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イーサリアム共同創設者ブテリン「ステーキングメカニズムには大規模な刷新が必要」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーキングの集中化に懸念

暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、イーサリアム財団がトルコで開催したDevconnectで、「ステーキングを再設計し、パフォーマンスに影響を与える問題を解決する計画」について言及した。

ブテリン氏は、ステーキングでノードが集中化されている状況は「健全ではない」と指摘。しかし、このような状況は、問題を軽減するステーキングシステムを再設計するチャンスであり、同時に効率性と分散化の向上を目指す意向を明らかにした。

同氏は、 リキッドステーキングの最大手プロトコルLido FinanceやRocket Poolなどで、ノードの集中化が加速している現状について懸念を表明。少数の事業体が大規模なコントロールを掌握することは、ネットワークにとってリスクとなる可能性がある。

この問題はネットワークを支える分散化の原則にも影響するため、ブテリン氏はリキッドステーキングのイーサリアムへの統合も視野に入れていると述べた。

リキッドステーキング

仮想通貨のステーキング金利を受け取りながら、その代替資産(ステーキング証明トークン)を運用できるDeFi(分散型金融)の仕組み。リキッドステーキングでは、従来ならロックアップされてきた資産の流動性(Liquidity)を解放できる利点がある。最大のサービスプロバイダーLido Financeでは、ETHをステークして債権トークンstETHを受け取り、レンディングの担保としたりDEX(分散型取引所)等で運用できる。

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スケーリング問題

ブテリン氏はネットワークのスケーリングに関しては、一般的にオフチェーンデータを活用するアプローチに「振り子が戻った」状態だと述べた。

その理由としては、短中期的には需要が非常に高いため、メインネットのデータ容量が追いつかない状況であることが一つ。また、オフチェーンのセキュリティレベルは想定していたより高かったことによると指摘。2017年にジョセフ・プーン氏とブテリン氏により共同発明されたスケーリングソリューション「Plasma」が持つ可能性がそのいい例だと述べた。

関連:イーサリアムの送金遅延問題の解決案「Plasma」について

Plasmaを実用化する試みとして、2018年には、さまざまなPlasma CashなどをはじめとするPlasmaを実用化する試みがなされたが、大きな進展はなかったようだ。

しかし、ZK-SNARK(ゼロ知識証明)を用いることで、Plasmaの課題であった「出口ゲーム」がよりシンプルに解決される見込みが出てきたととブテリン氏。EVMなど複雑なシステムとの互換性も高まるようだ。

また、イーサリアムの次期アップグレード「Dencun」について言及し、その中で最も大きな変更となるEIP-4844「プロト・ダンクシャーディング(Proto-Danksharding)」の重要性を強調した。このアップグレードが完了するとデータマップスペースがスロットあたり16メガバイトまで拡張される予定で、ネットワークにとって大きな進展となる。

関連:イーサリアムの次期アップグレード「Dencun」、重要性とメリットとは?

その他の計画

さらにブテリン氏は、ビットコインとカルダノで使用されているUTXO(Unspent Transaction Output)支払いモデルに言及。同様の機能をイーサリアムに統合するアイディアを披露すると、カルダノの創設者チャールズ・ホスキンソン氏は、Xで「イーサリアム3が全てを解決してくれるだろう」と、皮肉まじりにコメントした。

ブテリン氏は、その他に実行予定の計画として、ネットワークにセキュリティとプライバシーをもたらすプライベートmempoolや、ERC-4337の統合についても触れた。

ERC-4337 は「アカウントの抽象化」に関連しており、ユーザーは、自分のアカウントをより高度に制御できるようになり、安全性が高まることが期待されている。

関連:Visaのイーサリアム実験報告書、「アカウント抽象化」による取引機能を探求

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