韓国の国会議員、仮想通貨取引所の規制案に関するセミナーを開催

仮想通貨取引所の規制法案巡るセミナー

韓国の国会議員が10日、仮想通貨取引所のマネロン対策などを議論するセミナーを開催する。主催者は、韓国民主党のイ・スジン議員で、主に改正された特定金融取引情報法をめぐるセミナーを行う。

仮想通貨取引所の登録制を定める法案などが背景にあるという。韓国では3月に、仮想通貨交換所にライセンス登録を義務付け、アカウントを実名とする「特定金融取引情報報告及び利用などに関する改正案」が可決された。

これにより、顧客の身元確認、資金洗浄対策義務などが義務化され、仮想通貨の悪用を防ぐことが期待されている。法律は2021年3月より施行予定で、すでに存在する仮想通貨取引所も、同年9月までに登録手続きを行う必要がある。

改正案施行の準備時期であり、仮想通貨を巡る犯罪や詐欺が続いたタイミングでのセミナー開催となる。改正案の理解を深め、ブロックチェーン・仮想通貨業界へどのような影響を与えるか分析する内容になるという。

イ・スジン議員は次のように語っている。

デジタル経済の根源にあるブロックチェーンは「透明性」が不可欠である。しかし、仮想通貨が犯罪に悪用される度にネガティブなイメージが蔓延し始めている。

捜査当局との技術協力で、これ以上犯罪事件が発生することを防ぐ必要があるという。さらに、新型コロナウイルス対応が長期化する状況下で、非対面サービス取引が増加し、ブロックチェーン技術が脚光を浴びているとも指摘した。

仮想通貨関連のリスクを適切に管理しながら、未来志向的で革新的なブロックチェーンの生態系を構築できるよう、現場の声を聞いた上で、改正案についても詳細に検討したい。

ーイ・スジン議員

改正案によって中小の仮想通貨取引所の経営が困難になり、業界再編が起こるのではと懸念の声も挙がっていることから、とりわけ韓国内の関係者にとっては注目すべきセミナーとなりそうだ。

仮想通貨を課税対象とする方針

韓国では、インターネット・安全保障局(KISA)が、ダークウェブ上の仮想通貨取引を追跡する人工知能ソフトウェア開発を計画している。過去の事件では、取引の多くが匿名性を強化するために、モネロ(XMR)で行われており、当局の捜査活動が妨げられていた。

韓国内の仮想通貨関連ダークウェブ取引が増加傾向にあることも懸念されている。

詐欺事件も相次いでおり、先月にも、仮想通貨投資により利益を得られると騙った詐欺プロジェクトが、約1000億ウォン(約89億円)もの額を詐取していたことが発覚、当局が捜査した。

税金関係では、韓国の財務省が所得税法を変更し、ビットコインなどの仮想通貨マイニングやICO(トークン販売による資金調達)も課税対象とする方針を示している。今年1月には、仮想通貨取引の利益に20%の税金を課す計画があることも報じられた。


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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します