仮想通貨業界のユニコーン企業
世界の仮想通貨・ブロックチェーン業界には、11社のユニコーン企業が存在していることが分かった。
評価額が10億ドル(約1090億円)以上の企業を示すユニコーン企業にランクインした業界の11社には、仮想通貨取引所のバイナンスとコインベース、また米リップル社らが名を連ねる。
中国のリサーチ企業Hurun社は21日、世界のユニコーン企業のリストの2019年版を発表した。2000年代に設立された評価額10億ドル以上のITスタートアップで、未上場企業のランク付けも行なった。
Hurun社は、24カ国118都市に存在する494のユニコーン企業を調査。地域別に見ると、中国が1番多く206社、続いて米国が203社、欧州が35社となるという。中国と米国を合わせると、世界のユニコーン企業の8割超を占める一方で、日本の企業は極めて少ない。
仮想通貨業界で企業別のランク付けを見ると、仮想通貨マイニング最大手Bitmain社がトップで、その評価額は120億ドルだ。同じ中国企業でライバルのCanaanとEbangもリストアップされており、評価額は順に30億ドルと15億ドルとなっている。
その他の仮想通貨関連企業は、上述したバイナンス、コインベース、リップル社以外に、米仮想通貨決済企業のCircle、仮想通貨EOSの発行企業米Block.one、非中央集権クラウドサービス企業Dfinity、ブロックチェーン企業Bitfury、日本で仮想通貨取引所のサービスも展開するLiquid Globalがリスト入りした。
数値の根拠
上記リストによると、リップル社の評価額は50億ドル、Circleは30億ドルとなっている。しかし民間市場では、両社とも評価額が10億ドル以上とみなさない見解もあった。ベンチャーキャピタリストで作家のBrent Beshore氏がSNSに投稿した株式のオファーでは、現在Circle社の株は最大8割引で提供されているという。一方リップル社の株は最大5000万ドル(約54億円)の価値で売られている。
I try to avoid the noise around anecdotal market sentiment, but this unsolicited inbound secondaries offer was too good not to share. Everything is being offered at or below the last mark.
— Brent Beshore (@BrentBeshore) October 21, 2019
If this is anywhere close to reality, things might get dicey. pic.twitter.com/no2GLYHidX
今週初めリップル社CEOのBrad Garlinghouse氏自身がメディアのインタビューで、銀行にある現金の額を根拠に、リップル社の評価額は3億500万ドル(約331億円)であることを示唆した。またHurun社のリストは6月30日時点の評価額を元に作成されていることにも留意したい。
今回リストアップされたユニコーン企業の評価額の平均は34億ドルで、全494企業の合計は1.7兆ドル(約185兆円)だった。
上記リストの11社以外にも、ブロックチェーン業界にはユニコーン企業がありそうだ。今回の発表の後、米大手仮想通貨取引所クラーケンの担当者はThe Blockに対し、クラーケンの評価額は40億ドルだと説明。大手仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXも10億ドル以上の評価額があると指摘する声がある。
世界の投資リーダーSequoia社
Hurun社のリストによると、ユニコーン企業への投資に関して世界で最も成功しているのは圧倒的にSequoia社だ。5社に1社の割合で投資を行なっており、その勢いはソフトバンク、テンセント、Tiger、IDG、ゴールドマンサックス、アリババをも凌ぐ。Hurun社のレポート責任者でチーフリサーチャーのRupert Hoogewerf氏は「ユニコーン企業は見つけるのが難しいと思われているが、Sequoia社やソフトバンクやテンセントといった投資企業は、それを簡単にこなす」と語っている。
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