はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

JPモルガンが顧客のビットコイン投資を思いとどまらせる? ウォール街と仮想通貨の今

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

投資銀行の助言でビットコイン投資を思い止まる顧客

米デジタル資産投資管理会社COOのあるツイートが、200を超える多数のコメントを集め、大きな反響を呼んでいる。

「すぐにでもビットコインを購入する用意があるクライアントがいたんだが、JPモルガンとゴールドマン・サックスのアドバイザーと話をした後、もう興味がなくなったと告げられた。」

何と言われたのか尋ねたが、答えはなく、ビットコイン購入の実証済みのメリットを尋ねられたという。

ツイートしたAdam Pokornicky氏は、カリフォルニアを拠点とする公認投資アドバイザー会社のDigital Asset Investment Management (DAIM)で最高運営責任者を務めている。この件についてのインタビューで、「富裕層の個人」で長年の知り合いでもある同氏の顧客は、ポートフォリオに少額のビットコインを加える用意があったが、JPモルガンとゴールドマン・サックスの投資アドバイザーに話を聞いた後、急に心変わりをしたという。

これらの企業の投資アドバイザーは、今でもビットコインの投資を避ける傾向があるとして、顧客のビットコイン購入の障害になっていると指摘する。

大手金融機関の資産管理アドバイザーはビットコインが買えない?

Pokornicky氏は、ヘッジファンド等でトレーダーとして長年の経験があり、ウォール街の主要金融機関にも多くの友人がいるが、彼らはビットコイン購入を完全に制限されているか、もしくは購入のために「常軌を逸したコンプライアンスの輪」を掻い潜らなければならないと述べ、次のように付け加えた。

「ウェルス・マネジメント部門で働くアドバイザーには、厳しいノー・ビットコイン・ポリシーがある。」

Pokornicky氏のツイートのスレッドの中には、「少なくとも米ニュージャージー州のある証券会社では、モルガン・スタンレーのファイナンシャル・アドバイザーが、顧客とビットコインの話をすることは禁じられている」とのコメントも散見される。

ウォール街大手金融機関と仮想通貨

JPモルガンとビットコインといえば、最高経営責任者であるJamie Dimon氏の2017年の発言、「ビットコインは詐欺」が思い起こされる。当時のブルームバーグ誌の報道によると、Dimon氏は同行のトレーダーがビットコインの取引を行ったら即座に解雇すると明言したという。

それから、2年後の2019年、JPモルガンは米大手銀行初となるデジタル通貨「JPMコイン」の開発を発表する。

さらに、今年2月発表した、ブロックチェーンと仮想通貨を含むデジタル通貨に関する今後の展望をまとめた調査報告書では、2018年に比べ仮想通貨市場は成熟度を増し、今後も拡大するとの予測を行なっている。 その理由として、機関投資家の参画の拡大及び、規制に準拠した取引所における、オプション取引や先物取引等の新たな契約形態の導入をあげた。

ビットコイン価格は同行が算出した「本質的な価値」とのギャップを縮めており、他の資産クラスとの相関性の低さも魅力ではあるが、ボラティリティの高さや規制関連の課題など、ポートフォリオ分散化のために加えるかどうかについては、その価値を示すに至ってないとまとめている。

しかし、ブロックチェーン技術は主流ではないものの、すでに実験的な段階を過ぎて、決済に利用されるようになり、また分散型台帳技術は長期的に見ると、銀行のビジネスモデルを変革する可能性があると評価している。

仮想通貨市場の規模

仮想通貨業界では、機関投資家の参入が次なるビットコイン価格の最高値更新に寄与すると語られてきたが、未だ、そのストーリーは完結していない。

仮想通貨の市場規模は、伝統的な資本市場と比較すると依然として大変小さく、仮想通貨市場の時価総額2480億ドルに対し、世界の主要資産運用会社20社だけで、42.3兆ドルを運用している現実がある。つまり、その運用額の0.6%弱が仮想通貨市場の時価総額に匹敵する事実を、しっかりと認識することも、全体像を把握する上では重要だと思われる。

このような巨額の資金を運用するのが、JPモルガンをはじめとする大手金融機関であり、それを支える各行のファンド・マネージャー、また、個々の顧客の接点となるファイナンシャル・アドバイザーである。 利害関係がどこにあるかを考慮すると、ビットコインへの投資を勧めるのを躊躇するアドバイザーが存在するのもうなずける。

一方、仮想通貨インデックスファンドのBitwiseが、今年1月に発表した、ファイナンシャル・アドバイザーの仮想通貨に対する意識調査では、仮想通貨をポートフォリオに加えるとの回答が、6%から13%へと倍増。また4分の3以上が顧客から仮想通貨に関する質問を受けていることから、仮想通貨に関する意識も徐々に変化してきていることがうかがえる。

コロナウィルスのパンデミック化で、世界経済は厳しい状況に立たされているが、同時にこのような非常事態は、これまでの常識を大きく変革するきっかけともなる。道のりは平坦ではないかもしれないが、仮想通貨の可能性にも光が当たるかもしれない。

参考:JP Morgan

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/28 金曜日
13:15
イーサリアム「ペクトラ」の実装日が4月30日と仮決定、次期「フサカ」の動向は?
カオスつうかイーサリアムのコア開発者ティム・ベイコ氏が「ペクトラ」アップグレードの実装日を4月30日と仮決定。次期開発に関しても進捗が確認された。
11:30
米司法省、ハマス関連の仮想通貨約3000万円を押収 資金調達を阻止
米司法省が、イスラム系組織ハマスからUSDTなどの仮想通貨を20万ドル相当押収した。ハマスは仮想通貨による寄付募集やマネロンを行っていたとみられる。
10:50
リップル社、アフリカの決済企業Chipper Cashと提携
リップル社は、アフリカの決済企業Chipper Cashとパートナーシップを締結。仮想通貨を活用するリップルペイメントを導入し、アフリカにおける国際送金の速さやコスト効率を向上させる。
10:45
トランプ指名のアトキンス氏が仮想通貨規制方針示す SEC委員長指名公聴会で
米上院銀行委員会が、次期SEC委員長候補ポール・アトキンス氏の公聴会を開催した。ウォーレン議員が利益相反の可能性を追及した他、仮想通貨関連の議題も俎上に上った。
10:10
米政府、12億円相当のビットコイン移動 戦略的準備金に向けた準備か
トランプ大統領の大統領令に基づき、タイの犯罪組織から押収された846万ドル相当のビットコインが米政府によって移動されたことが観測された。
09:35
フランス国有投資銀行、40億円規模の仮想通貨ファンドを設立
2700万ドルのトークンファンド フランス国有投資銀行Bpifranceが3月27日、仮想通貨およびブロックチェーン分野における新たな投資戦略を発表した。仏国内のデジタル資産エ…
08:15
ICEがCircleと提携、USDC活用で次世代金融商品開発へ
米金融大手によるステーブルコイン取り組みが加速中。Intercontinental ExchangeとCircleが提携し、USDCの新たな市場を開拓へ。
07:50
ソニュームとアニモカが提携 アニメファンのWeb3参入を推進へ
アニモカブランズは、仮想通貨イーサリアムのソニーグループのL2ソニュームと提携。IDレイヤーを構築して、アニメファンをWeb3領域に取り込みやすし、ユーザーの関与を強化する。
07:30
ビットコイン大口投資家、3月に約13万BTC買い増し 
Glassnodeの最新レポートによると、大口投資家がビットコインを大量に購入。市場の不確実性にもかかわらず、大口投資家は自信を示している。
06:55
ゲームストップ株価暴落、投資家はビットコイン戦略を懸念か
ゲームストップの株価が27日に暴落した。投資家は同社のビットコイン獲得戦略を嫌気し売りを加速させた。
06:05
ジブリ風アートに因んだミームコインが高騰、 ChatGPT-4o画像生成機能のリリースで
OpenAIのChatGPTがもたらしたジブリ風AI画像トレンドと、急騰する仮想通貨ジブリ・ミームコインの驚きの実態を解説。
03/27 木曜日
17:05
ビットトレード、貸暗号資産の特別募集「ユーピーシーエックス(UPC)」で開始
ビットトレードがユーピーシーエックス(UPC)の貸暗号資産特別募集を開始。14日間で年率100%相当の高利率が魅力。なお、リスクや注意事項の理解も不可欠。申込条件やメリットを解説する。
14:05
イオレ、暗号資産関連事業参入準備へ Web3ファンドから約4.2億円を調達
暗号資産金融事業への参入準備へ 東証グロース上場企業のイオレは26日、投資事業有限責任組合JAIC-Web3ファンドと株式会社ZUUを割当先とする第三者割当増資を実施すると発表…
11:52
ビットコイン8.7万ドル台で推移、Hyperliquidの「市場操作」臨時対応には賛否両論も
ビットコイン価格が前日比3.99%上昇し8.7万ドル台に回復した。CoinShares報告によると、機関投資家から7.2億ドルの資金が流入し5週間連続の流出傾向が反転する。一方、Hyperliquidは市場操作されたJELLYJELLYトークンを上場廃止にし、分散型理念と利用者保護のバランスに関する議論が浮上した。
11:30
ビットコインとともに注目のトップ20銘柄、Grayscale最新リサーチ
グレースケールが最新の仮想通貨市場レポートを公開した。ビットコインの活動レベル、ミームコイン取引の変化、新たなトップ20銘柄などを解説している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧