仮想通貨ビットコインは2020年5月12日4時23分、3度目の半減期を実行した。
半減期の実行ブロック#630,000の生成が確認された。半減期ブロックを生成したマイニングプールは、Bitmain傘下のAntPoolとなった。
半減期を迎えたことを受け、ビットコインのマイニング報酬は、1ブロックにつき12.5BTCから6.25BTCに半減。
次回半減期は、210,000ブロック後の#840,000到達時。2024年を予定する。
日付 | BTC価格 | 報酬 |
---|---|---|
2012/11/28 | 12.31ドル(約1300円) | 50→25BTC |
2016/07/09 | 650.63ドル(約7万円) 前回比:約53倍 | 25→12.5BTC |
2020/05/12 | 8,517ドル(約91.5万円) 前回比:約13倍 | 12.5→6.25BTC |
2024 | – | 6.25→3.125BTC |
2028 | – | 3.125→1.5625BTC |
半減期とは
発行枚数上限のあらかじめ設定されている仮想通貨は、ある特定のタイミングでマイニングできる量・採掘量(供給量)が減るように定められており、これを半減期(bitcoin halving)と呼ぶ。
ビットコインでは、トランザクション(取引)をまとめたブロックが生成される度に、そのための計算作業を行った採掘者(マイナー)に対し、報酬として新しいビットコインが渡される。この作業をゴールドを採掘する行為にたとえ、「マイニング」と呼ばれる。ビットコインはブロック数が210,000に到達する毎にマイニング報酬が半分になっていく仕組みとなる。
ツイッターでトレンド入り
日本のツイッターでは「ビットコイン 半減期」がトレンド入りした。
「#629,999に刻まれたメッセージ」
採掘報酬が12.5BTCのラストブロック「#629,999に刻まれたメッセージ」。今回の半減期で、「サトシ・ナカモト」の想いを11年の時を超えて現代に伝えたとメッセージとして注目を集めている。
コロナ危機に伴う、政府の金融緩和の状況を、サトシ・ナカモトがビットコイン誕生の瞬間「ジェネシスブロック」の想いに重ねた。
詳しくは以下の記事から
今後の注目ポイント
半減期を迎えたビットコインについて、今後の注目ポイントとなるのは、マイナー動向だ。
実行ブロックを迎えたビットコインは、次回の難易度調整時期を6日と14間後に控えるが、この1週間は市場が直近で警戒する期間になる。これは、ビットコインキャッシュと比較して難易度調整の期間が長いビットコインでは、マイナーの影響が市場に及ぼす影響が大きいことから、警戒感も高まるためだ。
ひとつの基準となるのは、前回の難易度更新をした時の平均ハッシュレート「115.27 EH/s(BTC.com参照)」。半減期で報酬減となったマイナーが撤退するかが焦点だ。
ボトルネックとなっていたビットコイン価格も最も直近で高騰した1万ドルの水準を維持はしていないものの、コロナ危機の下落水準は取り戻している。また、マイナーも半減期後の報酬減に向けた対策等も実施してきているが、過去事例が少ない半減期では確かな見立てを立てづらい状況にある。
半減期後の状況
半減期後1時間では、ビットコインネットワークのハッシュレートの大幅な下落は確認されていない。
BTC.comのデータによると、11日に最高値を更新した140EH/s台から15%ほどマイニングパワーが減少したものの、半減期直前の水準と比較した場合、概ね同水準で推移している。
Pool Statsでは、24時間推移で一定の減少値が確認できるが、半減期前のタイミングでビットコインのハッシュレートが急速に高まっていた状況も踏まえると、市場が警戒するほどの変動値とは言い難い。
ブロック生成も、半減期実行ブロックから次のブロックまで40分と遅延が発生したが、その後の推移は順調だ。
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