はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

【仮想通貨の税金解説:第1回】仮想通貨トレーダーのための確定申告入門

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

税理士の柳澤賢仁氏による仮想通貨の税金解説記事の連載がスタート
今回は「仮想通貨トレーダーのための確定申告入門編」をお届け致します。連載は「第2回 仮想通貨マイナーのための確定申告入門」「第3回 もしも税務調査が入ったら……」までの3つを予定しております。
仮想通貨トレーダーの確定申告
法定通貨と売買しても仮想通貨同士で交換しても納税義務があります。
自分でできる確定申告
国税庁ウェブサイトの『所得税(確定申告書等作成コーナー)』で自分で確定申告できます。

こんにちは、税理士の柳澤賢仁です。

柳澤 賢仁

柳澤国際税務会計事務所 代表

株式会社柳澤総合研究所 代表

税理士

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程を修了後、アーサー・アンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て、2004年に独立。

セカンドライフのリンデンドル時代からバーチャルコイン(いまでいうクリプトカレンシー)の会計・税務処理を経験。

仮想通貨のほか、成功起業家の事例など、有益な情報満載の無料メルマガのご登録はこちら↓からどうぞ!

https://www.yanagisawa-accounting.com/vk/fmm/

今でこそ国税庁がインターネット上で「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」や「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」といったアナウンスを出し、ある程度その取り扱いが明確になってきましたが、仮想通貨全体の市場規模が急激に伸び、50兆円を超えた今年は、「税金をどうしたらいいのか?」と悩まれている方が多いのではないかと思います。

例えば、

  • 「仮想通貨のトレードで利益が出ているけど確定申告をしないといけないの?」
  • 「仮想通貨を買いっ放しの人も税金がかかるの?」
  • 「マイニングで利益が出ているけど確定申告をしないといけないの?」
  • 「確定申告をしたことがないけどどうしたらいいの?」
  • 「確定申告をしないとどうなるの?」

といった疑問はないでしょうか?

もしそういった疑問やお悩みがあれば、ぜひこの連載を読んでいただければと思います。

この連載では、「仮想通貨の税金」をテーマに、下記の予定で連載していきます。

  • 第1回 仮想通貨トレーダーのための確定申告入門
  • 第2回 仮想通貨マイナーのための確定申告入門
  • 第3回 もしも税務調査が入ったら……

仮想通貨トレーダーのための確定申告入門

第1回の今日は、国税庁が発表した「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」という資料を元に、日本に住んでいる個人の方向け(所得税法上の「居住者」向け)に、確定申告の仕方を説明していきます。

では早速、国税庁による「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」を見ていきましょう。

【国税庁】課仮想通貨に関する所得の計算方法等について

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/171127/01.pdf

この中で、仮想通貨を単純に「売買(交換も含みます)」している方(いわゆる「トレーダー」の方)に参考になるのは、下記あたりでしょうか。

  1. 仮想通貨の売却
  2. 仮想通貨と仮想通貨の交換
  3. 仮想通貨の取得価額
  4. 仮想通貨の分裂(分岐)
  5. 仮想通貨に関する所得の所得区分

要するに、購入した仮想通貨を売っても交換しても、利益が出ていれば課税となり、確定申告をする必要があります。(上記「1 仮想通貨の売却」「3 仮想通貨と仮想通貨の交換」を参照。)

ただ、下記にもあるように、給与所得者(サラリーマン)の方で、「給与所得の収入金額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません」ので、給与以外の収入は仮想通貨の売買だけで、かつ、20万円以下の利益の方は確定申告をしなくても済みます

参考:【国税庁】給与所得者で確定申告が必要な人

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1900.htm

でも、今年は仮想通貨全般に価格が高騰しましたので、20万円以上儲かっちゃった人がほとんどですよね。

そういった方は、ほとんどの場合、来年2月から3月に、確定申告が必要になると思います。

かなり儲かった人は、税理士に頼むとミスが減ると思うのですが、自力で確定申告をしたい場合、私がオススメしているのは、国税庁のウェブサイトにある『所得税(確定申告書等作成コーナー)』というページを活用することです。

【国税庁】所得税(確定申告書等作成コーナー)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/kakutei.htm

これは非常にすぐれたシステムで、だれでもかんたんに確定申告書を作ることが出来ます。(調べてみると、某有名ITベンダーが国から10億円くらい予算をもらって開発したシステムなんですね、これ。)

どうしても自力でやりたい方は、上記『所得税(確定申告書等作成コーナー)』でやってみて、もしムリなら税理士にお金を払ってやってもらうというのがいいのかもしれません。

仮想通貨に関する所得の計算方法等

個人的に一番大変だと思うのは、さきほどの「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」の「4 仮想通貨の取得価額」に記載されている取得価額の計算です。

ここに、「同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合の当該仮想通貨の取得価額の算定方法としては、移動平均法を用いるのが相当です(ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません)。」と書かれていますよね。

かんたんに説明すると、移動平均法というのは、「その仮想通貨を買うたびに、その時点のその仮想通貨の購入価格の平均値を出す」ということです。

そして、次のステップで売却したら、その売却単価と先ほどの購入価額の平均値の差額が「実現益」として計算されます。

総平均法というのは、昨年から持っていたその仮想通貨の総額と今年買った総額を足して量で割り算することで、取得原価を求める方法なのですが、どちらかというと総平均法のほうがラクだと思います。(だって、ひんぱんに売買していたら移動平均法なんてまずムリですよね。)

理屈としては、下記の図のようになるはずです。

例)年末に以下の7種類の仮想通貨を持っていた場合(今年仮想通貨投資を始めた人の場合)

なんとか取得価額が計算できたとして、最後にその仮想通貨を買ったときの取得価額をベースに、12月31日時点のその仮想通貨の評価額から、まず「含み益」を計算します。

上記の例で言えば、手持ちの仮想通貨のすべてが年末に100万円分だとして、もともと70万円の日本円での投資が、年末に10倍、総額で700万円になっているということになります。

各仮想通貨の含み益が計算できれば、全体の評価額700万円から各仮想通貨の含み益と当初投資金額を差し引くことで、譲渡益がいくらなのか把握できるはずです。

ここまでくればあとはかんたん。

上記国税庁の『所得税(確定申告書等作成コーナー)』で確定申告書を作成してみてください。

より詳しい説明がほしい方は、今年の確定申告時に出した拙著『副業を始めた人・会社以外に収入がある人のための自分でできる確定申告と節税の仕方』(電子書籍)を読みながら、『所得税(確定申告書等作成コーナー)』で確定申告書を作成してみてください。

上記電子書籍では、順を追って『所得税(確定申告書等作成コーナー)』で確定申告書を作成する方法を書いているので、ご自身で確定申告できると思います。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧