CoinPostで今最も読まれています

『仮想通貨でモノを売買』eコマースプラットフォーム「和らしべ」誕生

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨で支払いができるフリマが登場

仮想通貨で商品を購入できるサービスが日本で登場した。

フリマや商品の代理購入マッチングサービスを提供する「和らしべ」は、取引で暗号資産を支払い手段として利用することができる。

現在はテストネット(お試し版)が公開されており、本番環境へ移行後、商品の購入者はイーサリアムのほか、ALIS、ARUK(アルクコイン)といった日本発の仮想通貨を商品の購入の決済手段として使うことが可能だ。

和らしべリリースの背景としては、以下のように述べている。

暗号資産を法定通貨に換金するには高い手数料がかかり、主要取引所に未上場の通貨は換金が困難なためプロジェクトを支持するコミュニティの繁栄とは裏腹に使い道がない通貨がほとんどです。古来よりモノをプロとして売買する巨大な古物商業界と連携し様々な暗号資産で直接モノが売買可能な新しいEコマースの形を創ります。

暗号資産古物商協会の設立

2019年10月28日には、「暗号資産(仮想通貨)は投機目的の売買が多く、日常決済にはほとんど利用されていない状況」を改善することを目指し「暗号資産古物商協会」が設立された。

古物市場を通じてトークンに新たな利用手段が生まれることで、仮想通貨の流動性や価値向上につながることが期待されており、同年9月には、警察庁から「合法である」と公式見解を得ている。

暗号資産古物商協会監事の岡部典孝(@noritaka_okabe)氏は、この点についてコインポストの取材に応じ、以下のように言及していた。

スタートアップが仮想通貨を発行しても、仮想通貨交換業登録を行うのは非常に困難です。 仮想通貨交換業者が仮想通貨を取扱うIEOも、国内ではある程度ハードルが高いと考えられています。

その為、(日本にある有望な)多くのブロックチェーンスタートアップが海外に流出している現状があります。 規制が極めて厳しい仮想通貨交換業の枠内でイノベーションを起こすことは困難だと考えていますが、暗号資産古物営業の枠内でイノベーションを起こるであろうと確信しています。

例えば、多通貨オークションという新しいオークションの仕組みを使えば、一般の方が不要な物を売却する際に、円で受け取るかお好みの仮想通貨で受け取るかを選択できるようになります。

和らしべのサービス内容

「和らしべ」ではフリマや商品の代理購入マッチングサービスを含め、以下の4つのサービスを提供する。

1. 代理購入マッチング

仮想通貨を手に入れたい人と商品を購入したい人を結びつけるサービス。商品が欲しい人はAmazonのほしい物リストを登録し、商品を買ってくれた人に仮想通貨を送金することで、仮想通貨を法定通貨に変えずに商品を手に入れることができる。

以下がテストネットでの実際の商品一覧ページだ。

2. フリーマーケット

フリマ機能では、従来のフリマサービスと同じく、個人間でいらなくなった物を取引することができるが、その違いは支払いが仮想通貨で可能な点にある。

3. 多通貨オークション

暗号資産古物商のみが参加できるサービスだが、ここではオークションで複数の通貨で入札が行われ、出品者は通貨を選んで取引を成立させることができるという特徴を持つ。出品者は自分の利益を最大化する行動を取るので、通貨間の交換レートが形成されていくことが想定されている。

暗号資産古物商とは、一般の古物商が現金と中古品を取引するのに対し、暗号資産とものを取引することをさす。

4. 不用品一括買取

引越しなどで不用品を暗号資産支払いで一括査定してもらえるサービスとなる。

安全性を保つ対策とは

和らしべは顧客の資産を預からず、直接個人間で取引する場を設けることで、預かり資産の盗難などのリスクを回避している。また、「わらしべエクスロー」を導入することにより、商品の購入者がお金を騙し取られることを防ぐ仕組みを導入している。

エクスローとは取引の間に第三者が入り、売り手が商品を届けるまで買い手が支払った代金を預かり、取引が正常に行われたことが確かめられたのちに、売り手に購入者が支払った代金を渡す仕組みだ。代金だけ受け取り、商品を届けないといった売り手側の詐欺行為を防ぐことができる。

わざと商品キャンセルして返金処理せず、迷惑行為をしたケース。調停を運営に依頼し返金処理を行う例

商品到着後に送金しない迷惑行為のケース。調停依頼をすると運営がロックアップ解除しリリースする例

また、自己主権型アイディンティティ(SSI)という技術を導入し、信用の高いユーザーを可視化する試みを行なっている。

和らしべ運営にインタビュー

サービスについて、わらしべの「井元秀彰 CEO(@datushachikujin)」が、コインポストの取材に快く応じてくれたのでここに掲載する。

ー「和らしべ」というネーミングの由来は

わらしべ長者からネーミングを取りました。

私達が開発している暗号資産と物を売買するプラットフォームは法定通貨ではない通貨の様なトークンと商品を交換します。古来よりある物々交換を想起させ、約70年続く古物商営業法に基づく古物商をアップデートする想いを込めています。

またWARASHIBEをローマ字表記しますとWar Ash I Be(戦争で灰になる)と意味があり、世界的に多くのブロックチェーンスタートアップが活躍している中、日本のブロックチェーンスタートアップ及び仮想通貨交換所の事業者は厳しい規制によって苦しんでいます。まさに通貨戦争で灰になる可能性がある日本を少しでも救う事ができればと想い名付けました。

ー取り扱い通貨は3種類のみか

取扱通貨はETH、ALIS、ARUKの3通貨を取り扱う事を当面考えています。 今後の取扱基準に関しては暗号資産古物商協会と相談し基準作成に貢献していく予定です。

ーアルクコインと和らしべとの親和性について

親和性に関しては、ユーザーの行動に対して価値を与えるプロダクトのトークンは親和性は高いと考えています。ユーザーの行動価値がトークンに変わり、そのトークンでお米や水が買える世界があると法定通貨だけに依存しない世界が創れるのではないかと考えています。

ーワラシベエスクローについて

技術的にはイーサリアムのスマートコントラクトです。

コントラクトオーナーが手数料を自由に設定してETHと複数のERC20トークンで同時にエスクローが可能なスマートコントラクトになります。

フローはバイヤーが商品購入前に代金をロックアップしてセラーから商品が到着したらロックアップを解除してセラーに代金をリリースします。バイヤーは一度ロックアップした資金を自分に返金はできません。

基本的に第三者のエスクローエージェント(和らしべ運営)にバイヤーとセラーの取引の間に入る権限も資金を移動する権限もありません。

取引中二者のどちらかが調停を依頼するトランザクションをスマートコントラクトで実行した場合のみロックアップを解除して資金のリリースまたは返金のみ可能な権限が調停者(運営)に付与されます。リリースまたは返金を通してバイヤーとセラーの二つのアドレスのみに資金移動が可能で調停者(運営)自身のアドレスに資金を移すことはできません。セラーはバイヤーにいつでも返金可能です。

ダブルデポジットエスクローで第三者が調停しない方式も考えましたが完全二者間のエスクローでは不正リスクが完全に取り除けない。責任の所在になる運営が第三者エスクローエージェントとして間に入るのが既存の技術で最適解だと判断しました。

またテストネットで稼働しているスマートコントラクトは、まだベータ版でメインネットに向けてこれから改善や検証などを重ねていきます。

ーAmazonのほしい物リストを介して取引する「代理購入マッチング」とは

商品が欲しい人(セラー)が和らしべに欲しい物リストのURLを登録します。すると商品一覧に欲しい物リストが反映されますので商品と交換する暗号資産(複数設定可能)とレートを設定します。

暗号資産が欲しい人(バイヤー)は商品一覧から欲しい暗号資産と交換出来る商品を探し購入申請をします。その後はチャットでのユーザー同士のやり取りや暗号資産ロックアップを行います。バイヤーは購入した証拠である追跡番号と注文画像を添付し申請。

その後商品が到着しましたらセラーはバイヤーへロックアップを解除しリリースする流れになります。不正が起きた際は上記で説明していますので割愛します。

ー流動性を高めるための取り組みは

まずは、開発費や会社設立費用などを賄う為にクラウドファンディングを行う予定です。

私達のプラットフォームは手数料を5%頂き、手数料はETHもしくは和らしべ内で使用できる和らしべポイント(WP)になります。初期のWPは法定通貨で購入し手数料として使用する事のみになります。また将来的に取扱トークンを増やす事や多通貨オークション機能や代理購入機能を使用した企画でユーザー数、取引量の増加を目指します。

ー正式版はいつ公開予定で、どのような機能が追加されるのか

正式版は、2020年春〜夏頃をリリース予定にしています。

現在テストネットで公開している機能は代理購入機能のみとなります。 今後はフリーマーケット機能、多通貨オークション機能、一括買取機能を追加していく予定です。

「和らしべ」テストネットの使い方:https://testnet.warashibe.market/

クラウドファンディングで支援受付

「和らしべ」は、法人設立と本格事業拡大に向けた資金調達の一環として、クラウドファンディングを利用した支援者(パトロン)募集を開始した。

支援額に応じて、クーポンとして「ワラシベポイント(WP)」が付与されるほか、古物商許可証取得からビジネス構築の実践方法、和らしべプラットフォームを活用したビジネスの拡大方法までをレクチャーする暗号資産古物商講習会の参加権などが用意される。

目標調達額は150万円。募集期間は2020年1月31日までとなっている。

▶️クラウドファンディングページはこちら

暗号資産を法定通貨に換金するには高い手数料がかかり、主要取引所に未上場の通貨は換金が困難なためプロジェクトを支持するコミュニティの繁栄とは裏腹に使い道がない通貨がほとんどです。古来よりモノをプロとして売買する巨大な古物商業界と連携し様々な暗号資産で直接モノが売買可能な新しいEコマースの形を創ります。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。
14:00
「ビットコイン半減期は年単位で見れば価格に大きなインパクト」Bitwise分析
Bitwiseは今後の価格についてビットコイン半減期の長期的な影響は過小評価されていると述べた。一方、ゴールドマン・サックスはマクロ経済情況も重要と分析している。
12:00
RWA分散型金融Centrifuge、23億円調達
Centrifugeは新たな資金を利用し、Baseチェーン上に構築され、Coinbase Verificationと統合されたRWA向けの機関投資家グレードの融資市場の構築に取り組んでいく。
10:50
分散型決済Slash Payment、エアドロップ第一弾の詳細発表
仮想通貨決済サービス「Slash Payments」は、独自トークンSVLエアドロップ第一弾の詳細を発表した.。SlashのNFT保有者などが対象となる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧