- イギリス中央銀行、イングランド銀行長が仮想通貨を社会から隔離することはむしろ害になると主張
- イングランド銀行長 Mark Carney氏は、3月2日行われたスコットランド経済会議(Scottish Economics Conference)にて、仮想通貨に対して楽天的な意見を述べました。中国を例に挙げ、仮想通貨を完全に禁止するのではなく、その構成要素(一部)を規制することによって、有望な未来を促進すべきと指摘します。
イングランド銀行長 Mark Carney氏は仮想通貨禁止に反対し、引き換えに仮想通貨を構成する要素の規制を支持する姿勢を見せています。
Carney氏は、3月2日行われたスコットランド経済会議(Scottish Economics Conference)に出席した学生たちの前で、仮想通貨に対して有望な意見を述べました。
彼自身が付けた題名、『To Isolate, Regulate or Integrate(隔離か、規制か、統合か)』というトピックを話す際に、Carney氏は中国を例に挙げ、仮想通貨を社会から隔離することはむしろ害になるためするべきでないと指摘します。
『隔離することは基盤の支払い技術開発に秘められた飛躍チャンスを危険にさらす』と述べました。
中国は不名誉にも最も活発的に仮想通貨を禁止した国の一つになります。
Carney氏は、隔離ではなく、仮想通貨市場の構成要素を規制することによって詐欺と戦い、市場一体性とセキュリティのための『より良い策』を提案しました。
「より良い策は仮想通貨エコシステムの構成要素を規制し、違法活動と戦い、市場統一性を促進させ、金融制度の安全と健全さを守ります。今こそ仮想通貨を他の金融制度と同じ基準で扱う時です。金融制度の一部となれば、より大きな特権が与えられる裏で、それほど大きな責任が伴います」
と言及しました。
仮想通貨をどのように分類するのか
彼は、EUや米国が既に高度に統制された銀行と同水準のアンチマネーロンダリングと反テロ対策を仮想通貨にも受け入れている点を指摘し、他国よりも進展がなされていると討論しました。
まだまだ努力は必要で、規制者はまず仮想通貨をどのように分類するのかなどの問題に取り組んでいます。
Carney氏は仮想通貨は証券として分類することが初めのステップになると示しています。
彼は更に深入りし、ICOは個人の投資家を守るための証券法に触れていると指摘しました。
米国のCME及びCBOEがビットコイン先物取引を開始した事は、仮想通貨市場を高度な水準に引き上げることに繋がると言います。
今月末ブエノスアイレスで行われるG20サミットで、金融安定理事会は『仮想通貨の財政安定』レポート発表を控えているため、Carney氏の発表はタイムリーだと言えます。
「仮想通貨は通貨及び価値保蔵の役割も果たします。仮想通貨が法定通貨に入れ替わるのは先ですが、その自由を制限すべきでない」
と述べました。
「仮想通貨のメリットが何であれ、代表者らは将来金融安定性を改善し、効率的で信頼できる決済サービス、幅広い導入を生む可能性を持つイノベーションを妨げないようにすべき」
と指摘します。
最後に米国エコノミストのHyman Minskyを引用し、『誰でもお金を作ることはできますが、問題は受け入れられるか』
と述べました。
CoinPost参考記事↓↓↓
BOE’s Carney: Time to Hold Cryptocurrencies to Wider Financial System Standards
Gerelyn Terzo, March 2nd
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