金融犯罪捜査網「米FinCEN」、海外未登録取引所の疑念を指摘=Consensus

2013年以来の報告数

米連邦の金融犯罪捜査網「FinCEN」は、2013年以来、規制に準拠しない海外取引所からの報告件数は「過少報告」されている可能性が高いと懸念する。

FinCENは、米国の厳格なマネーロンダリング防止(AML)規制を実施するため、金融セクター全体からデータを収集して分析する機関だ。

Coindesk主催の大型オンラインカンファレンス「コンセンサス」に出席したFinCENの局長Kenneth Blancoは、2013年に「仮想通貨関連報告枠」を設けて以来、仮想通貨(暗号資産)に関連した疑わしい取引報告数は7万件を超えていると明かし、IPアドレスや仮想通貨ウォレットアドレスの特定は容易になったとする。

しかし、この数字はFinCENが”氷山の一角”にすぎないとの見方を示している。

Blanco局長が明かしたデータでは、2019年5月〜12月の間、仮想通貨に関連した疑わしい取引の報告数は11,000件に上り、内7,100件は企業からの報告だった。月単位で約1400件、6年間でほぼ10万件に到達する計算だ。

Blanco局長は、海外を拠点としながら無登録で米国居住者にサービスを提供する、いわゆる「オフショア事業者」からの報告はほぼ存在しないと指摘し、「海外から米国市場に参入したいのであれば、FinCENなど規制当局のルールに従わなければならない」と忠告した。

プライバシー通貨も監視対象に

また上述した「過少報告」以外、プライバシー通貨についても言及。Blanco局長は、プライバシー通貨を取り扱う業者は資金洗浄対策(AML)等コンプライアンスの面でより強力な監視・調査を受けることになると説明した。

FinCENの米国内登録業者では、コインベースやクラーケン、Bittrex等取引所もプライバシー銘柄を取り扱っている。現時点では、それらの銘柄の取り扱い制限等動きは見られない。

今年の1月、仮想通貨分析企業Elliptic社は米国議会下院の公聴会に出席し、FinCENがプライバシー通貨の取り扱い方を具体的に説明するガイダンスを制定することを提案した。現在、FATFの事業者個人取引情報共有ルールである「トラベルルール」が導入される中、プライバシー通貨の法的属性や取引所の対応方針の変更などは以前よりも注目されている。


画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します