半減期直前の仮想通貨ビットコインとアルトコイン動向について分析|寄稿:タキオン

ビットコイン半減期直前の仮想通貨の動き

ビットコインは強気相場の目安となる100日移動平均線を上抜けし、強気相場の到来となった。一方でアルトコインはビットコインに比べると上昇幅は劣り、BTC建では下落に転じる通貨も多い。ビットコイン半減期直前の相場について、考察していく。

ビットコイン分析

まずはビットコイン(BTC)分析から。

テクニカル分析

ビットコインは4月29日に8000ドルを突破する大きな上昇を見せたが、これにより100日移動平均線、200日移動平均線の両方を一気に上抜けをした。

2018年は100日、200日移動平均線に常に阻まれ下落を続け、2019年は100日移動平均線の上抜けから強気相場が始まった。ビットコインにとっては100日と200日移動平均線は大きく意識される傾向にあり、これの上抜けを持って中長期的な買いを検討する長い目線のプレイヤーの参加が見込まれる。

コロナショックの初動となった3月6日の価格9200ドル付近であったが、ビットコインはこの2ヶ月で全戻し。他のゴールドやダウと比べてみても回復の水準は早い。

3月下旬から4月はNYダウとの相関関係が強く意識されていた時期もあったが、現在はそのような動きも少なく自律的な動きとなっている。総じて内部事情で動くビットコインは強気相場に多い。ただ、株式市場が再び大きく崩れることがあれば換金売りも懸念される、株式市場の大きな下落には注視しておく必要があるだろう。

しかしながら、この先の上値はとても重いことが予想される。今年の年初来高値である10500ドルは大きく意識される抵抗線となり、2019年や2017年のラインから引かれる下降トレンドラインとも重なるため、利確ラインとして機能するだろう。この上値を追うためにさらなる資金流入や材料が必要になりそうだ。

一方の下値は、上昇起点となった7500~7600ドル付近が大きな支持線となり、8500ドル、100日移動平均線付近の8000ドルもポイントなる場所だ。12月の安値であった6400ドル付近までは、仮に上昇が続くにしても十分に押しが考えられる場所といえる。強気相場でも冷静にこのあたりまでの押しは頭にいれつつ立ち回りたいところだ。

いよいよ2017年年末高値から続いた停滞相場も徐々にレンジが狭まっているように感じ、週足・月足レベルでの大きなトレンドの発生も年後半には予見させるチャートだ。今しばらくは徐々に小動きになっていく可能性も考慮しておくべきだろう。

ファンダメンタルズ分析

5月12日前後に予想されているビットコインの半減期が直近の関心事だ。

前回の半減期は2週間前ほどに価格の天井をつけ、半減期は下落に転じるという動きが市場参加者の頭の中にあるのだろう。Okexの先物は興味深いスプレットとなっており、Skewによると5月15日限のみがバックワーデーション(逆鞘)となっている。

このように期中の先物が安い状況を「おかめ鞘」というが、ビットコインでこのような現象は珍しい。通常、おかめ鞘は季節性のある農産物等で起きやすいが、特に季節性が基本的にはないビットコインでは特異と言えよう。

これは、市場参加者の中に「半減期後は下落する」という考えがあるからではないか。逆にこの特異な鞘とは裏腹にビットコインが上昇を続けた場合はこういった先物のショートカバーも考えられるだろう。「おかめに売りなし」という相場格言も商品相場にあるだけに、仮想通貨市場で同様のことが同じことが起きるのか、これはとても興味深い現象と言える。

ただし、ビットコイン半減期後にハッシュレート(採掘速度)が急減するといったことがあれば、マイナーの採算分岐点に由来した売り圧の上昇やそれを見越した市場参加者の売りも入るだろう。

現在は、すでに半減期後の採算分岐点が意識されており、Bitmain Antminer S17で9000ドル付近だ(筆者が6.5cent/kWhで計算)。半減期後のハッシュレートの急減があるとするならば、S9等の古いマイニングマシンが半減期後は大きく採算分岐点から外れるため、これらの機器のシャットダウンがあると思われる。

マイニングマシンのシェアは不明であるため、この影響がどこまで及ぼすかの予測は難しい。ハッシュレートの動きを見て対応するほうが懸命だろう。

直近の価格推移は、コロナショックで一時的な換金売りで押されたものの、何もなければ留まっていたであろう水準に結果として回帰しているとも受け取れる。一時的には大きなマイナス材料となったコロナショックだが、世界的な金融緩和、FRBの急激なバランスシートの拡大は中長期的にビットコインには追い風であろう。

アルトコイン分析

イーサリアムもビットコインにつれて上昇、ビットコインに同様に100日線を抜けており、ドル建てで見る限りはビットコイン同様の強さが伺える。

一方でビットコイン建てでみていくとその様子は一変する。イーサリアムはビットコイン建てで軟調。他のアルトコインもリップル(XRP)、ビットコインキャッシュ等も同様で、ビットコイン建てでは下落傾向である。

特に4月29日以降その傾向が強まっており、ビットコインに資金が集中していることが伺える。ビットコインの半減期を前にして市場参加者はビットコインのパフォーマンスのほうが上と判断しているとも言えよう。

特にETHBTCの0.022BTC、0.020BTC付近は大きなポイントである。XRPBTCの2300satは2018年以後ずっと守ってきたラインであるため、万一ここを割り込むアルトコインに対する悲観的なセンチメントが加速すると思われる。テクニカル的にも年単位での節目となるため、注目しておきたい。

ビットコインドミナスも5月5日時点で67%付近となっており、4月中旬以降上昇の一途をたどっている。ビットコインドミナンスも年初来の68%付近が意識されると思われるため、ここを抜けてビットコインに資金が集中するようであれば、ビットコインの上下に関わらず、対ビットコイン建てではアルトコインは弱気が加速するだろう。

円建てやドル建てが意識されることが多い仮想通貨であるが、BTC建てにも注目が必要である。

寄稿者:タキオン@wing_tachyon
暗号資産トレード歴3年目。IT企業にてプロダクトマネージャーを務める傍ら、暗号資産を中心に株為替まで短期長期問わず手広くトレーダーとして活動。 アルトコインのスイングトレードをもっとも得意とする。


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