- Q.ホームページから日本語が消えた理由
- A.詳しい理由はわかりませんが、 日本の金融庁からホームページ上の日本語を取り消すように指示をされたので、ホームページ上から日本語を取り除きました。
- Q.coincheck事件について
- A.取引所としての登録許可の基準が高くなることはバイナンスとしてもよくないことですが、セキュリティ面は自信があるので競争が減るという点ではいいことかもしれません。
- Q.Binance info はどのようなサイトか
- A.コイン情報を提供することだけに特化したプラットフォームで、ユーザーが自由にコイン情報を記述できる場となります。
2月6日、Binance CEO Changpeng Zhao氏(以下、CZ氏)と3度目のインタビューを終え、日本進展の真相や仮想通貨界隈の現状について伺うことができました。
Binance日本本社設立の噂に関するまとめ記事はこちら↓
インタビューを許可をして頂いたBinance社及び、長時間のインタビューにご協力頂いたCZ氏に御礼申し上げます。
日本支社設立について
- ―Q.前回のインタビューからの日本支社設立の進展・アップデートがあれば共有して下さい。
-
あれから計画に少し変更があり、現状では東京支社設立を一時中断することにしました。(日本での活動は下請会社を通してのもの)
- ―Q.ホームページから日本語が消えた理由を教えて下さい。
-
詳しい理由はわかりませんが、 日本の金融庁からホームページ上の日本語を取り消すように指示をされたので、ホームページ上から日本語を取り除きました。
- ―Q.日本の活動は今後も続けていくのでしょうか?それとも一旦台湾での活動に尽力するのでしょうか?それは短期でしょうか、長期でしょうか?
-
台湾にオフィスがあるわけではありませんが、私はしばらくの間台湾から活動を続けるつもりです。
- ―Q.日本に本社を移すという噂が流れましたが、真相をお聞かせください。
-
バイナンスが日本に本社を移すという情報は誤報です。
拡散された画像は中国のマーケットニュースアプリのもので、もう一度同じページに行くと正しい情報に修正されています。
このように誤報が拡散されることは仮想通貨界ではよくあることです。
日本市場について
- ―Q.coincheck事件についてどう思いますか?
-
私は公共に公開されている情報しかわかりませんが、どのようにしてcoincheckがハックされたのか詳細を待っています。
現在ログファイルを解析中だそうですが、もし彼らにセキュリティエンジニアが必要であれば私は手助けをしたいと思っています。
ハックされたことはとても不運だったと思いますが、ハックされた全資金をユーザーに返金できることはとても幸いなことだと思います。
- ―Q.coincheckハッキング事件後、日本支社設立又はBinanceにどのような影響を与えましたか?
-
今回の事件で我々が東京から撤退することになったわけではありません。
その以前から我々は東京から撤退することを決めていました。
事件後我々もセキュリティ面を何度も再確認し、coincheckがどのようにハックされたのか詳細を知りましたので、我々のセキュリティが改善できればと願っています。
一つ我々とcoincheckが異なる点は、coincheckはハードウォレットに多量のコインが保管されていたことでした。
この事件をきっかけに金融庁の取締が厳しくなることは確実でしょう。
取引所としての登録許可の基準が高くなることはバイナンスとしてもよくないことですが、セキュリティ面は自信があるので競争が減るという点ではいいことかもしれません。
セキュリティの安全性について問い合わせが多くあるので、時間を掛けて明白にしていきます。
誤解されがちですが、初めからバイナンス東京支社/ オフィスは存在しませんでした。
台湾にもオフィスは存在しないので、グローバルな企業(従業員が世界中各地で働くスタイル)として活動をしています。
- ―Q.Binanceの安全性をどのように保証するか(もう一度、Binance のハッキングに対する対策を教えてください。)
-
前回のインタビューでも言いましたが、完璧なセキュリティは存在しません。
しかし我々はセキュリティの安全面をできるだけ完璧なものに近づけるために多大なる資源(人材・時間)を費やしています。
大手取引所がハックされたことにより不安になることは十分理解できますが、一つの銀行が強盗にあったからといって全ての銀行が強盗にあうわけではありません。
私がセキュリティの詳細を話せば、数日は時間が必要でしょう。
ネットワーク、インフラ、従業員、ソーシャルネットワーキング、ハードウォレットなど、多種多様なセキュリティが存在しますが、現時点でバイナンスはハックされたことがないので安全だということは保障できます。
- ―Q.世界的な規制強化の影響やハッキング事件による仮想通貨暴落が続く中、Binanceはどのような対処をとりますか?また、どう考えますか?
-
価額下落は多くのことが重なって起きたことです。
各国が仮想通貨に対して規制を始めたニュースが続き、中国の規制がさらに強化された上にコインチェックハッキングが起きたことが原因でしょう。
先週株式市場が歴史的な暴落をしたにも関わらず、不思議とそのトピックに触れている記事は多くありません。
今朝(2月6日)Bruce Fenton氏が、『米国株式市場が1兆ドル(109兆円)の損失を出し、これは既存する全仮想通貨時価総額を合わせた額を上回る』とツイートしました。
ですので仮想通貨より株式市場の損失の方が何倍も大きいという事です。
多くの方が存じ上げていないかもしれませんが、下落率は常に仮想通貨市場の方が大きいことは確かですが、同じく上昇率も仮想通貨市場が大きいのです。
全体的な仮想通貨市場について
- ― Q.Tetherコインについてどのようにお考えですか?
-
特定のコインのコメントは避けていますが、Tetherが本当に米ドルに支援されているかはわかりません。
現時点までは正常に機能していますが、今後どうなるかはわかりません。
- ―Q.中国が国内外の全仮想通貨、ICO関連サイトへのアクセスを遮断する事を決定しましたが、どのように対応しましたか?
-
Binanceは中国からのアクセス(中国IPアドレスのアカウント)を遮断しました。
Binanceについて
- ― Q.前回では取引所改善に最も力を注ぐとおっしゃいましたが、その方針は変わりましたか?
-
マイナーアップデートを含め過去一か月間でBinanceプラットフォームは100回以上アップデートされています。
さらにカスタマーサポートチームに新しく40名採用されましたので、カスタマーサポートの問い合わせの返答は以前よりはるかに速くなっています。
サポート面の質は今後も改善の課題となっています。新規登録は完全に再開されました。
コイン上場に注力しているので、LaunchPadとLabs関連のプロジェクトは未だに一時停止していますが、今後数か月で新しいプロジェクトが開始される予定です。
- ―Q.Binance infoはどのようなサイトですか?
-
たくさんのコインがバイナンス取引所に上場されていますが、コインの詳細を提供する場が多くないと問い合わせがありました。
豊富なコイン情報を提供するプラットフォームを作りたいと思い、Binance.infoが生まれました。
これはコイン情報を提供することだけに特化したプラットフォームで、ユーザーが自由にコイン情報を記述できる場となります。
現時点ではベータ版なので、無料で記述することができますが、完全版が導入されれば記述する際は一定のBNB手数料が必要となります。
これは誤報や悪質な投稿を防ぐためです。
バイナンス上場のコインに限らず、全てのコインを対象に全ての人が投稿できる場です。
将来的にはインセンティブモデルを導入する予定ですが、詳細は後程公式に発表したいと思っています。
追記
記事に対する疑問がいくつか寄せられていましたので回答致します。
CoinPostが以前2回行なったインタビューでもCZ氏が話していたように、Binanceが日本で活動を行っていたことは事実であり、前回のインタビュー時は、金融庁登録を目指し日本から円建ての取引所を作ることにも意欲を見せていました。
よって今回のインタビューとの間の期間に、何かしらの動きがあったと考えられます。
ただし、日本で活動していた拠点は下請会社を通してという形であったため、日本には公式な支社はなかったということになります。
また今回のインタビューでも語ったように、CZ氏は『本社の日本移転』は完全に誤報としています。
Binance社の本社はケイマン諸島にあり、香港、台湾、日本にはありません。
インタビューを計3回行いましたが、過去のインタビューの時と状況が大きく異なるため、以上を補足文章として付け加えさせていただきます。