スペインの動き
スペインの国会が今年の下半期にも仮想通貨(暗号資産)取引所に関する規制法について、採決を行う予定であることが、政府の公式文書で明らかになった。
経済省が以前から準備していた法案で、国内の仮想通貨取引所およびウォレット業者、カストディ業者等サービス事業者が資金洗浄・テロ資金対策の規則を遵守する。
法案が可決されれば、スペイン国内の関連事業者は金融当局で事業登録を行い、規則を遵守するための対策を整えていることを証明することが義務化される。また、利用者の個人認証(KYC)として実名制を実施することも、今後事業を継続させる条件となる。
個人情報を管理するのが規制当局となり、匿名での利用を制限する制度を整える。
スペインの国会は今月で会期がおわり、次の会期が9月となるため、国会での議論・投票が9月以降となる予定だ。
今回スペインの動きは、FATF(金融活動作業部会)が昨年発表した仮想通貨関連事業者(VASP)に対する新基準の勧告に応じるための施策と見られる。新基準の「トラベル・ルール」は、VASPによる仮想通貨の送金の際に、送り主と受取人の個人認証情報を記録し、共有する厳格な国際基準として整備される予定で、日本を含むG20の参加国はそれぞれで対応を行なっている。国だけでなく、グローバルな取引所やブロックチェーンプロジェクト側もコンプライアンスに動いている。