステーブルコイン法案・主流経済統合の3ステップを発表した。
08:58
米政府がビットコインを購入する手段、AI・仮想通貨特命官が言及
米政府がビットコインを購入する手段に、トランプ政権でAI・仮想通貨特命官を務めるデビッド・サックス氏がBitcoin 2025で言及。今後の政策見通しについても語った。
05/28 水曜日
21:35
4710BTC購入 米ゲームストップ、ビットコイン財務戦略を実行
米ゲーム小売大手ゲームストップが4710BTCの仮想通貨ビットコインの購入を完了。4月の15億ドル転換社債調達資金を活用し企業財務戦略をビットコインへ転換。
14:30
利確売り圧でビットコイン調整リスク高まる=著名アナリストWilly Woo
著名アナリストWilly Woo氏がビットコイン市場の過熱感を警告した。投機とSOPR指標から利益確定圧力の高まりを分析し、弱気相場転換の可能性を指摘した。
13:50
IMF、エルサルバドルにビットコイン保有量維持を要請 追加融資も決定
国際通貨基金(IMF)がエルサルバドルとの融資審査で合意。政府が仮想通貨ビットコイン保有量を増やさないことを条件に約1億2000万ドルの追加融資を承認。
13:10
ソニー銀行、web3関連事業子会社の設立決定 秋事業開始予定
ソニー銀行がweb3関連事業を営む100%出資子会社の設立を決議。NFTや仮想通貨サービスを展開し、2025年6月設立・同年秋事業開始予定。
12:30
IPO発表、ステーブルコイン大手Circle
7200億円の評価額で ステーブルコイン大手Circle Internet Group(サークル)は5月28日、2,400万株の新規株式公開(IPO)を開始すると発表した。同社…
12:00
ビットコイン価格より割高? メタプラネット株に5倍のプレミアムがつく理由を専門家が解説
メタプラネット社の株式は現物ビットコインの5倍の価格というプレミアムで取引されている。識者がビットコイン財務戦略企業の株価高騰の背景と適正価格を分析した。
11:25
イーサリアムの処理能力強化案、賛否両論に
仮想通貨イーサリアムでガス上限を現在の倍程度に引き上げる提案の投票が行われている。この提案についてはコミュニティから賛否両論が上がっているところだ。
11:15
SBIのパートナー企業「R3」、ソラナ財団と戦略的提携
SBIグループのパートナー企業R3は、仮想通貨ソラナのソラナ財団と提携。パブリックネットワークとプライベートネットワークを結び、RWAトークン化技術を活用して、次世代の資本市場を構築する。
07:40
「BTCの資産証明発行は悪いアイデア」ストラテジー社のセイラー
仮想通貨ビットコインを大量保有するストラテジーのマイケル・セイラー会長は、同社のオンチェーン資産証明を公開することは悪いアイデアであると語った。その理由を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧