1.5万円の仮想通貨送金で「手数料が3億円」
たった1万5000円ほどの仮想通貨の送金で、3億円近い手数料が支払われた事例が確認された。
トランザクションは、日本時間10日の夜に確認されたもので、ブロック生成に成功している。(トランザクションが成立)
ブロック(#10237208)生成を行なった中華系マイニングプールのSpark Poolは、思わぬ形で多額の報酬を獲得した。当該ブロックのリワードも、通常の2〜3ETH(固定ブロック報酬+手数料)ではなく、「10,671.176566954591915817 Ether」と表示されていることが確認できる。
1.06万イーサリアムは、マイナー全体で採掘する1日のブロックリワードに匹敵する数量で、金額にして2億8200万円に相当する。送金者ユーザーが手数料と送金金額の入力を誤った可能性や、現実的ではないがプールのマネーロンダリングに利用された可能性を指摘する見方もみられた。
また、多額の手数料を支払った後も11億円相当のイーサリアムがアドレスに残っている点や、数分おきに送受信がプログラム的に繰り返されている状況から、誤送信を行なったアドレスは取引所のもので、自動化されている送金システムのバグが影響している可能性も指摘されている。
なお、手数料を受け取ったSpark Poolは、誤送信されたケースに備え、送信者の身元確認を行なっているという。誤送信の状況と送信者が証明されれば、手数料の返還がなされる予定だ。
追記(14:30)
異常な手数料と同額の事象が再び確認された。(2度目)
上述した1回目の送金とほぼ同額の手数料「10,668.73185 Ether」が支払われている事象で、同じアドレスから送金されている。
2度目の事象が確認されたケースから、送金システムの問題である可能性が高まっている。
イーサリアムの手数料
イーサリアムのマイナーが受け取ることができるブロックリワードには大きく分けて2種類あり、一つが固定ブロック報酬の2ETH。19年3月のConstantinople(コンスタンティノープル)とSt. Petersburg(セントピーターズバーグ)のハードフォークで3ETHから2ETHに変更されている。
一方、マイナーはトランザクションを処理する際に生成したブロックに含まれるGASの合計を報酬として受け取ることが出来る(PoW)。これがユーザーが指定する手数料だ。
手数料(GAS)は、ウォレットからイーサリアムを送金のトランザクションを実行する際に必要なGasの上限は任意に指定することができるほか、送金を早く送るために高い手数料を手動で入力することも可能だ。
手数料として利用されるGasは、Etherと別の概念として扱われているが、実際の決済ではETHで支払いが行われるため、ブロックリワードの合計値はEtherで表記される。