CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨リブラのホワイトペーパーに重大変更、年間数十億ドルの金利付与条項を削除

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リブラのホワイトペーパーに重大な変更か

フェイスブック社が主体となって進めている仮想通貨リブラのホワイトペーパー(事業計画書)に幾つかの変更がなされていることが指摘された。特に、巨額なインセンティブ設計の項目が削除されている。

リブラ協会に参加するには、企業は最低限で1000万ドルを出資する必要がある。変更前のインセンティブ設計だと、「インベストメント・トークン」が付与され、今後数年間で年間数十億の収益が得られる試算であった。

名門ジョージタウン大学法学部教授のChris Brummer氏が変更前後のホワイトペーパーの変更点を比較したところ、幾つかの重要な変更点があったという。

まず変更されたのはリブラ協会の創設メンバー企業の項目で、すでに脱退したVisaやマスターカードといった企業がホワイトペーパーから削除されている。

そして、特に大きな変更があったのはリブラの裏付け資産に関する項目であり、変更前では、資産による収益はシステムの維持と手数料を低く抑えるために使用される、という文に続き、「エコシステムの活性化のために資本を提供した投資家には配当を支払う」とあった。

変更後では「配当付与」に関する内容が削除されている。

本来、リブラ協会は安定する複数の法定通貨を裏付け資産としたリブラステーブルコインと、出資企業のみに「インベストメント・トークン」の2つのものを発行する計画だった。変更後、「インベストメント・トークン」というワードもなくなった模様だ。

方針ゆらぐリブラプロジェクト

Brummer氏によると、今回の変更で収益性を無くすことにより、ステーブルコインリブラの有価証券問題を解決する狙いと、リブラのユーザーと協会加盟企業の利益相反を解決する目的の二つが考えられる。

裏付け資産による収益を出資企業が得られる構造では、「ハイリスク・ハイリターン」の投機を行う傾向になりやすく、リブラの価値安定性もプロジェクト全体の信頼性も損なう可能性があるため、リブラ協会は方針転換に動いたと見られる。リブラが発表されて以来、有価証券などの潜在的問題は米SECなどの規制当局に指摘されていた。

しかし、リブラ協会のインセンティブ設計がなくなれば、出資する企業は参入しなくなることになり得る。

Libra:ホワイトペーパー(変更前)

Libra:ホワイトペーパー(変更後)

参考:Coindesk報道

CoinPostの注目記事

米財務長官「5年以内デジタルドルの発行は不要」 仮想通貨リブラは規制遵守を前提に容認
米財務長官は連銀議長との議論の末、5年以内にデジタル通貨を発行する必要がないという結論に至った。一方でフェイスブック社主導のリブラについては、規制の遵守を前提に容認する姿勢を示した。
米PayPal社CEOが語る「仮想通貨リブラプロジェクト脱退の理由」 ビットコイン(BTC)の保有も明かす
米決済大手PayPal社CEOが、米フェイスブック社主導の仮想通貨リブラプロジェクトへの参加を見送った理由を語った。仮想通貨ではBTCの保有を明かした。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/29 月曜日
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア