アメリカ人2700万人がビットコインを保有
2008年10月31日にビットコイン(BTC)のホワイトペーパーがサトシ・ナカモトによって提出されてから11周年。これを機に米取引所コインベースは、レポートを発表した。
11年の歴史を振り返り、現在の状況について、様々な具体的数字や事例を用いながら分析している。
BTCの急速な普及について、主なポイントを紹介する。
アメリカ人全体の9%がBTC保有
今や、ビットコインのユーザー数は米国で推定2,700万人に達し、アメリカ人全体の約9%を占めているという。この速度は他の革新的な技術と比べても、極めて迅速であるとした。
例えば、電子メールは1972年に発明されたが、利用者が1,000万人を超えるには、25年後の1997年までかかった。また、テレビは1927年に発明されたものの、約20年後の1940年代末になっても、アメリカの世帯のうち2%しか保有していなかったといった事例である。
だがビットコインは、2008年に誕生し、2009年に最初の取引が行われてから、約10年後の2019年、アメリカで約2700万人のユーザーを持つに至っている。
2019年9月24日には、世界中で820,000を超えるユニーク・アドレスがネットワーク上で使われている。
世界的な関心の高まり
Googleトレンドによれば、ビットコインへの関心は世界中に広がっているという。
2009年には、オーストリアが最も高い相対関心度を持ち、その後カザフスタン(2010年)、エストニア(2011年)、フィンランド(2012年)、ガーナ(2015年)、ナイジェリア(2016年)、南アフリカ(2017年)が続いた。
エストニアは世界的にもブロックチェーン先進国として有名であり、700社を超えるブロックチェーン企業が集結している。
2014年に開始された「e-Residency(電子居住権)」プログラムは、世界中のどこにいてもエストニア国民や居住者が電子政府システムの一部を利用することを可能にした。同国での銀行口座開設や、法人設立もオンラインで可能とする革新的な試みとして知られている。
フィンランドは、ブロックチェーン会議Blockshow-ヨーロッパ2018で、ブロックチェーンについての環境が整備されているヨーロッパの国8位にランクインしている。同国では仮想通貨は付加価値税の対象外となっている。また、ナイジェリアをはじめとするアフリカ諸国では、政治への不信から自国通貨の方が仮想通貨より価格変動が大きく、代替通貨として仮想通貨に注目が集っている。
ナイジェリアでは外貨の調達も制限されているため、ブラックマーケットで外貨を入手するコストを回避するための手段ともなる。
同国では、近年P2Pでビットコインを入手できるプラットフォームの成長が著しい。人口が12億人を超えるアフリカは、今後仮想通貨にとって巨大なマーケットとなりうるポテンシャルがある。
また、近年政治的・経済的に変動のあった香港やアルゼンチン、ベネズエラでも、ビットコインの取引高が急上昇しプレミアム(他国との価格乖離)が発生、ペソ、香港ドル、ベネズエラのボリバルによるBTC取引高は合計6億ドル(約652億円)を超えた。
アルゼンチンとベネズエラ経済は、インフレ、汚職、資本規制に悩まされており、経済自由指数で常に第1位にランクされている香港は現在、大規模デモの影響で政治的機能不全が発生。緊張の高まりに伴いBTC出来高も急増している。
関連:ビットコイン(BTC)反騰要因に「アルゼンチン・プレミアム」イーサリアム市場も影響か
リターンはナスダックインデックスに優れる
今年、ビットコインは世界の様々な株式市場インデックスを上回り、+132%のリターンを生み出した。比較すると、ナスダック100は+17%、S&P500は+ 12%、FTSEヨーロッパ100は+11%、FTSE ASEANは40は-3%であった。
参考:Coinbase