- CFTC前長官がデジタル通貨の発行を提唱
- 米商品先物取引委員会(CFTC)の前委員長は、米ドルの地位が新たなデジタル通貨の誕生で失墜する可能性があると憂慮。対策案として、ブロックチェーン利用のデジタルUSDの発行を提唱した。
CFTC前長官がデジタル通貨の発行を提唱
米商品先物取引委員会(CFTC)の前委員長であるJ. Christopher Giancarlo氏は、現在の米ドルの地位が将来危うくなる可能性に言及。解決案としてデジタル通貨の発行を提案した。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
Giancarlo氏の話によれば、中国のデジタル通貨発行計画やフェイスブックが主導するプロジェクト「リブラ」の台頭など、新たな通貨システム誕生の可能性を受け米ドルが現在の地位から転落する可能性があると説明。金融業界に様々な変遷が起きようと米ドルの現状を憂慮した。
第二次世界大戦を経て、世界の主軸通貨がポンドから米ドルへと移行したが、こうした事例を考慮すれば、現在の米ドルの地位が他の通貨に譲渡されることは不思議ではないと説明、仮に米ドルの地位が失墜した場合、アメリカ経済に大きな打撃となると語っている。
そうした事態を防止するためGiancarlo氏が提唱するのが、ブロックチェーン技術を用いたデジタル通貨(デジタル米ドル)の発行だ。その具体的なシステムについては以下のように記述されている。
そのブロックチェーンは政府により認可されたプロトコルを利用し、開発及びシステムの維持は、銀行やその他信頼された決済企業により構成された民間グループが行う。
現金がブロックチェーン上で換金された場合、その現金は連邦準備銀行により管理された特別なエスクローアカウントに預けられる。
このシステムを導入した場合、信頼され規制された仲介者によりネットワークが維持される一方で、分散型台帳技術を利用した決済にかかる処理速度やアクセスの容易さ、透明性の向上が期待されるという。
また、この電子化された米ドルは、世界金融での存在感がさらに増すことに繋がるとして、達成することで世界に新たなデジタル時代が到来するだろうと発言した。
最後にGiancarlo氏は、米政府が月への有人宇宙飛行計画を成功させた事例に触れつつ、さらなる自由・繁栄のために世界経済に変革をもたらすという高い志が必要だと訴えた。