CoinPostで今最も読まれています

コロナで変わる金融市場、ビットコイン最大のチャンスに=BitMEXアーサーCEO

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

コロナが変える世界金融システム

大手仮想通貨デリバティブ取引所ビットメックス(BitMEX)CEOのアーサー・ヘイズ氏は、コロナ危機が世界金融システムを根本的に変えると主張する。

コロナの感染拡大により、短期間に生活が一変してしまったように、その生活の基盤を支えてきたお金に関する「フィクション=創作されたストーリー」も劇的に変化することになるため、どの「フィクション」が信頼に値するか、予測することが重要だと訴えている。

3つのフィクション

ヘイズ氏は、社会におけるマネーの役割を、「商品やサービスを生み出す労働と資本の効率的な交換を可能にするためのフィクション」と定義し、現代社会が円滑に機能するのを支えるためにはこのようなフィクションが不可欠だと述べている。

一般的に受け入れられているフィクションとしては、政府法定通貨(=米ドル)、金(ゴールド)そしてビットコインをあげている。 それぞれ、米国の負債返済能力に対する信用、物理的もしくは暗号設計による希少性により、その価値が広く認識されている。

現在の米ドルを基軸とした国際通貨体制は、第二次世界大戦後、経済復興のために欠かせない為替相場安定のメカニズムとして確立され、1971年までは、ドルと金の交換が保証された固定為替相場制の形式をとっていた。米ニクソン大統領(当時)により、この金・ドル本位制は終わりを告げ、ドルの価値は米政府に対する「完全な信頼に依存」することになる。

米ドルは世界貿易の基軸通貨であり、原油など全ての原材料・商品はドル建てで取引されていることが、ドルの強さを支えている。しかし、その強さが仇となり、世界経済の基盤を大きく揺らがせ、ついには破壊することにつながると、ヘイズ氏は警告する。

同氏によると、3月末に発生した新興国通貨の下落に対し、FRBはさらなるスワップ枠を追加する方策を取って対応したが、その中には、中国は含まれていなかったという。 大統領選への思惑も絡まり、中国叩きはエスカレートする様相を見せていると分析する。ドル建てで商品代金の決済を余儀なくされている世界の多くの国々(中国を含む)には、連邦準備制度が発行する大量のドルは行き渡らないという。

そのため、他国が財政出動のために自国通貨を大量に発行すると、対米ドルの通貨価値は下がり、大規模なインフレが発生してしまう懸念があると指摘した。

インフレと世界経済リセット後の新しいシステム

「米ドルのフィクションは終わった」

ヘイズ氏は語る。 ドルの入手が困難になると、その信頼も急速に失われることになると指摘、その代替としては、数多くの中央銀行が所有している金(ゴールド)が歴史的に見ると最良の選択肢だと述べている。

1970年代の石油危機の際、高騰した金価格に対処するため、FRBは金所有の魅力がなくなるほどの大幅な金利引き上げを行ったが、今回はその選択肢は使えない。

コロナ危機に対して政府と中央銀行は大量の財政出動を行うなど、あらゆる手段を講じているが、コロナから世界が回復するにつれ、供給が限られている資源(食料、製品など)に対し、無限に近い量の法定通貨が流通している現実が突き付けられることになると、ヘイズ氏は言う。需要と供給のバランスを解決するため、政府は前代未聞とも言える財政刺激策に乗り出すことになると言う。

「地球規模のシャットダウン」の間に、多くの国の経済の60%から80%を占めると言われる中小企業も大きな打撃を受けるため、商品の供給はますます不足していく。世界的なインフレの回避は困難だろう。

全てを総括すると、デジタル金融と富の保護との融合の解がビットコインだとヘイズ氏は強調する。

新しいシステムに移行するための過程で今、起こっているのは世界規模の非流動資産に対するマージンコールで、グローバルなバランス調整の第一幕だと同氏は説明。その中で、ビットコインはレバレッジなしで所有され、3000ドルを試す場面もあるかもしれないと言う。 それでも年末の価格ターゲットは20000ドルから変わっていないと述べた。

「新しいシステムに移行する際に、所有すべきなのは金とビットコインのみだ」として、ビットコインの最大のチャンスになると、ヘイズ氏は結んだ。

参考:BitMEX

CoinPostの注目記事

「世界大恐慌」以来の景気後退予想にIMFが警鐘、ビットコインを超える反騰を見せる仮想通貨Chainlink
国際通貨基金(IMF)が世界恐慌以来の経済後退に警鐘を鳴らした。コロナショック後に明暗が分かれる仮想通貨市場では、ビットコインが大幅に反騰。個別銘柄ではBTC建で大幅にプラスとなる主要アルトコインも。
BitMEX、ビットコイン半減期後のハッシュレートなど「4つのシナリオ」を試算
最大手デリバティブ取引所BitMEXのリサーチ部は、約38日後に迫る仮想通貨ビットコイン(BTC)の半減期がもたらす、採掘業者の利益への影響とハッシュレートの関係性を試算。今後のシナリオについて4部構成で解説した。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/01 水曜日
15:00
Bitwise最高投資責任者「米国でステーブルコイン法案可決なら、甚大な影響を及ぼし得る」
仮想通貨投資企業Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は、米国議会が今年、包括的なステーブルコイン法案を可決する可能性に言及。実現した場合、仮想通貨の広範な普及という面で ビットコイン現物ETFの承認と同等か、それ以上に大きな影響を与える可能性があると述べた。
12:30
米コインベース、ビットコインのライトニングネットワークを導入
米大手仮想通貨取引所コインベースは、ビットコインのライトニングネットワークを導入したと発表した。BTC送金を高速・低コストにする。
11:59
仮想通貨全面安、地合い悪化と香港ビットコインETFの思惑買い剥落で
暗号資産(仮想通貨)相場では、経済指標を受けた米国株安などの地合い悪化に加え、香港市場のビットコインETF・イーサリアムETFの初動不調の影響もあり、ビットコイン(BTC)やアルトコイン相場が急落した。
11:25
Web3ゲーム企業Games for a Living、クラクラ制作企業などから5億円調達
EAの創設者Trip Hawkins氏が共同で立ち上げたWeb3ゲーム企業Games for a Livingは調達ラウンドで、5億円を調達した。
10:05
バイナンスCZ前CEO、懲役4か月の判決
米地裁は、仮想通貨取引所バイナンスのCZ前CEOに懲役4か月の判決を下した。法律違反を知らされていた証拠がないことなどが緩和材料となった。
09:20
東京都、デジタル証券発行の補助金申請を受付開始
デジタル証券(ST)発行企業を支援するため、東京都が補助金申請の受付を開始。都内の企業は申請が認められれば、ST発行に必要な経費の一部を補助してもらうことができる。
07:50
香港のビットコイン・イーサ現物ETF、初日出来高は米国版を大幅に下回る
6つの仮想通貨ビットコイン及びイーサリアムETFの初日出来高は1,100万ドルだった。1月に米国でデビューしたビットコインETF10銘柄の純流入額は6.55億ドルで、香港版はこれを大幅に下回った格好だ。
07:20
リップル社、日本にXRPL基盤のソリューション導入へ 
日本にXRPL基盤の企業向けソリューションを導入するため、リップル社とHashKey DXが提携。このソリューションを最初に利用するのはSBIグループの企業である。
06:45
バイナンスジャパン、ソラナ・XRPなどで日本円取引拡充
仮想通貨取引所Binance Japanは今年2月に、ラップドビットコイン、ファイルコイン、スイに対応追加。国内では、最多のラインアップを有する取引所として50銘柄を提供。
06:15
1つのソラナミームコインの時価総額が300兆ドルに、その理由は
この仮想通貨ミームコインの9割以上の発行数はトークン発行者に保有されており、「凍結権限」が発動されたため、購入した投資家はトークンの送信をすることができなくなっている。
05:50
米マイクロストラテジー、4月にもビットコイン買い増し
仮想通貨ビットコインを大量に保有しているが、2024年1Q業績については、売上高は前年同期比5%減の1億1,520万ドルとなった。株価は暴落している。
04/30 火曜日
14:45
米SECは一年前にイーサリアムの「正式調査命令」を承認していた コンセンシスの訴状で明らかに
米Web3企業コンセンシスは、対米SEC裁判で新たな書類を提出した。SECは一年前にイーサリアムを調査する正式命令を発行したと申し立てている。
14:34
個人マイナーがビットコインのブロック生成に成功、報酬3500万円相当を獲得
ビットコインのマイニングを行う個人マイナーがブロック生成に成功し、ブロック報酬と取引手数料で3,400万円の採掘報酬を獲得した。
13:18
EigenLayer、独自トークンをローンチへ
独自トークンEIGENをローンチしてエアドロップを行うことなどを、仮想通貨イーサリアムのリステーキングプロジェクトEigenLayerが発表。EIGENの役割も説明している。
12:55
5月のトークンアンロック、AVAXやRNDRなどが計画
5月にはアバランチやレンダー、オプティミズムなどの仮想通貨がトークンのアンロックを計画。日本に上場する銘柄を中心に5月の主な予定をまとめた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア