はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

機関投資家の仮想通貨市場参入を妨げている要素|世界最大級の会計事務所責任者が発言

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨分野に不足する保険
ボラティリティが高い仮想通貨分野において多くの企業が保険の欠如しており、この様な状況こそが機関投資家の参入を妨げていると指摘されているが、最先端を行く企業は保険を取得できている。今後フィデリティなど、既存金融事業者の仮想通貨カストディへの参入もポジティブな変化の兆しであると専門家は予想している。

仮想通貨分野に不足する保険

ここ数年間において、仮想通貨業界は度重なるハッキング、盗難に見舞われてきた。日本だけでも、仮想通貨取引所Mt.GOXやコインチェック、Zaifなどが被害を受け、ユーザー達に甚大な被害をもたらした。

そのような背景も仮想通貨の歴史の一部である中、海外メディアのロイターはこの新興市場において、そのようなリスクをカバーするための保険の欠如こそがファンドマネージャーなどの機関投資家の参入を妨げ、規制局に受け入れられない理由であると言及している。

世界最大級の会計事務所PwCにてアジアのフィンテック、仮想通貨部門責任者を務めるHenri Arslanian氏は、以下のようにコメントした。

多くの仮想通貨企業は、正式な保険への加入を望んでいる。そして、規制や法的な面でも、十分な保険を得ていることこそが必要最低限の基準である場合もある。

しかし、彼らの精一杯の取り組みにも関わらず、そのような十分な保険を得ることは不可能に等しいのが現状だ。

このように、仮想通貨市場において、保険の必要性が非常に高まってきているにも関わらず、多くの仮想通貨関連事業者が保険への加入に困難している。

機関投資家のニーズ

今年11月に香港の規制局である証券先物事務監察委員会(Securities & Futures Commission、SFC)は、仮想通貨取引所やプラットフォーム運営において、何らかの被害を受けたときに補償できる保険を備えることを最低条件として発表した。SFCは、その保険において、ホットウォレットの100%の額、コールドウォレットの95%の額を補償できるものが必要であると主張している。

その反面、米国の調査企業Greenwich Associatesが今年9月に公開した調査結果によると、質問に応じた機関投資家達の72%が仮想通貨の将来性を有望視し、「仮想通貨が将来的に可能性を秘めている」と回答した。

また国際的な法律事務所Ashurstのシニア弁護士を務めるHoi Tak Leung氏も以下のように述べている。

仮想通貨に興味を持つ機関投資家は様々な必要条件を有しており、信頼できるカストディとリスク管理が良い例だ。

ボラティリティが高い仮想通貨市場において、損害が出た際に十分にカバーできる保険の欠如こそが、仮想通貨投資のさらなる広がりを阻んでいる。

つまり現状、機関投資家は仮想通貨という新たな分野に興味を持っているものの、仮想通貨の高いボラティリティ、カストディ・サービスの欠如や仮想通貨に伴うイメージとの関与等といった要因とともに、仮想通貨に対する保険整備が整っていない点が機関投資家の参入を妨げていると言えるだろう。

保険を既に取得している仮想通貨関連企業も

このように、仮想通貨市場において、ハッキングや盗難に対応できる保険の欠如は、深刻であり、機関投資家の参入を妨げていることが、その一方で、複数の仮想通貨カストディサービスなどが着々と成長を遂げ、機関投資家水準を満たすようになり、十分な保険を適用することが可能になってきているのも事実である。

ブロックチェーン投資企業のKenetic Capital社の運営ディレクターを務めるTony Gravanis氏も市場で最先端を行くプレイヤー達は、既に十分な保険を得ることに成功していることを述べた。

その一例として、世界最大級の保険仲介会社Aonも今年10月にWinklevoss兄弟によって運営される仮想通貨取引所ジェミニに保険を付与している。

また、今年8月にはアメリカで認可されたカストディ機関であるKingdom Trustが、世界でも有数のイギリス保険組合ロイズに属する組織から保険契約を締結したと発表された。

Kingdom Trust社はビットコインやイーサリアム、リップルといった30種類の仮想通貨銘柄のカストディを管理する企業で、米サウスダコタ州の銀行部からカストディ機関として認可を受けている。

CoinPost関連記事

世界最大級保険組合ロイズが仮想通貨業界に進出|機関投資家の参入へ大きく前進
保険組合ロイズが参入 米国時間8月28日、仮想通貨管理サービスも提供するアメリカの認可された...

また同社の様に仮想通貨のカストディ事業を展開する企業他にもCoinbaseのように仮想通貨市場で名を馳せた新興企業や、アメリカ最大級の金融サービス・プロバイダーであるフィデリティや、長い歴史を持つボストンの金融機関ステート・ストリートなども仮想通貨カストディに参入、又は、参入を検討していることから、既存金融分野から仮想通貨市場への参入も目立ってきている。

今年5月には野村ホールディングスもLedger社やGlobal Advisors Holdings Limitedと提携して、カストディサービスの提供に向けて「Komainu」の設立を発表している。

課題とされている仮想通貨のカストディ・サービス。今後さらに多くの既存金融機関が仮想通貨カストディサービスに参入し、そのカストディにおける保険が完備されていくことで、機関投資家の参入が増えていくと予想されている。

CoinPostの関連記事

ビットコイン急落時に機関投資家が押し目買いか|世界初の証券取引所上場仮想通貨ETPで最高出来高更新
スイス規制当局認定の仮想通貨ETPは、先週下落時の二日間で出来高が200%上昇した。業界有識者は機関投資家が相場の暴落を狙い、買いに入ったのではないかと分析した。
機関投資家参入のカギとされる仮想通貨保険サービスの現状|想定カバレッジ額は6600億円超
ウォール街の機関投資家は、仮想通貨市場へ参入するに当たって、新しい資産を安全に保管する有資格のカストディアンと、ハッキングなどの盗難に対する保険サービスを必要不可欠な要件として提示している。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者8,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
17:54
HODL1が中期経営計画を策定、ETH保有300億円・営業利益11億円を2028年10月期に目指す
HODL1が中期経営計画「HODL&BUIDL 2028」を公表。2028年10月期までにETH保有額300億円・売上高20億円・営業利益11億円を目標とし、固定行使価額型新株予約権による資金調達も同日発表した。
16:59
SBI決算発表|仮想通貨事業が過去最高益、JPYSCローンチや貸金業参入など2026年のWeb3戦略を総括
SBIホールディングスの2026年3月期決算で、仮想通貨事業の収益が896億円と過去最高を記録。円建てステーブルコイン「JPYSC」の開発、仮想通貨担保による貸金業ライセンス取得の方針、USDCレンディング開始、Visaとの協業など、同グループが推進するオンチェーン金融戦略の全容をまとめた。
16:16
ビットコイン、短期保有者の損益が6カ月ぶりプラス転換 強気・弱気の分岐点か=アナリスト
クリプトクアントのアナリストが、ビットコインの短期保有者を対象とした損益指標の30日移動平均が6カ月ぶりにプラス転換したと報告。強気転換か戻り売りかの分岐点として注目を集めている。
14:30
ソラナ、量子コンピュータ対策でポスト量子署名「Falcon」の採用計画を発表
ソラナ財団は、ポスト量子暗号署名方式「Falcon」を最有力候補に選定したと発表した。主要クライアント開発チームのアンザとジャンプクリプトが独立研究で同一結論に到達し、GitHubで初期実装を公開している。高スループット環境での小さい署名サイズが採用の決め手となったという。
14:07
トム・リー率いるビットマインが24時間で6.5万ETHを取得=Lookonchain
トム・リー率いるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが24時間で約6.5万ETH(約231億円)を取得。総保有量が507万ETH超となり、長期目標として6万2,000ドルを提示した。
13:20
DatachainとProgmat、Swift連携のステーブルコイン送金システムの特許を取得
株式会社Datachainと株式会社Progmatは、国際銀行間通信協会(Swift)と連携したステーブルコイン送金システムに関する特許を取得した。既存の銀行ネットワークを活用し、AML等の規制要件を満たしつつ高速かつ低コストな国際送金を実現する仕組みである。
12:00
アニモカ・ブランズYat Siuが語る「Web4」の世界、何百億ものAIエージェントが動くインターネットの未来|Tech For Impact Summit 2026
「Web3はWeb4への基盤だった」アニモカ・ブランズ共同創業者のYat Siuが語った次世代インターネット論。AIエージェントが日常タスクをこなす時代に、所有権・真正性をオンチェーンで証明することの重要性とは。Tech For Impact Summit 2026の対談セッションをレポート。
11:30
マラソン、オハイオ州ガス発電所を約2400億円で買収 AI・HPC事業の基盤強化へ
米ビットコインマイニング大手MARAホールディングスがオハイオ州のガス発電所を15億ドルで買収する。電力・土地・水を集約したインフラでAI・HPC事業の多角化を加速する計画だ。
11:07
米国防長官、ビットコインの安保活用を認める 機密扱いの取り組みも進行中と証言
米国防長官ヘグセスが下院公聴会でビットコインを戦略的資産と認定。INDOPACOMのノード運用も明らかになり、米軍のBTC活用方針が公式確認された。
10:44
SBIホールディングス、ビットバンク子会社化に向けた資本業務提携協議へ
SBIホールディングスがビットバンクの連結子会社化を目指し、資本業務提携に向けた協議を開始。4月のビットポイント合併に続く矢継ぎ早の再編で、国内暗号資産業界の勢力図が大きく動く。IPO準備やミクシィ出資など独立路線を歩んできたビットバンクの今後に注目。
10:34
2026年4月は仮想通貨の不正流出件数が過去最高に
DefiLlamaは、2026年4月は仮想通貨の不正流出件数が過去最も多かったと報告。ケルプDAOやドリフトプロトコルなどで盗難が多かったことを他の企業や有識者も指摘している。
10:00
ポリマーケット、チェイナリシスと提携 インサイダー取引など検知強化へ
ポリマーケットがチェイナリシスと提携し、インサイダー取引検知を目的としたオンチェーン市場監視システムを導入。予測市場のコンプライアンス強化に向けた新たな業界標準の確立を目指す。
09:34
4月のビットコイン上昇は投機が牽引、現物需要縮小で下落リスク=クリプトクアント週次分析
クリプトクアントのビットコイン市場週間レポートによると、4月のBTC上昇は先物主導で現物需要は縮小していた。これは2022年の弱気相場に先行していたパターンである。
08:45
日本暗号資産ビジネス協会、ステーキング運営指針を策定=日経報道
日本経済新聞は、日本暗号資産ビジネス協会が仮想通貨のステーキング事業者向け運営指針を策定したと報じた。政府による金融商品取引法の改正や、日本取引所グループ(JPX)による仮想通貨ETF上場検討など、国内市場の法整備の動向である。
07:50
ワサビ・プロトコルから約7.8億円が不正流出か
仮想通貨トレーディングプロトコルのワサビ・プロトコルで不正流出が発覚。約7.8億円が流出したとみられ、イーサリアムなど複数チェーンに影響している模様だ。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧