- ビットコイン(BTC)市況
- ドル円、米国株急騰の影響で下げ足を強めた仮想通貨ビットコインチャート。軟調な展開続くリップルやイーサリアムのアルトコイン情勢では、検索ボリューム推移考察から一般投資家の関心指数が露わに。
ビットコイン(BTC)市況
米中貿易摩擦の緩和が示唆されたことで、警戒感が後退した国際金融市場。105円を割り込む寸前まで急落していた為替市場にて、対中関税一部延期報道により、ドル円がショートカバーを伴い急騰。105.2円から一時107円目前まで大幅上昇。ポジティブサプライズとなったことで米国株も急伸した。
また、米トランプ政権は、中国からの輸入品に対する「10%の追加関税」について、一部品目への発動を12月15日まで延期すると発表した。年末商戦に向けて米国民への経済的影響も計り知れず、翌2020年に大統領選を控える中、これを配慮した格好だ。
為替市場が急騰したのとほぼ同時刻、ローソク足的にも分の悪かったビットコイン(BTC)がサポートを割り込み、再び大幅続落した。大幅下落していた株式市場の短期底打ち観測をみた投機筋を中心に、避難資金の巻き戻しが発生した可能性も指摘されている。
ビットコイン(BTC)ドミナンスは70%を超えており、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)など、メジャーアルトへの資金流入は一向に見えない。
興味指数の低下が顕著
一般投資家の興味指数を示す「Google Trends」の国内データによれば、今年3月末に40万円台を推移していた低迷期に検索ボリューム「7」だったビットコイン(BTC)は、150万円近くまで高騰した3ヶ月後の6月末時点で検索ボリューム「30」と4.3倍を記録している。
これに対し、リップル(XRP)は、5月上旬に一時的にアルトコインの盛り上がったタイミングで2倍の検索ボリューム「10」まで上昇するも、同6月末にかけて価格を下落させるに伴い、再び検索ボリューム「5」まで半減している。さらに、約1ヶ月でビットコイン(BTC)の検索ボリュームが「30」→「12」まで低下した8月以降は、リップル(XRP)の検索ボリュームも「3」以下まで激減した。
なお、1XRP=400円を記録した最盛期の2017年末〜2018年1月の指標では、ビットコイン(BTC)が「100」リップル(XRP)が「34」となっており、日本市場での関心が大幅に薄れている現状が指数化されている。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
ビットコイン(BTC)は14日10:30時点で113万円台まで下落した。国際金融市場の急反発もあり、4h雲下限と118万円を下抜けたことで下げ足を強めた。短期下落トレンドが明白になり、厳しい状況にある。
反転するとしても中途半端な位置だと買いが続かない可能性が高く、巨大ペナント下限(①)でもある10,000ドル付近(107〜109万円)まで一旦落ちる方が自然か。大口の意向や相場のモメンタム強弱次第だが、この辺りを一巡目に貫通する事は考えにくい。ここを割り込んだ場合は、直近最安値である9,000ドルに向けて続落することになり、支え切れずに8,000〜8,500ドル以下まで転落する可能性も視野に入れる必要がある。
一方、相場の過熱感を示す4hRSIが30を切る水準まで低下(③)しており、過去のチャートでは、いずれも6月上旬、7月中旬の”短期底”に位置している(赤丸)ことから、売り・買いのターンが再び変わるタイミングはそう遠くないかもしれない。
いずれにしても好ファンダの後押しが必須な情勢ではあるが、上昇する場合やはり②付近が強いレジスタンスとなるだろう。反落ポイントであるが、今後この辺りを明確に上抜けることができれば、市場のセンチメントを含めステージが一変する可能性はある。
懸念すべきは、厳格化されたレバレッジ(証拠金倍率)規制などに伴う出来高の減少(青囲い箇所)で、これが一時的なものでなく長期化する場合は、仮想通貨取引所運営企業の業績や経営体力を鑑みても軽視できない。
仮想通貨交換業社BITPointで先日発覚した、30億円相当の仮想通貨不正流出事件を機に、再び新規キャンペーンなどの自粛ムードが台頭する中、国内における仮想通貨関連企業の減衰を招けば、すでに世界に後塵を拝しつつあるフィンテック・キャッシュレス業界の発展も大きく後退しかねない。
仮想通貨バブルと揶揄された2年前と比較して、各国の上場企業も続々と参入しており、研究・開発やユースケースを含め、着実に進化しつつある仮想通貨業界であるが、先述した「Google Trends」における世間の関心低下が、昨今の仮想通貨市場の現状を如実に物語っている。GDP(国内総生産)が長年低迷する中、監督官庁および日本政府には、より実態に促した「イノベーションの発展と規制のバランス」が求められる。