コインベースCEOがアルトコインの可能性に言及
米大手仮想通貨(暗号資産)取引所CoinbaseのCEOを務めるBrian Armstrong氏は、今後予想される仮想通貨市場の展開について言及。市場の成熟化が進み、アルトコインがビットコイン以上に普及する可能性は十分にあると示唆した。
ビットコインの市場ドミナンス(支配率)は2020年以降、アルトコイン市場への資金流入に伴い、仮想通貨元年と呼ばれた2017年のバブル期以降、再び減少しつつある。Armstrong氏は、競争の再活性化を指摘する。
ツイッター上にて仮想通貨市場の発展をインターネットの過去の歩みになぞらえ見込まれる今後の展開について見解を語り、「どのブロックチェーンが先に5000万人のユーザー規模から50億のユーザーに拡大するかはまだ誰もわからない」と述べた。
In conclusion: I think it's still very much up in the air which blockchain will help get crypto from ~50M users to 5B. The chain that manages to ship some of these scalability, privacy, decentralized identity, and developer tool solutions will have a big leg up.
— Brian Armstrong (@brian_armstrong) March 4, 2020
「仮想通貨黎明期」
例えば、かつて一世を風靡したブラウザNetscapeは、ステートやセッションの作成方法が存在していなかったため、クッキーという概念を作りだした。
また、当時のインターネット通信において、httpが利用されていたためすべての情報が暗号化されず平文のままやり取りされていた。そこで、SSL/HTTPSといった技術が登場した。
こうしたインターネット黎明期における、課題に直面した際に編み出された様々なツールや技術の台頭は、現在のブロックチェーンのスケールアップや匿名通貨に係るプライバシー保護への取り組みと重なる部分が多いという。
上述したことを踏まえた上でArmstrong氏は、社会に仮想通貨がより普及するためには、スケーラビリティとプライバシー保護、これら二つの要素が満たされる必要性があると語る。
こうした二つの特徴はビットコインに欠けているとまでは明言していないものの、こうしたアドバンテージをより多く持つアルトコインがビットコイン以上に普及する可能性を示唆した。
一方、Armstrongの見解に対して、一部のユーザーは反対。ビットコインの躍進についても触れた。
トランザクションスピードのスケールアップにおいて、現在高速ネットワークの「ライトニングネットワーク」や「SegWit」の利用率が大幅に改善している点が指摘されている。
また、プライバシーの点に関して、今後実装される可能性のある大型アップグレード「タップルート(Taproot)」が挙げられた。タップルートとは、ブロックチェーン上における全トランザクションの見え方を均一にし、区別がつかないようにして匿名機能を強化する技術だ。