CoinPostで今最も読まれています

「ファクトムの開発企業解散」で独自取材 仮想通貨FCTの存続について

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Factom,Inc.の企業清算について、理事長へ取材敢行

本日(3日)報じられたように、国内の上場銘柄でもある仮想通貨ファクトム(FCT:Factom Protocol)に関連した開発会社Factom,Inc.が会社を解散する方向で、会社清算の手続きを進めている。

内容は、海外大手メディアを始め、世界的に報じられたが、Factom Protocol側が、Factomのシステム・プロトコルはFactom,Inc.の所有物ではないため、今回の清算手続きはプロジェクトのFactomに影響しないと発表したことを受け、事実関係が改めて求められる状況に発展した。

CoinPostでは、Factom,Inc.の理事長を務めるDavid Johnstonへ取材を敢行。状況整理を行なった。

Johnston理事長に取材した上で、ファクトム関連の誤解を招くポイントは以下の3つの団体やプロジェクトとその整理だ。

Factom Foundation = ICO実施した財団

Factom,Inc. = 開発や企業連携などをリード

Factom Protocol = 2018年に分散化したプロジェクト

Factom Foundation

Factomは2015年にトークン販売(ICO)で、14万ドルを調達した仮想通貨黎明期のプロジェクトだが、ICOの発行主体で誤解が生じているという。実際には、『The Factom Foundation』という当時存在していた財団が行なっていると説明した。

Factom Foundation自体は、Factom Protocolに関するマイルストーン(2015, 2016 and by 2018)を満たしたのち解散。現在は、完全に分散化した形でプロジェクトが進んでいると説明した。

Factom,Inc.

一方の今回企業解散へ進むFactom,Inc.は、Factom Protocolで稼働する企業向けソフトウェアを開発する会社で、ファクトム関連の開発や企業連携などをリードしている企業。Factomノードの運用も行なっており、Authority Node Operatorsにある27つノードのうち、ひとつを管理するという。

企業としては、ファクトム関連で資金調達も行なっており、その資金を元にBaaSの「Factom Harmony」をFactom,Inc.が開発・販売開始している。一方で、ICOで調達した金額や、Factom,Inc.側の開発が、プロジェクト側とどれほどの関係にあったのかは、現時点ではCoinPost編集部側で把握できていない。

Factom,Inc.の企業ページは、www.factom.com。 一方のFactom Protocolについては、www.factomprotocol.orgであることから、プロジェクトの公式HPを誤る事例もあるという。

なお、Factom Foundationの創業者メンバーである、Paul Snow氏と、Brian Deery氏は、Factom,Inc.のメンバーになっており、Paul Snow氏は現最高経営責任者(CEO)、Brian Deery氏は最高技術責任者(CTO)を務めている。

Factom,Inc.の理事長を務めるDavid Johnstonについて取材の重要点は以下の通り。Factom,Inc.とオープンソースであるFactom Protocolの違いやFactom Protocolの今後の方針、または日本の取引所上場に関する内容などについて、取材を行なった。

取材内容

質問1

Factom,Inc.とFactomプロトコルとはどのような関係だったのか、今後どのような形で関係性を持つのか。

回答

Factom,Inc.はオープンソースFactom Protocolを利用し、企業受けソフトウェアを最初に開発した企業だ。

我々は、Factomのフェデレーションサーバー(Authority Node Operators)を運営する27のうちの1だが、コミュニティの合意形成でサーバー運営者を変更することができる。よって、Factom,Inc.としてはFactom Protocolを管理する特別な権限を持っていない。


質問2

これから、Factom Protocol Operatorsはどのような方針を取っていくのか。そして、最近ではどのような情報アップデートがあったのか。

回答

Factom Protocol Operatorsは今までの通りに開発を進める。また、Factom Authority Nodesからはこれまで様々な情報アップデートがある。詳しくはこちらから確認することができる。

また事業提携の役割では、Factom,Inc.が行なってきたものは多くある。これまでFactom Protocol Operatorsの一社として米政府の国土安全保障省や防総省と契約関係を行ってきた。


質問3

これまで、Factom Protocolは日本の規制当局すなわち金融庁とはどのような連携を行なっていたのか。

回答

日本で取り扱っている取引所は把握していない。

Factom Protocolはパブリックブロックチェーンであり、2018年初頭に完全なる非中央主権的プロトコルになったため、財団という組織は存在しない。(The Factom Foundationは2018年に解散)

また、取引上場プロセスに関しては、コミュニティメンバーの誰かが協議を行なっていたかもしれないが、意思決定等に関して企業側としてあまりわからない。一方、上場等取引所業務に関して、オープンソースであるため、コミュニティの誰でも代表して行うことは可能だ。


質問4

Factom,Inc.の清算手続き移行のニュースがあったが、オープンソースとしてのFactom Protocolはどのような影響を受けるのか。

回答

Factom Protocolを利用する様々な独立したプロジェクトがある。例えばDeFiプロジェクトのPegNetはその一例だ。PegNetは2019年10月より稼動し、すでに10億ドルに相当するトークンの交換を記録してきている。

全体として、仮想通貨のFCTおよびFactom Protocolのオープンソースを利用している企業は影響されることはないだろう。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/23 土曜日
18:00
米コインベースが過去に欧州FTX買収を検討
米仮想通貨取引所コインベースは破綻したFTXの欧州法人を買収することを検討していた。デリバティブ商品に力を入れていることが背景とみられる。
17:10
グーグルクラウド、BigQueryにアバランチなど11のブロックチェーンを追加
Google Cloudは、ビッグクエリ公開データセットにアバランチ(AVAX)など11の仮想通貨ブロックチェーンを追加したと発表した。
07:40
イーサリアム「Dencun」、2024年に実施か
仮想通貨イーサリアムの開発者は21日に会議を開催。次期アップグレードDencunについて、実施が来年初めになる可能性が示された。テストの開始が遅れる可能性があるという。
09/22 金曜日
16:29
大手VCパラダイム「仮想通貨は新たな惑星のようなもの」 投機需要も欠かせないと見る理由
仮想通貨関連技術に特化した米大手ベンチャーキャピタルParadigmは、「火星のカジノ」と題した論説で、仮想通貨を新しい惑星に例え、投機的な投資も「移住の起動プロセスの一部」として欠かせないものだと主張した。
16:15
セガ三国志大戦IP活用のBCG「Battle of Three Kingdoms」、動画初公開
  三国志大戦のIP活用BCGのチュートリアル動画公開 セガの人気ゲーム『三国志大戦』のIPを活用し、double jump.tokyo株式会社が開発を手がける新作ブロックチェ…
14:00
米FRB「資産のトークン化」に警鐘
米FRBは、トークン化が金融安定性に及ぼす影響について詳細に調査した論文を公開した。トークン化がデジタル資産のエコシステムと伝統的な金融システムとの相互接続を促進し、伝統的な金融システムに新たなリスクをもたらす可能性があると指摘している。
13:40
「Proof of Play」、a16zなどから約50億円調達
ブロックチェーンゲーム企業「Proof of Play」はシードラウンドで約49億円を調達した。プレイヤーが世界構築に参加できるWeb3ゲームを開発していく。
12:17
ビットコイン続落、FOMC後の金融引き締め長期化懸念で日米株安進む
暗号資産(仮想通貨)相場でビットコインが続落した。FOMCにおけるFRBの2024年の金融政策見通し悪化を受け、株安が進んでいる。
12:00
10年ぶりの日銀総裁交代、植田新総裁の金融政策は
2023年4月8日に黒田前総裁が退任し、翌9日より植田新総裁が就任し新体制へ。黒田前総裁は10年間でどのような政策をとり、経済・市場環境にどのような影響を与えたのか、また植田新総裁の現時点で発表されている政策による今後の影響も解説します。
11:45
韓国釜山市がWeb3産業育成に本腰 取引所も設立へ
韓国の釜山市はブロックチェーン育成関連の計画を発表。独自メインネットやデジタル資産取引所、100億円規模の育成ファンドを立ち上げるとしている。
11:00
チューリンガムの親会社クシム、Zaif親会社と経営統合へ
Web3企業チューリンガムの親会社クシムは、カイカエクスチェンジホールディングスと経営統合することを取締役会で決議したと発表した。仮想通貨取引所Zaifの運営企業も連結対象となる予定。
08:45
バイナンス、ETHのガス代を1日で計1億円相当支払い
仮想通貨取引所バイナンスは21日に、イーサリアムのガス代を1日で合計1.2億円相当も支払ったことがわかった。バイナンスの担当者が経緯を説明している。
08:10
恐怖指数上昇 米国株続落、日銀マイナス0.1%金利維持|22日金融短観
本日米NYダウは続落。ナスダックとS&P500は6月以来の安値となった。昨日のFOMC会合では市場の予測通りに金利据え置きが発表されたが、年内1回の追加利上げの可能性が示唆された余波を受けた形だ。
05:52
欧州MiCA法施行に向けてバイナンスのステーブルコイン対応は|22日朝の重要速報まとめ
仮想通貨取引所バイナンスは来年6月までに欧州市場でステーブルコインの上場廃止を検討しているか。CZ氏は報道を否定した。
09/21 木曜日
18:00
仮想通貨擬人化BCG「コインムスメ」がSTEPN運営と提携、GMTアイドル「ジェムティ」誕生
ブロックチェーンゲーム「コインムスメ」は、STEPN運営Find Satoshi Labとの提携により誕生した「ジェムティ(GMT)」のデザインを公開した。限定NFT200枚を抽選でプレゼントする企画も行われる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧