BTCとS&P500の相関性が低下
仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)と米株価指数S&P500の相関性が大きく低下している。
米大手仮想通貨取引所コインベースにおけるBTCの米ドル価格を基準にした相関係数は、1カ月前の4月16日の0.53から0.15へ低下、直近2カ月で最も低い数値へと低下した。
相関性は+1から-1で表され、+1に近いほど正の相関性が高く、価格が同じ方向に動く可能性が高まる。-1に近い場合はその逆。以下の表の一般的な基準に照らし合わせると、この1カ月で「相関がある」から「ほとんど相関がない」に変わった。
相関係数 | 相関の強さ |
---|---|
0.0~±0.2 | (ほとんど)相関がない |
±0.2~±0.4 | 弱い相関がある |
±0.4~±0.7 | 相関がある |
±0.7~±0.9 | 強い相関がある |
±0.9~±1.0 | (ほぼ)完全な相関がある |
このようなビットコイン特有の相関性は、金融市場がビットコインへの見方を変える理由となっている。
半減期を終えたばかりのビットコインは、ビットコイン(BTC)の新規供給量が減少することで希少価値に加え、通貨の発行量引締めによって、インフレーション発生を抑制し価格の安定化を図るという点において、金(ゴールド)と同様の性質も有している。
コロナ危機に伴い、世界の中央銀行が大規模量的緩和など矢継ぎ早に対策を講じるなか、インフレ局面は、でデジタル・ゴールドの性質を有するビットコイン市場にとって追い風になる。
実際に、ビットコイン関連取引を視野にいれるヘッジファンドも増加傾向にある。
2020年4月以降にジェームズ・シモンズ率いるルネッサンス・テクノロジーズ、ポール・チューダー・ジョーンズ率いるチューダーBVIグローバルファンドと有力ヘッジファンドが続き、JPMorgan Chaseも米仮想通貨取引所を相手方に銀行サービスの提供を許可した。
半減期を経て、供給量が年間1.7%に減少することでデジタル・ゴールドとしての性質が強まったビットコインは、国際経済の不確実性が高まる中で、金融資産、リスクヘッジ資産としての見直しが進んでいる状況だ。
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