緊急事態宣言、一部解除へ
西村経済再生担当大臣は14日、感染症の専門家などでつくる「諮問委員会」で、緊急事態宣言の限定解除を行う方針を決めた。14日夜に安倍総理大臣が記者会見したあと、政府対策本部で宣言解除を正式決定する。
日経新聞などが報じた。医療崩壊リスクが特に懸念され、引き続き重点的な対策が必要な東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、京都、兵庫、北海道は、解除の条件が揃っていないとして「特定警戒都道府県」の指定を維持する。
政府は4月7日、新型コロナウイルスの世界的な蔓延を踏まえ、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく、史上初となる「緊急事態宣言」を発出。4月16日にはこの緊急事態宣言の対象区域を全国へと拡大させ、不要不急の外出自粛を呼びかけていた。
緊急事態宣言は当初、5月6日の解除を目指していたが、政府の専門家会議の提言を踏まえ5月31日まで延期されており、医療崩壊を防ぐと評価する声のある一方、経済への深刻な影響が懸念されている。
緊急事態宣言は、都道府県知事の裁量で、外出自粛要請に加え、学校を始め人が多く集まる商業施設の使用制限や停止を要請・指示できるほか、感染者急増による医療施設の増設が必要となった場合、所有者の同意がなくとも知事が土地や建物を使用することが可能になる。
また、医薬品や食料品に関しても、知事は事業者に対し売却を要請、応じない場合は収容することもできるようになるなど、その権限が大幅に拡大される。